小林さんちのメイドラゴン / Miss Kobayashi's Dragon Maid

小林さんちのメイドラゴン / Miss Kobayashi's Dragon Maid

「小林さんちのメイドラゴン」はクール教信者による漫画作品を原作とするアニメーション。放送時期は2017年1月12日から2017年4月6日。「ドラゴンでメイド」という、異色のヒロイン・トールと作品の主人公・小林さんの日常を描いた作品。
酔いに酔った小林は山奥に一人で侵入し、トールと出会う。酔った勢いでトールに「うちに来るか?」と尋ねたことから小林は彼女をメイドとして雇うことになる。

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小林さんちのメイドラゴン / Miss Kobayashi's Dragon Maid
9

ドラゴンがメイドとして現代に逆異世界転生した日常アニメの二期目「小林さんちのメイドラゴンS」

なんだ、このアニメは! ただの萌えアニメのくせにヌルヌル動くぞ! 下手な異世界転生ラノベ物のラノベで描かれるバトルシーンよりも、圧倒的に激しく描かれているのだが。これが本当に萌えアニメなのか?
と、一期でも見せた高クオリティな作画には、京都アニメーションが持つ底力の強さを感じさせられました。一期同様、主人公の一般女性に群がるドラゴン娘達が巻き起こすハチャメチャな日常ぶりに、その日のうちにあった仕事の嫌なことを忘れさせてくれるほど笑わせて貰いました。
二期からは真キャラの『イルル』という、新しいドラゴンが登場するのですが、その設定がかなり重い。破壊と支配を望む混沌勢のドラゴンなのだが、中身はまだまだ幼い子供だ。しかし、周囲の状況が彼女を子供でいることを許さなかった。彼女は、自分の心と願いを押し殺して、戦いと破壊を好むドラゴンとして生きてきた。しかし、そんな彼女の冷たく閉ざした心を、主人公の手によって優しく包まれて開かれていく描写は素晴らしかった。
ただ見ていた僅かながら不可解に思ったことがある。主人公の小林はいったい年齢いくつなのだろうか。原作を読む限り二十代半ばくらいに感じるが、三十代後半か四十代かと思わせるほどの精神的達観度なんだが。正直、ドラゴン娘達の母親的なポジションに収まっているのだが。これで、二十代とは恐ろしい。
とにもかくにも、ドラゴン娘という非日常的存在が現代の日常世界で過ごすという日常アニメは、見ていて癒されます。ドラゴンと人間という深い隔たりのある価値観に、悩みながらも理解して寄り添おうする姿は、普段の自分の行動を思い直させられます。
ドラゴン娘達の賢明ながらも、どこか笑わせてくれる心温まる日常ストーリー。まだこの作品を見たことが無いという人は、一度視聴してみてはいかがでしょうか。決して時間を損したとは思わないはずです。特にこの作品は、萌えアニメを見ない人にも楽しんでいただける内容ですので、ぜひアニメを普段見ない人達に視聴することを強くオススメします。見ればきっとドラゴン娘達の奇想天外な行動と言動に笑い、時にきっと考えさせられるに違いありません。