薬屋のひとりごと

薬屋のひとりごと

『薬屋のひとりごと』は、日向夏による日本のオンライン小説、ライトノベル作品。コミカライズもされており、ビッグガンガン版(作画:ねこクラゲ、構成:七緒一綺)と「猫猫の後宮謎解き手帳」の副題がつくサンデーGX版(作画:倉田三ノ路)がある。なお2誌とも同じ原作の内容を描いている。物語は中国によく似た世界での話。元花街で働いていた猫猫(マオマオ)が後宮で働くことになる。そこで様々な事件に巻き込まれ(たまに自ら首を突っ込み)持っている薬の専門知識で事件を次々と解いていくファンタジーラブコメミステリー作品。

r-yy-127s1のレビュー・評価・感想

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薬屋のひとりごと
8

ラノベとアニメの融合、昇華が素晴らしい。

私はこの作品の原作を見ておらず、いわゆる「アニメから入った勢」なのですが、視聴後の感想としては満足度は高めです。
原作を見てみるといわゆる「ラノベ」のジャンルに属するということですが、「ライトノベル」と言われるジャンルに偏見がある方にこそ是非見て頂きたい作品と感じました。

かくいう私も元々はほとんど触れたことのないジャンルで、軽薄な恋愛やギャグが薄く引き延ばされている程度の読み物、作品群なのだろうと思っていました。
しかしそのイメージは本作品のOP曲で一気に突き崩されます。迫力のあるボーカルの声とエッジの効いたギターリフ、音作りの全てに迫力がある緑黄色社会さんの曲「花になって」が力強く流れます。

もちろんこの声、音楽だけでもディスプレイを二度見するほどですが、さらに引き込まれるのはOPの美麗なアニメーションです。流れる美しい草花たちはこの作品のメインテーマである「薬」と「毒」です。
さらにその後には主人公猫猫(マオマオ)の美しい容姿や冷酷とも取れる冷たい目、官能的なスタイル、さばさばとした男勝りの一面など、このキャラクターの魅力を、ひいてはキャラクターが織りなすストーリーを見ずしても期待させてくれる造り込みです。
ED曲はアイナ・ジ・エンドさんの、強烈な”エモさ”を感じる「アイコトバ」で締めくくられており、毎回のストーリーを見終わるごとに心地の良い喪失感と次回への希望を感じるバラードとアニメーションになっています。

そもそものストーリーはさらに引き込まれていく構成となっており、薬学的な専門知識も知的好奇心を誘います。ですが現代社会にも通じる格差、人間関係のしがらみ、やきもきするような恋愛模様、嫉妬、ミステリーなど様々な要素を絡ませながら展開しており非常に面白いです。
私が特に引き込まれたのは各キャラクターのコミカルな一面と、各声優様の素晴らしい感情表現です。
「所詮ライトノベルだろう」という、未視聴の時の私のような偏見を持つ方にこそ特に見て頂きたい作品です。