長澤知之

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長澤知之
8

唯一無二、孤高、どんな言葉でも表しきれないシンガー

長澤知之というミュージシャンを知っているだろうか。彼は2005年に行われた「YAMAZAKIMASAYOSHIinAugustaCamp2005」のオープニングアクトでオーディエンスに衝撃を与え、注目を浴びた。
彼の歌声は「アシッドボイス」とも呼ばれ、デビュー当初は特にその甲高い歌声は鋭く、聴いたものの胸に突き刺さったであろう。彼自身もその歌声の特徴を理解しているのか、「マンドラゴラの花」という強烈な酸性を思わせる声、まさに伝説の植物マンドラゴラがいるのならこのような声ではないかと思わせる歌もある。特に初期の作品はその孤独さが浮き彫りとなる。青春の恋での挫折、喪失、そして寂しさ。思うようにはいかない人生。そういったものの全てが彼の声、メロディー、歌詞には詰まっている。しかし、それでいて彼の歌は希望と救いを求めている。それが彼のロックなのだ。
ギターを弾くスタイルは、エレキギターでピックを使わずにフラメンコギターをかき鳴らすように弾く。
圧倒的な狂気、陶酔、そして孤独感に彼の歌の本質はある。単に彼の曲をロックと表現することは不可能であろう。個性が強烈すぎるあまり敬遠する人もいるが、ぜひ一度視聴してほしい。注意点があるのなら、今日が幸せすぎる人には向かないだろう。なぜなら彼の歌は、谷底から必死にもがいて幸せに手を伸ばす人間の歌だからだ。
2018年には、ALというバンド名義でセカンドアルバム「NOWPLAYING」をリリースした。より多くの人の魂を、そのアシッドボイスは溶かしてはまた作り上げる。ソロでもバンドでも、唯一無二のその歌声はきっとあなたの孤独と哀しみに寄り添ってくれるだろう。