CASIOPEA 3rd

CASIOPEA 3rdのレビュー・評価・感想

New Review
CASIOPEA 3rd
10

日本のトップフュージョンバンド

CASIOPEA 3rdは、言わずとも知れた、日本のトップフュージョンバンドである。CASIOPEA 3rdの魅力は、まず第一にリーダーである『野呂一生』が作る、楽曲の良さにある。キャッチーなメロディーに、高度なアレンジがなされている点がとても優れている、と私は思う。代表作を挙げると、『アサヤケ』、『ドミノ・ライン』に始まり、『ファイト・マン』、『ときめき』、『ディズ・オブ・フューチャー』、『ビヨンド・ザ・ギャラクシー』と枚挙にいとまがない。そして第二に、ギター、キーボード、ベース、ドラムの4人のメンバーの、演奏能力の高さである。4人が作り出す、ビートの利いたアップテンポの曲は、切れ味抜群。また、バラード曲では、表現力豊かな別の顔も見せてくれるのである。旧CASIOPEAでは鮮烈なデビューからライブの圧倒的なパフォーマンスが支持を受け、日本国内にとどまらず、ロンドン公演や、ワールドツアーと世界にも精力的に飛び出していた。旧CASIOPEA から一時休息時間を置いて、新生CASIOPEA 3rdとして新たなスタートを切ったわけだが、より深みを増すとともに、ますます演奏にも磨きがかかっている。とにかく、CASIOPEA 3rdは、音楽ファンの夢を乗せて走る、特急列車なのだ。

CASIOPEA 3rd
8

世界に名を轟かせたフュージョン・バンド

1977年結成、当時のパーソネルは野呂一生(g)向谷実(key)櫻井哲夫(b)佐々木隆(ds)、あのサザンオールスターズと共にコンテストで入賞。’79年、アルバム『CASIOPEA』でデビュー。セカンド・アルバム『スーパー・フライト』でドラムの佐々木が脱退します。後任には櫻井と同じ大学に通う神保彰が加入。ここで鉄壁のメンバー構成に。特に神保初参加でいきなりのライブ盤『サンダー・ライヴ』は海外のミュージシャンの絶賛を得ます。たしかにこのライヴ盤、若さ溢れるエネルギーが迸っていて今聴いても、あまり古さを感じさせない出来です。通算4枚目の『メイク・アップ・シティー』ではメンバー全員のオリジナルで構成された作品。そしてデビュー2年にしてハービー・メイスン、プロデュースによるL.A.レコーディング『アイズ・オブ・ザ・マインド』を発表、海外のミュージシャンとの共演を果たします。同年アルバム『クロス・ポイント』ではハービーをコ・プロデュースに迎え、同アルバムでは「スウェアー」「ドミノ・ライン」「ギャラクティック・ファンク」など今でもライヴのレパートリーになる曲もあります。そして’82年ライヴを録音しそこにスタジオ・ワークを加えるというアルバム『ミント・ジャムス』で人気を不動のものとします。同年アルバム『フォー・バイ・フォー』をリリース。このアルバムはリー・リトナーグループとの共演アルバムであり、なんとノー・リハーサル、1日でのレコーディングという悪条件にも拘らず各人の個性がぶつかりあった作品となりました。その後も『フォトグラフス』、ロンドン録音の『ジャイヴ・ジャイヴ』とヒット・アルバムを制作しますが’89年に櫻井・神保が脱退、後任に鳴瀬喜博(b)日山正明(ds)が参加。90年代のカシオペアを代表する『フル・カラーズ』(’91年)を発表しますが’92年に体調不良により日山が脱退、熊谷徳明が加入するが’96年に脱退。ここで元メンバーの神保がサポートとして参加するのですが2006年に野呂一生がカシオペアの活動停止を表明します。この間デビュー以来のメンバー向谷実がグループを離れます。そして2012年にキイボードにオルガニストである大高清美を迎え『カシオペア3rd』としてリスタート。