新世紀エヴァンゲリオン劇場版 / 旧劇場版 / 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に / Revival of Evangelion / 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生 / Neon Genesis Evangelion: Death & Rebirth / 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に / The End of Evangelion

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『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH (TRUE)2/Air/まごころを、君に』とは、1997年に相次いで公開された『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』と『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』の内容を合わせた、庵野秀明監督によるアニメ映画。TV版の内容を再編集し、新たな解釈を加えたもので、語られることのなかったもう1つのエンディングを映像化している。
『夏エヴァ』、『EOE』と呼ばれているが、2007年から順次公開されていった『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』と区別するために『旧劇場版』とも呼ばれている。
『新世紀エヴァンゲリオン劇場版』は、テレビシリーズのファンにとっては原作の世界観をより深く理解するための必見作品であり、新規の視聴者にとってもエヴァンゲリオンの魅力を存分に味わえる作品となっている。
中学2年生の少年碇シンジは、ある時父にして特務機関NELFの司令官である碇ゲンドウに呼び出され、「汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオンに乗って、人類の敵である使途と戦え」と命じられる。事情も知らされぬまま使途と戦い続けることとなったシンジは、同年代の少年少女たちと交流しつつ、世界の命運を巡る陰謀に巻き込まれていく。

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10

庵野秀明監督らしいエヴァンゲリオン

公開から20年以上が経ち、何度もこの作品を見返していますが、見る度に感想や考察の変わる映画はこの作品くらいかもしれません。
「自分はここに居てもいいんだ!」と心の底から納得できたシンジに、友人達からの「おめでとう」につつまれ、祝福ムードだったテレビシリーズのラストとは別のエンディングを迎えるエヴァンゲリオンのストーリー、というコンセプトの作品です。
テレビシリーズの暖かなエンディングとは一変、明らかに雲行きの怪しい冒頭からスタートし、
各々の抱える深い理由でエヴァに乗れないシンジやアスカ、投入された戦略自衛隊によって虐殺されるNERV職員達、シンジを救うために自らを犠牲にするミサト、恐ろしいことを企んで実行しようとするゲンドウ…。
劇中のシンジと同じように「もういやだもういやだもういやだ」と連呼したくなるような鬱すぎる展開の嵐です。
しかし、それが庵野秀明監督の、旧劇場版エヴァンゲリオンの魅力でもあるのです。
終始暗い雰囲気ながら、そんな空気を吹き飛ばすかのように活躍するのが、弐号機に乗って覚醒したアスカです。
不気味なエヴァシリーズが9体もの軍勢で攻めてくるのを相手に、たった1人で果敢に立ち向かうのですが、その戦闘シーンはロボットアニメのセオリーとも言える、ロボット同士の重量感溢れる熱い戦いで、きっと制作された方々はノリノリで描かれたのだろうなぁというのが伝わってきます。
しかし、そこは庵野秀明監督。
アスカ覚醒からの敗北、そして絶望への突き落としっぷりはとてつもなく、メンタルの弱い人だとどん底から這い上がるのにものすごい時間と体力が必要になると思います。私もそうでした。
作品の最後のアスカのセリフ「気持ち悪い」は有名ですが、これは当初予定されていたセリフではなく、アスカの声優を務められた宮村優子さんの案でこうなったそうです。
確かに「気持ち悪い」と納得するラストの台詞ですので、ぜひ最後までご覧下さい。もちろん、褒め言葉です。

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8

結局、またここに戻ってくる

映画「新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 Air/まごころを、君に」は1997年公開の映画です。
西暦2015年、人類を襲う謎の敵「使徒」と、汎用人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」を操縦する14歳の少年少女たちを描いた作品で、当時社会現象ともなった「新世紀エヴァンゲリオン」TVシリーズの完結編を描いた映画です。
物語は全ての「使徒」を倒した後の世界でサードインパクトの発現を目指すゼーレ(敵)と、それを阻止しようとする特務機関ネルフとの戦い、また使徒との融合によりゼーレとは異なる人類の補完を目指すネルフ総司令官ゲンドウ等、それぞれの複雑な人間関係や思惑で語が進みます。
ネルフ施設が次々と破壊・占拠されていく中、主人公の碇シンジは発見され殺されそうになるが、何とかエヴァンゲリオンに乗ることが出来るのですが…
TVシリーズで人気のあったキャラ達がほぼ死亡する様子、それに伴うグロテスクな描写、物議を醸しだしたラストシーン等、TVシリーズのファンの中でも賛否が分かれる作品ではありますが、それだけに未だにファンの間では議論が止みません。しかしながら、映像美や効果的な音楽などの評価は高く、シリーズ完結編を名乗るにふさわしい作品であることには間違いありません。
「気持ち悪い」のに何度も見返してしまう、そんな映画です。

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8

言葉で悟った直後に行動で間違う。

シンジを奮い立たせるために、ミサトは彼を叱咤し、説得し、激励します。本作屈指の名シーンです。その直後にキスをします。シンジはミサトに対して、母や姉のような存在であることは求めても、性的な存在であることは求めていません。ミサトはそれを最後の最後まで理解できていないままですが、シンジが前に進む可能性が少しでもあるならと、間違った行動をしてしまいます。どこまでも擦れ違い傷つけあう人間関係を描いてきた本作ならではの悲しくも醜悪なシーンと取ることもできますが、本来他人であるミサトがシンジと本物の家族になろうと必死に足掻く姿とも捉えることができます。
そしてラストシーンでは、“自分を他人に認められたければ、自分も他人を認めなければならない”という人という生き物の本質を悟ったシンジが「他者の肯定」に目覚め、人類全てを融合させることで他人という異物を排除しようとした人類保管計画から決別します。しかしその後、シンジは隣に倒れていたアスカの首を締め始めるのです。「他人という異物と共にあり続ける」ことを選びながら、その異物から与えられる痛みに耐えられずにそれを排除しようという、ある種本末転倒な展開です。人生の選択を間違えること、進んでは後悔する事の繰り返しという流れに囚われ続けることを受け入れるという点では、中途半端なまま終わったTV版よりも一歩先の話になっていると思います。それは常に相手から否定的な目線を浴びる可能性が続く事を意味しています。しかし、それに対して、カヲルの「その可能性(他人という異物によって与えられる痛み)こそが、自分と異なる何かがこの世に存在するという希望そのものなんだ」という言葉がとても心に残ります。
直後、アスカが覚醒するシーンのカタルシスだけでも見る価値は大いにあります。登場人物の誰もが自分の理屈でしか行動していない今作において、シンジが初めて生々しい他人の感情をぶつけられる場面になるので、リアリティのギャップがえげつないです。