ラララ(漫画)

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ラララ(漫画)
9

いろんな家族があったっていいじゃない

『ラララ』は金田一蓮十郎作の『ヤングガンガン』に掲載されていた漫画で、単行本は全10巻。
サラリーマンの主人公がある日リストラに遭い、酔っ払って出会った美人の女性医師と勢いで結婚するところから始まる「専業主夫」ストーリー。
この医師は顔もスタイルも抜群だが、とにかく「変人」。家ではとにかく裸族という時点でかなりの変人。
そんな「変人」との同居生活から、働くとはなにか、結婚とはなにか、家族とはなにか──。
この考え方は自分の固定観念? それとも世間的な「普通」なのか? 「普通」ってなに?? 主人公を通じていろんな気づきを読者が得られる作品になっている。
家族にはその家族それぞれの理由があり、いろんなかたちがある。
漫画には児童養護施設出身者・LGBT問題・DVといろんな人たちと問題が出てくるが、それを重く、深刻になりすぎないよう描かれているそのバランスの良さが絶妙。
またこのぶっ飛んでいていかにも「漫画だから」と思ってしまう主人公たちの設定も、「もしかしたらこういう夫婦、どこかにいるかも」と、読んでいるうちにきっとどこかに実在しているかのような、リアリティの持たせ方も評価したいところ。
「多様性」という言葉が多く使われる、平成から令和の時代らしい作品だ。