天使な小生意気 / 天こな

天使な小生意気 / 天こな

『天使な小生意気』とは、1995年から2003年まで西村博之によって『週刊少年サンデー』(小学館)に連載された青春コメディー漫画。主な略称は『天こな』。コメディー要素が主であるが、バトルや恋愛要素も含まれている。絶世の美女は実は男だという話だが、どうしようもなかった不良が更生されるほどの魅力を持つ、天使恵(主人公)に目が離せない内容になっている。漫画の人気からテレビアニメ化されDVD化、更にはゲーム化もされている。

天使な小生意気 / 天こなのレビュー・評価・感想

レビューを書く
天使な小生意気 / 天こな
10

「絶世の美少女ヒロイン」に食われないバイプレイヤー達が魅力

天使な小生意気は、「幼少期、不思議な本によって絶世の美少女に変えられてしまった少年」が主人公の少年漫画です。
その設定だけ見れば何でもありのファンタジーものに感じられますが、開いてみれば王道的ともいえる学園もの。絶世の美少女であるヒロインと、その陰に隠れがちだけど実はかわいい親友、「西森漫画といえば」な印象のヤンキー主人公、そのヤンキーと対をなす寡黙な美青年にモブらしい男二人、という間違いないバランスのメンツが物語を紡いでいきます。
ここで凄いのは、普通の漫画ならヒロイン&主人公以外は添え物になりがちなメンツなのに、「全員主人公」といっても差し支えないくらいのキャラクターの深さがあり、読み手の胸を熱くする活躍を見せてくれるところです。
特に終盤、ヒロインの親友がヒロイン役となり、元少年設定のヒロインがヒーロー役を担うストーリーでは、女の細腕一つでは担い切れないヒーロー的部分を他の登場人物全員で補うシーンひとつひとつに感動してしまいます。

「天使な小生意気」についてひとつ主張したいのは、絵柄の味です。一見ヘタウマ系の絵なので、表紙に手が伸びづらいという人もいるでしょう。しかし、読んでいけば「このヒロインはまさに絶世の美少女だ」としか感じられなくなるでしょう。