コスモス

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コスモス
8

日々はこういうものである

光用千春著「コスモス」

小学校3年生の花ちゃんは今日からお父さんとの2人暮らし。だけど、お父さんのことをよく知らない。
今までと違う暮らしの中で感じる、今まで感じることのなかった感情のひとつひとつに花ちゃんは向き合い、こころの中の引き出しにおさめていく。

お父さんとの間にドラマチックな衝突が起きるわけでもないし、<父子家庭の子>ということでクラスメイトにいじめられて泣くわけでもない。日々はこれまでと同じ速度でやってくるし過ぎ去っていくんだけども少しだけ密度が違う。そのことに24時間振り回されるわけではないんだけど、ふとした時に心が揺れる。そんな、ふつうの日常を描いた漫画作品。
街にはたくさんの人が歩いている。そこにはいない人も、アパートの部屋で、長年住み慣れた生まれ育った中途半端に古びた家で生きている。すこぶる派手な暮らしをしている人もいる。一日息しかしてなかったというのが相応しいくらい何もしていない人もいる。そのひとりひとりにドラマがある。

少し遠くから俯瞰して見ているような距離感でありながら、多様性を受け入れてくれるような安心感を同時に感じる、光用千春のデビュー単行本となる本作。
次回作が楽しみです。