オルフェウスの窓

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オルフェウスの窓
8

ロシア革命を舞台にした名作

「ベルサイユのばら」で有名な池田理代子先生の作品です。時代は、ロシア革命前夜から第一次ロシア革命頃のドイツ、オーストリア、ロシアが舞台となっています。
第一部はドイツが舞台、第二部はオーストリアが舞台、第三部はロシアが舞台、第四部は再びドイツが舞台となっています。私としては、第三部が一番好きです。
侯爵家に生まれながら革命家として身を投じてゆくアレクセイ・ミハイロフと、同じく侯爵家の若き党首で最期までロマノフ王朝に忠実なまま壮絶な最期を遂げるレオニード・ユスーポフ公を対比しつつ、主人公であるユリウス・レオンハルト・フォン・アーレンスマイヤの悲恋が描かれています。
ギリシア神話のオルフェウスの悲恋伝説と、史実であるロシア革命を見事に融和させながら、壮大なストーリーとして構成されています。歴史に興味が無くても、このマンガを読めば、ロシア革命が起こった頃、第一次世界大戦下のヨーロッパの歴史に自然と興味が湧いてくるはずです。
少しだけ不満なのは、第一部の主人公であるユリウス・レオンハルト・フォン・アーレンスマイヤにあまりに救いが無いことでしょうか。
愛し続けたクラウスことアレクセイ・ミハイロフと結婚したことまでは良かったのですが、最後にアレクセイ・ミハイロフが死んでしまい、さらにアレクセイとの愛の結晶まで死産してしまいます。その上ユリウス・レオンハルト・フォン・アーレンスマイヤも記憶喪失になってしまった挙げ句、殺されてしまうというのはあんまりだと思いました。