十字架のろくにん

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十字架のろくにん
8

この復讐は誰にも渡さない

「実験体A」と呼ばれる主人公漆間俊(うるま しゅん)。
彼の周りの5人は執拗に彼を痛めつけ、ある時は精神的に傷つけて楽しんでいた。
それは至極京(しごく きょう)が考える実験……どこまで追い詰めれば漆間は死ぬのか、のためだった。
ある日両親と弟を交通事故に故意に合わせた5人に漆間は復習を誓う。
彼は祖父に引き取られるが、その家屋の隣の小屋の奥で狩りに使っていた銃を見つける。
それを手にした漆間は5人を殺そうとするが祖父に見つかってしまう。
だが「そんなもので直ぐに死ぬ殺し方ではつまらん。本気で殺すならワシが教えてやる」と名乗りを上げたのだった……。
祖父は呉鎮守府第百特別陸戦隊、通称「北山部隊」に人の殺し方の全てを叩き込まれた軍人だったのだ。
直ぐに殺さず、苦しみながら死を懇願するだけの抜け殻にさせるすべを祖父は知っていた。漆間はその話……祖父の眼を信じる。
なぜならその眼は至極と同じ「殺すことに戸惑いのない眼」だったからだ……。
それから4年、漆間は同じ眼を持った何かになった。
ここから彼の復讐が始まる……というのがあらすじだが、何せ画力が凄い!グロいというのもあるが表情……眼の描き方が非常によく描けている。
心理描写としては、純粋だからこそ真っ直ぐに復讐へと向かう漆間の心の動きが素晴らしい。
アオハルしているのが気に食わないという読者もいるようですが、そこからの突き落としが酷い!
思わず主人公に感情移入してしまった。
グロいのに耐性ある方でサスペンス好きにはオススメ!