大空港(映画)

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大空港(映画)
7

国際空港の雪嵐の夜を舞台に繰り広げられる濃密な人間模様を描破する『大空港』

『大空港』は1970年に公開された米国製作のパニック映画で、脚本と監督はジョージ・シートン。主演はバート・ランカスターとディーン・マーチン。作家アレックス・ヘイリーが1968年に発表した同名の小説を原作にした本作は、1970年代に製作されたパニック映画の元祖的な作品となりました。また、いわゆる『エアポート』シリーズの第1作にあたり、製作費が一千万ドルで、1億ドルを超える収益をあげました。この映画は雪嵐の間に空港を閉鎖しないでおこうとする空港管理官の物語です。他方で自殺志願者が飛行中のボーイング707旅客機を爆破しようと試みます。シカゴにある架空のリンカーン国際空港付近を舞台としています。この映画は商業的な成功をおさめ、それまでユナイテッドピクチャーの最大のヒット作だった『スパルタカス』を超える興行収入を達成しました。出演者の中ではヘレン・ハイエスがアカデミー賞助演女優賞を獲得し、また他のアカデミー賞9部門にノミネートされました。空港や航空会社の日々のオペレーションの細部に注意を払いながら、映画では、オペレーションを麻痺させんばかりの雪嵐、空港の騒音被害に対する懸念、旅客機を爆破しようする試みが物語られます。作品内では登場人物たちのパーソナルストーリーが複雑に絡み合わされています。一方で、空港関係者、航空会社関係者、地上整備員、乗務員、連邦航空局の航空管制官の分刻みの決断の連続も描かれています。