平田達彦

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平田達彦
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シンガーソングアルバイター?〜平田達彦

ねえねえ、このアルバム聴いてみな。君なら気に入るはずだと思うよ。
今からもう10年くらい前だと思う。当時、交流のあった私と同じアマチュア弾き語りストが2枚のCDを私に押し付けて来た。
ミュージシャン名は平田達彦?
知らんなぁ。まぁ彼が薦めてくるミュージシャンのアルバムだ。きっといいに違いない。
そう思い、家に帰り、CDを聴いてみた。
それが平田達彦氏との出会いだった。
1枚目にかけたのは「そして僕は歩く」だったと思う。
クラシカルなピアノの音に続いて、ハモンドのキーボードの音がクロスフェード。それに続いて、掻き鳴らされるアコースティックギター。
あれ?なんかカッコイイじゃね?
平田氏のダミ声って感じのハスキーヴォイス。
はぁ〜、もうインディーズの領域を凌駕してね?それだけ完成されたアルバムだと思った。
1枚目を聞き終わった時はもう放心状態
続いて2枚目の「ランナーズハイ」を聴いた。
くわ〜!カッコイイなんてもんじゃない!
いったい何を食ったらこんな曲が書け、こんなブルージーな声になれるんですか!?
2曲目のバラード曲「How long how long」に魂を鷲掴みされましたよ!えーえーえーえー。

俄然、このミュージシャンに興味をもった私は、これらのCDを貸してくれた男に電話して平田氏のことを聞いてみた。

彼曰く、「平田達彦。広島県出身。福岡県博多市在住。既婚(子供無し)。福岡市内のボロアパート(失礼💦)に住みつつ、定職にはつかず、アルバイトをしながら音楽活動をしている」そうだ。
なお生年月1959年6月。御歳62歳(2021年現在)。
見た目はどこにでも居そうな普通の御人。

それからは平田氏の曲が私のパワープレイになった
いつしか、平田氏のライブが観たい!と強く思うようになった。

そんなある日、CDを貸してくれた彼が平田氏のライブのチラシをくれた。ライブに行った時に3枚くらい持ってきてしまったとか。

チラシにはCDの宣伝文句などが書かれており、ライブの御用命は下記に連絡を。とあり、住所と電話番号が書いてある。
電話番号?もしかして平田氏の自宅の?電話してみようか?でも何話したらいいんだろう?

その夜、ドキドキして電話したのを覚えている。
平田氏はとても気さくに話してくださった。ずうずうしくも「How long how long」を私もカバーしたいというと、書いて送ってくれるという。

今でも手書きのコード譜は大切にしています。

その数年後、函館の赤帽子屋で共演を果たしました。

話が脱線しました。
平田氏のライブスタイルは弾き語りオンリー。
弾き語りは何も飾るものがない分、本人の生き方がはっきり出ると思う。
そんなライブスタイルを頑なに維持し、あまつさえアルバイトで食いぶちを稼ぎながら、好きなことで生きて行く。
時にブルーズを歌い、時にフォークを歌い、そしてロックも歌う。
はたから見れば、幸せな人生とは言い難いかもしれない。
平田氏はそんな人生に背を向け、ゴーイングマイウエイ。
我が道を行く!だ。
平田氏の曲を聴きながらこの文を書いています。
このコロナ禍の中、平田氏はどうしているだろうか?

これは私のあくまで想像ですが、もし平田氏が死ぬ時が来ても笑ってこういうだろう。
「あ〜俺もう死ぬ時期か。でも好きなことして好きな歌を歌ってきたからいいか〜」

終了!