アイ・フランケンシュタイン

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アイ・フランケンシュタイン
8

おもしろい設定と映像美が素晴らしい

フランケンシュタイン博士に作られた怪物は、復讐心から博士の妻を殺し、結果的に博士を死に追いやってしまう。彼は、死者を蘇生させる方法を探している悪魔に狙われ、危ないところを天使の軍勢であるガーゴイルに助けられる。フランケンシュタインの怪物はアダムという名前を与えられ、やがて悪魔ハンターとしての人生を歩んでいくのだった。
死者の蘇生法を巡る悪魔とガーゴイルとの取引、仲間の死、自分に味方してくれた人間への信愛など、さまざまな要因がアダムを魂ある存在へと「成長」させる。
ストーリーは主人公の成長物語で分かりやすいが、その世界観の設定がとても面白い。ガーゴイルと聞くと「怪物」の石像を思い起こすが、彼らは天使の軍勢で人間を守るために悪魔と敵対しているのだという世界観だ。
特に圧巻な部分が、石像状態から人間に変化する場面で、とても自然に変身するものだから、本当にこんなことがあるのかも...というわくわく感を感じることができる。もちろん映像美は設定のリアリティを出すためにいろいろなシーンで多々見受けられ、中世ヨーロッパの街並みが現代の街並みになっていることも、作品内での時間の経過を思わせとても説得力がある。
個人的には、ガーゴイルの方が悪魔陣よりも制作人に愛されているな、という印象。ガーゴイルひとりひとりのキャラが立っており、誰が主人公になってもおかしくない魅力がある。そんな中で最後に立派な成長を遂げたアダムは、やはりこの作品の主人公に相応しいのだと思う。