タカコさん

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タカコさん
8

日常の音を素敵に感じます

タカコさんは、人より少しだけ耳がいい、特に変わったところのない女性です。
絵でいえば「ワカコ酒」の作者が描くタカコさんは、ワカコと同様にまんまるとした目をしていて、周囲の人々とはちがう特徴的な描写になっていることや、心の声が多めなところは共通点があります。

タカコさんはこの「少しだけ耳がいい」という自信の感覚を気に入っているようで、街や人、電車などの音も心地よいものとして受け取っています。
タカコさんの職場はレストランで、お昼などはサラリーマンやOLで忙しくなります。当然ワイワイガヤガヤと音に溢れ慌ただしくしていますが、その中で「出てくるのが遅いけど、ちゃんと注文通ってるかな」と同僚と話す方や「すみません」と呼ぶ声が小さくて他に誰も気づかないお客さんの声に一人気がつき、丁寧に対応する様子は好印象で、こんな店員がいる店なら通いたくなります。

タカコさんと対照的なのは、友人の湯川さん。
湯川さんは現代社会の社会人として、いつもストレスに晒されていて大変な日々を送っています。
周囲の音にもストレスを感じるほど余裕がなくなることの多い湯川さんと、周囲の音に晒されていてもそれらを心地よく感じているタカコさんは対照的ですが、そんなタカコさんの態度は湯川さんも癒し、いい友人関係に見えます。

読者としても、タカコさんを見ていれば日常の音が一風変わって感じるようになるかもしれません。