メイドインアビス / Made in Abyss

メイドインアビス / Made in Abyss

『メイドインアビス』とは、つくしあきひとによる日本のファンタジー漫画作品である。
作者のつくしあきひとは、ゲーム会社でデザイン等を行い、その後フリーのイラストレーターとなっている。本作品にもその経験が活かされ、ファンタジックな美しい背景やイラストが特徴である。
物語はアビスという大穴を冒険する様子が描かれている。主人公リコは人造人間のような見た目のレグと出会い、母を探しながら大穴の奥底に眠る秘密を探っていく。
美しい背景や可愛らしいキャラクターデザインとは裏腹に物語の内容は重く暗いものである。この事に関して、作中のレグの言葉を引用し「度し難い」と表現されることが多い。
テレビアニメは2017年、2022年に放映された。テレビアニメの総集編として、劇場版2019に前編『メイドインアビス 旅立ちの夜明け』、後編『メイドインアビス 放浪する黄昏』がそれぞれ公開された。2020年には新作劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』が公開された。

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メイドインアビス / Made in Abyss
10

可愛らしい絵に騙されて下さい!!

コミックが原作で、アニメ化もされている作品です。可愛らしい絵柄で、「あー、この可愛らしい子達が冒険する話なんだろうな」初見の人はきっとそう思うでしょう。はいその通りです。しかし、覚悟して下さいね。表紙に描いてある可愛い子、12歳なんです。子供なんですよ。子供が危険で恐ろしい地へと冒険に出るのです。主人公のリコが目指す先は『アビス』。アビスとは、美しい風景と未知の『遺物』と呼ばれる宝と、凶暴な原生生物と呪いが存在する恐ろしい地です。直径1000メートル、深さ不明の縦穴で、七層で形成されており、界層毎に『呪い』が存在します。降りるのには問題は無いのですが、そこから上へと上昇する時に、体に負荷が掛かります。その『上昇負荷』を、『アビスの呪い』と呼ぶのです。
深界一界層の負荷は、軽い眩暈と吐き気。
深界二界層の負荷は、吐き気、頭痛、末端の痺れ。
深界三界層の負荷は、平衡感覚の異常、幻覚、幻聴。
深界四界層の負荷は、全身の激痛と穴という穴からの流血。
深界五界層の負荷は、全身の感覚の喪失とそれに伴う意識混濁と自傷行為。
深界六界層の負荷、ここからはシャレにならない負荷になります。その負荷は、人間性の喪失、もしくは死。
深界七界層の負荷は、確実な死。
そんな場所へリコと、リコが深界一界層で拾った人間そっくりなロボットのレグは恐れず挑みます。リコは非力ではありますが、遺物の知識が豊富である事と、料理上手という特技があります。レグはロボット故、上昇負荷を受けることがありません。加えて強靭な体と、ワイヤーで長く伸びる腕、素早い動きによる戦闘技術、『火葬砲』という掌から発せられる強力な熱線(しかし、使用後は数分後に2時間ほど昏倒するので使用するには注意が必要)で原生生物との戦闘では頼もしい存在です。後に仲間になるウサギのような姿のナナチという獣人は、アビスの知識が豊富な上医術にも詳しく、外科手術の技術もあります。彼女達の前には様々な困難が立ちはだかります。目を覆いたくなるような怪我を沢山します。見るに堪えない経験も沢山します。沢山失い、それでも、リコ達はアビスの底へと挑むのです。