コードネーム U.N.C.L.E. / アンクル

コードネーム U.N.C.L.E. / アンクル

『コードネーム U.N.C.L.E.(アンクル)』とは、2015年の英米合作で制作されたスパイ・アクション映画。1960年代に、アメリカや日本で放映されたテレビドラマ『0011ナポレオン・ソロ』をリメイクした映画。監督は『シャーロック・ホームズ』シリーズを手掛けたガイ・リッチーが務めた。アメリカの「タイム」誌は、本作を「2015年の映画トップ10」の第9位に挙げている。
東西冷戦下を舞台に、米ソ両国のエージェント同士が手を組み凶悪テロを阻止するというスリリングなストーリー。

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コードネーム U.N.C.L.E. / アンクル
10

【スパイ×演出×成長譚】みんなのスキが詰まった作品

ガイ・リッチー監督の『コードネーム U.N.C.L.E』。
映画好きが転じて美大で映像系の勉強をしている私が特に面白いと思ったのがこの映画です。
中でも印象的だったのがこの映画の
①スパイ映画としての世界観の独特さ
②カメラワークや時間の描写などの演出・編集技法
③日本人好みの成長ストーリー
の3点です。
まず一つ目の世界観の面白さについて。
物語の舞台は冷戦真っ只中のドイツ、ベルリンから始まります。
スパイ全盛期のこの時代、世界で最もスパイがいたベルリンでのスパイアクションはまさに王道の面白さを秘めています。
ただ、この作品の面白いところは冷戦の最前線でアメリカとソ連が「手を組む」ことです。
一般的な冷戦期のスパイ映画は冷戦構造をそのまま利用することが多いのですが、この作品ではそんなことはありません。
このトリッキーさがあなたを物語に引き込ませてくれます。
続いて2つ目の演出・編集技法について。
この作品では新聞の印刷場面や海外ドラマ「24」を思い出させるような同時進行で進む物事をまとめて見せる演出など、「スクリーンをスクリーンと思わない演出・編集」が度々登場します。
この視覚的な新しさこそ私が面白いなと思ったポイントです。
最後のストーリー展開について。この作品では主要なキャラクター全員の短所がはじめにこれでもかと言わんばかりに見せられます。
ただ彼ら、彼女らは互いに影響し合うことでこの短所を「克服」していきます。
サクセスストーリーが好きな日本人がきっと応援したくなるような、そんな作品です。