リトル・ミス・サンシャイン

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リトル・ミス・サンシャイン
8

ほっこり型ロードムービー

自殺未遂、破産寸前、離婚、友達ゼロ。いろいろな問題を抱えた家族が、娘である少女のミスコン出場のためにアリゾナからカリフォルニアまで移動するさまを描いたロードムービーです。
歪んだところのある家族達ですが、純粋な存在の少女に対しては皆優しくて、演出もくどくないためほっこりできました。
家族たちはいわゆる負け組なのですが、やりとりや間の取り方がコメディチックで不快になるような描写はほとんどありません。むしろ、癖のある性格が不思議と魅力に繋がっているように思います。
登場人物それぞれ好きなところがあるのですが、私は少女の叔父が一番のお気に入りでした。自称アメリカで一番のプルースト学者ですが、ゲイであり、恋人にフラれて自殺未遂をしてしまった男です。言動が穏やかで知的ですが、それを鼻にかけるわけでもなく、人との距離の取り方が「ああ、いるいるこういう良い人。」という感じで親近感が湧きました。彼がニーチェ信者である少女の兄にむけて語った助言は、この作品を見た当時若者だった私の心にも響きました。
純朴な少女やその家族たちがミスコンという闘いの場で何を感じ、どういった行動をとるのか?
ネタバレは控えますが、ほっこりできるだけでなく、勝ち組や負け組についてなど色々と考えさせられる映画でした。おすすめです。