イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 / The Imitation Game

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 / The Imitation Game

第二次世界大戦中に、ドイツのエニグマ暗号の解読に挑んだアラン・チューリングの実話を、グレアム・ムーア脚本、モルテン・ティルドゥム監督により2014年に映画化した、歴史ミステリー映画。解読不能と言われたエニグマ暗号を、万能マシン「クリストファー」によって解読し、イギリスを勝利に導いたものの、同性愛者であることから不遇の人生を送ったアラン・チューリングをベネディクト・カンバーバッチが熱演している。

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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 / The Imitation Game
8

私たちの秘密とは

この映画は単に、「『エニグマ』という暗号機を解き、ドイツ軍の策略を欺く」、というサスペンス・ミステリーの話だけではなく、人と人との『秘密』を解き明かしていくドラマでもあり、第二次世界大戦時のヨーロッパ情勢を描く歴史モノでもある。

タイトルの『イミテーションゲーム』とは、コンピューターの思考能力を評価するために行なわれるゲームのことであり、コンピューターと人間に同じ質問をして、それぞれがどちらの回答であるかを隠し、それを第三者に提示、どちらがコンピューターの回答であるかを判定させるというものである。

映画でもこの描写がある。

「教えて欲しい、私は犯罪者か、それとも英雄か」
天才数学者の『アラン・チューニング』は苦悩する。

「それって話す時とどう違うの?本当の意味ではなく、別の言い方をする。でも、相手は理解するよね、僕はそうじゃないけど」

幼き日のアランは言う。
人間をどこかで煩わしく思い、ひた隠しにしてきた感情。
その真理を問う場面。

その秘密は、エニグマとの対峙によって徐々に解かれ、そして明かされていく。
最後は切なくて、でも胸が熱くなる物語。