糸

『糸』とは、2020年に公開された日本の恋愛映画で、中島みゆきの楽曲『糸』にプロデューサーの平野隆が着想を得て制作された。監督は瀬々敬久。平成元年生まれの高橋漣(たかはしれん)と園田葵(そのだあおい)は、美瑛で出会い恋に落ちる。しかし大人たちの都合で引き裂かれ別々の人生を歩む。出会ってから18年経って平成という時代も終わりを迎えるとき、互いを忘れられなかった漣と葵は再び手を取り合うために動き出していた。この物語は、漣と葵、その周辺の人々の軌跡を「平成」という時代にのせて描く作品となっている。

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9

中島みゆき作曲の【糸】に絡ませた映画

4人の幼なじみが平成、令和の時代を駆け抜け、その半生を懸命にかける物語。リーマンショック、東日本大震災、令和の幕開けとともに主人公たちの人生を時系列で描写。日本人なら誰でも知っている災害や人災に想いをめぐらせ、主人公の人生を観ているつもりが気がつけば自分の人生を振り返り、なぞらえて物語を観ていた。自分ではどうしようもない災害、震災、経済ショック…ただ普通に生きたい、穏やかに生きたいだけなのに、そんなに多くを望んでいないのに、それさえも叶わず翻弄され流される人生。
映画の中で使われる中島みゆきさんの作曲【糸】と【ファイト】。映画のストーリーにすごくマッチしており、曲が流れるたびに観ている人の心を揺さぶる。琴線にふれて涙があふれだす。
コロナ禍のなか、色んな事を我慢している人が多いように思う。私もいつからかちゃんと泣いておらず、映画の感動もあり久しぶりにちゃんと泣いた。泣くって大切な事なんだなと改めて思った。
【糸】の歌詞にあるように、なぜ人が巡り会うのか、なぜ人が出会うのかきっと誰も知らない。それでも糸のように人生の中には運命の出会いがいくつもあり、ほつれたり切れそうになりながらも必死に生きていく。そんな主人公の姿に心を揺さぶられ、大切な事を思い出した。