透明なゆりかご 産婦人科医院 看護師見習い日記

透明なゆりかご 産婦人科医院 看護師見習い日記

『透明なゆりかご 産婦人科医院 看護師見習い日記』は、作者:沖田×華のアルバイト先での実体験に基づく、1997年頃の産婦人科医院を舞台とした医療漫画作品。漫画家として活躍している作者が、看護師を目指していた時から考えている“命とは何か”という永遠の課題に真剣に向き合い、様々な命の物語を描く。“輝く命”だけではなく“透明な命”もある。時には、“輝く命”として産まれても“透明な命”になることもある。どんな命でも同じ重さがあり、意味があるという“命の尊さ”を考えさせられる作品である。

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透明なゆりかご 産婦人科医院 看護師見習い日記
8

いいところばかりではない

産婦人科医院でアルバイトをする看護系の学校に通う高校生が、妊娠、出産のいろんなケースに触れる話です。産婦人科系の漫画だと不倫でできた子を産んでも美化とか、タバコ吸ってても、まあやめようとしたからいいとかいう作品もある中、この作品はいい面だけでない、現実的な闇とかも描いていてとても読み応えがあります。どうしても産まない子もいるし、中絶を隠れてできる場所も必要なのかもしれないとか、先生の真摯な向き合いとか、考えさせられます。ひどい目にあっている人とか、ほんといろんなひとがいて、それでもだから、その子が何してもいいとか、かわいそうなひととか言う書き方でもなく、嫌な子だし、困るけど、いろいろ事情があるんだなと言う書き方に好感が持てます。また、順調だと思われた人が出産時に出血多量で亡くなったり、強いひとだったのに、産後うつになったり、本当に子どもを産むということが大変なことだなと思いました。妊娠は病気じゃないとかいう風潮がありますが、やはり、大切にして生きたいと思うし、夫、家族は命がけで産んでくれるんだと妻を支えてあげてほしいと思いました。なかなかヘビーな内容も多く、読むと沈んでしまいますが、新しい話が読みたいと思える作品です。