アリスとテレスのまぼろし工場

berusaiyu388のレビュー・評価・感想

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アリスとテレスのまぼろし工場
6

独特の世界観が持ち味

少年少女たちが世界の謎に迫る姿が独特の世界観で描かれている作品でした。
監督の今までの作品のような、どうしようもなく心を動かされざるを得ないシーンは個人的にはなかったですが、興味深い作品だったと思います。
人間は変化する生き物で、変わらないと生きていけないということがメッセージとして含まれる内容だったと感じました。
変化が禁じられた日常を生きる中で、痛みや危険と隣り合わせの遊びをしたりいじめのようなことをしたりという描写がありましたが、そんな環境で生きていると自然とそうなってしまうものなんだろうなと考えながら見ていました。
最終的に主人公を含め恋に気づいた登場人物たちがいたり、自分たちがどう考えて生きるのかは自分で選べるといった内容が描かれていたのですが、変化すると消されてしまうという世界観の中で彼らが消えてしまうことにはならないのかなという疑問は残りました。
多少消化不良気味なところはありましたが劇場で見れて良かったと思います。人が消えてしまうシーンや終盤の花火など映像も綺麗でした。タイトル回収にも納得です。
私は陰鬱な世界観は好きですが、最終的には前向きな終わり方なので癖が強い作品が苦手と思っている方でも楽しめると思います。