ふしぎ遊戯 / ふし遊 / Fushigi Yugi

ふしぎ遊戯 / ふし遊 / Fushigi Yugi

『ふしぎ遊戯』とは、渡瀬遊宇による漫画作品及び、それを原作とするアニメ、ゲーム作品である。高校受験を控えた少女・夕城美朱は、図書館の書庫で見つけた四神天地書という書物に吸い込まれ、本の中で朱雀を呼び出す巫女となる。鬼宿を始め、巫女を守る七星士と共に朱雀召喚を目指す一方、敵対国で青龍の巫女となった親友の本郷唯と対立する。1992年から1996年まで『少女コミック』で連載され、1996年にテレビアニメ化された。後に、前日譚に当たる『ふしぎ遊戯 玄武開伝』及び『ふしぎ遊戯 白虎仙記』が発表される。

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『ふしぎ遊戯』が愛され続ける理由

『ふしぎ遊戯』は中学3年生の夕城美朱(ゆうきみあか)が本の中の世界に吸い込まれ、愛する人との出会いや冒険を通して成長していく物語です。『ふしぎ遊戯』は連載開始から30年を迎えた現在でも世代を超えて愛されています。では、なぜ『ふしぎ遊戯』は多くの人を惹きつけるのか。その理由について書いてみました。
一つ目は、異世界を舞台にしているという点です。ドジでバカで食いしん坊のヒロイン夕城美朱は、親友の本郷唯(ほんごうゆい)とともに図書館で偶然手にした四神天地書の中に吸い込まれてしまいます。そこは古代中国の世界であり、世の中に平和と安寧をもたらすため伝説の「朱雀の巫女」となってイケメンたちに囲まれながら壮大な冒険を繰り広げていく――もうこれだけで世の中の少女漫画ファンの心をくすぐるには十分。まさに異世界ファンタジーの王道とも呼べる作品であり、ワクワクドキドキさせられる展開にハマってしまう人が多いと言えるでしょう。
二つ目に、絵柄の美しさです。登場人物については、男女問わずほぼ全員が美形。やはり少女漫画の世界ですからイケメン揃いなのは当然としても、こんな美形たちに守られ、愛される美朱が思わず妬ましくなってしまうほど。古代中国という、日本人にはある程度馴染みのある世界が舞台ということもあり、物語に没入しやすいのも魅力と言えるでしょう。
三つ目に挙げられるのが、人間ドラマ。本作の最大にして最高の見どころでもあります。本作は美朱の恋愛模様のみならず、友情や家族、登場人物たちの抱える過去など、様々な人間関係が描かれています。特に注目すべきは、もう一人のヒロインである本郷唯との関係。彼女は美朱の親友にして、最大の敵でもあります。大親友だったはずの二人が、なぜ敵対することになったのか――そこには一人の男性の存在が関わってきます。親友をとるか、恋人をとるか。人間は完ぺきではありませんから、綺麗な心だけを持って生きていくことはできません。嫉妬や憎しみなど誰もが心の奥底に隠し持っている感情が、本郷唯の姿を通して余すことなく描かれています。登場人物の中ではもっとも人間らしい感情の変化を持つ彼女の存在が人びとの共感を呼び、それがこの物語をより引き立たせていると言えるでしょう。
以上、『ふしぎ遊戯』が愛され続ける理由について書いてきました。本作にはまだまだふしぎな魅力がたくさんあります。美朱とともに、めくるめく冒険の旅へ出発してみましょう(^^)