セブン・イヤーズ・イン・チベット / Seven Years in Tibet

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セブン・イヤーズ・イン・チベット / Seven Years in Tibet
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西洋化が進む現代日本、ここらでちょっと一休み

「Seven years in Tibet」という名の通り、主人公であるハインリヒ・ハラーがチベットで7年間を過ごすお話です。なんとも捻りの無いタイトルですがなめてかからないでください。私はこの映画、今の時代だからこそ皆に観て欲しいと思いました。
ハインリヒは実在した登山家です。つまり、この実話が元となって作られています。ハインリヒの他にも、ダライ・ラマという実在する人物が重要人物として登場します。ダライ・ラマの名前は皆さん一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
このハインリヒという男、腹の立つ男なんですよ。物語のなかほどまでずっと嫌なやつ。傲慢でまさに俺様キャラ。登山家ですからチームで山に登るのがお仕事ですが、全然、協調性がない。チーム全体の危機でも「俺が一番能力が高いんだから俺の意見に従ってればいいんだ!」というような状態。確かに一人の登山家として見れば、恐れ知らずで何やらメダルも獲得しているらしく有能な人物なんですけどね。皆さんの職場にもいませんか、こういう人。確かに優秀なんだけどなんかムカツク性格の奴。常に上から目線で、自分の失敗は認めようとしない。ハインリヒも物語の中盤まではまさにそういうタイプです。

ハインリヒは(これまた自分勝手な理由で)チームを組んでヒマラヤ登頂に挑戦するんですが、時代の波に飲み込まれ断念せざるを得なくなります。ハインリヒと、こいつめんどくさいなぁと思いながらも行動を共にしていたピーターは、チベットの聖地に辿り着きます。そこでハインリヒの傲慢な性格を矯正してしまう少年、ダライ・ラマと出会う訳です。

チベット仏教のお坊さんたちが着ている朱色と、からし色の服の鮮やかさが、チベットの厳しく乾燥した風景によく映えます。外国人を恐れながらも、フレキシブルな考え方でハインリヒたちを受け入れてくれる人々は、穏やかで人に対する敬意に満ちているんです。なんだか日本人みたいって思いませんか?謙虚なチベット人たちと7年間一緒に暮らすことで、ハインリヒはヒマラヤ登頂に挑戦すると決めたときに犯した間違いに気が付くんです。

最近の日本人は西洋化が進んできている気がします。それも良いんですけどね、個人の意見を尊重することも大事ですから。でも、未来の日本が傲慢な国になるのは嫌ですから、ここらでひとつ、Seven years in Tibetでも観て、一休みするのもいいかなぁと思います。チベットを通して日本の良さまで再確認できる、素晴らしい映画です。
ちなみにハインリヒ役はブラット・ピットが演じています。お供のピーターはデヴィット・シューリス、ハリポタのルーピン先生役でご存知の方も多いのでは。二人の友情が育っていく様子も必見です。