女王の花 / Joou no Hana

女王の花 / Joou no Hana

和泉かねよしの『女王の花』とはベツコミ2007年11月号に掲載された読み切りが好評だったため、2008年8月号に続編となる2話が、2009年7月号には3話目が掲載、さらに2010年6月号より隔月で定期連載された歴史漫画です。
亜国の姫・亜姫が薄星と共に継母・土妃から亜国を取り戻すべく周囲の人々に鍛えられながら翻弄していきます。

yuntatann7のレビュー・評価・感想

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女王の花 / Joou no Hana
9

女王と奴隷の恋愛模様が描かれている作品

ある国の姫とその奴隷が故郷を追われ旅をする物語。姫は自身の母親を毒殺され、実の父親(国の王)に追放されてしまいますが、実はそこには理由があった。美しく聡明な姫は旅の中で王の素質を発揮し始め、人々の心を動かしていく。姫と奴隷は幼少期から共に生き、奴隷は姫を守り時には姫の心のよりどころとなる。この漫画の見どころは姫と奴隷の恋愛劇にある。幼少期より共に生きてきた二人に少しづつ恋愛感情が芽生えてくる。しかし、所詮は姫と奴隷。殺害された母の復讐と女王になるという信念を持った姫に恋する奴隷は、自分の感情を殺し姫を守り続ける。一方姫の心は少しづつ奴隷に恋心を抱き、ついには奴隷の妻にしてほしいと思うようになる。しかし、奴隷は敵との交戦で毒を浴び体の自由がきかなくなっていた。姫が女王となるまであと少し、最後の戦争で奴隷は姫を守り死んでいく。姫と奴隷の決して叶わない恋がとても切なく、漫画を読み進めていくうちに二人を応援したくなる。姫と奴隷がようやく結ばれた時は国と国との戦争中。そこで奴隷のとった行動があまりにも辛く、漫画を読みながら私は泣いた。二人の恋愛模様と国と国との対立、人々との関わり合いがおもしろく描かれた作品である。