白い砂のアクアトープ / The Aquatope on White Sand

白い砂のアクアトープ / The Aquatope on White Sand

『白い砂のアクアトープ』とは、P.A.WORKS制作による、水族館を舞台に二人の少女の交流を描く2021年夏に放送されたアニメ作品。
沖縄で暮らす海咲野くくるは、水族館の館長代理として迫り来る閉館の危機を相手に悪戦苦闘していた。一方岩手生まれの宮沢風花は、アイドルになる夢に破れ、沖縄に身一つで傷心旅行に訪れる。行くあても無かった風花から「水族館で働かせてほしい」と頼み込まれ、彼女の熱意に感じ入ったくくるはこれを了承。二人の少女は水族館を立て直すために奮闘していく。

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白い砂のアクアトープ / The Aquatope on White Sand
7

水族館の美しさと過酷さを描いたアニメ!白い砂のアクアトープ

本作は「色づく世界の明日から」「凪のあすから」を手掛けたP.A.WORKS。少年少女の「過酷」と「楽しさ」が入り混じった青春ストーリーや美しい風景に長けたアニメ会社が製作しているということもあり、題材のアクアリウム=水族館のファンタジックな魅力が存分に発揮されています。その実際の場にキャラクターたちと一緒にいるかのようなリアルな美しさです。一方で水族館ならではの魚の病状検査や外部との営業取引といった過酷な仕事風景や対人関係上の軋轢といったシリアスな場面も同時に描かれています。

本作の主人公は、水族館が大好きな女の子・海咲野くくる。ですが、一話の時点で焦点を当てられているキャラクターは宮沢風花という、東京でアイドル活動をしていたが居場所を無くし途方にくれている女の子です。この宮沢風花も本作のもう一人の主人公であり、海咲野くくると共に物語を通して成長していくキャラクターです。興味深いのが、最初に2人が出会った段階ではお互いの水族館に対する熱意の違いから軋轢が生じ仲違いをする場面が多くみられることです。このシーンからは本作の主人公・海咲野くくるが、必ずしもアニメにありがちな完全無欠の可愛いキャラクターとして描かれていないことが伺えます。だからこそ、夢に情熱を注ぐ「くくる」と、夢に破れた「風花」という2人の主人公が最終回に向かうにつれて、どんな関係へと昇華していくのかという点も本作の見所の一つです。水族館が好きな人に特におすすめのアニメです。