稲葉浩志

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稲葉浩志
8

二人組であるB'zとはまた違った楽曲の雰囲気を味わうことができます。

B'zといえば1988年にメジャーデビューして以来、日本の音楽シーンのトップを走り続けている印象を受けます。ボーカルの稲葉さんとギターの松本さんはそれぞれ1990年代後半からソロ活動も始めており、稲葉さんはB'zで活動している時に見せるパワフルな歌声そのままに、作詞はもちろん、作曲も手がけられています。
1998年に発表されたアルバム「マグマ」は最初のフルアルバムにして最高傑作とも評されるほど高い完成度を誇ります。おすすめは「愛なき道」と「arizona」とです。「愛なき道」は歌詞が哲学的で解釈するにもリスナーによって様々な意見が出ることでしょう。タイトル通り、アメリカのだだっ広い道をオープンカーで疾走するような感覚で、ラストのピアノのアレンジなど聴きどころがたくさんあります。「arizona」はアメリカのアリゾナ州のことで、稲葉さんが詞を書くと大自然の光景の中にもどこか物悲しさを感じます。
2002年に発表されたアルバム「志庵」は、思案と掛けられたタイトルで情熱的でも内省的でもあり、様々な不思議な魅力を感じることができます。「ファミレス午前三時」という一風変わったタイトルの楽曲はギターの弾き語り形式で、特に印象に残っています。
2004年に発表されたアルバム「Piece Of Mind」はちょうどイラク戦争の頃に作詞されたのか、普遍的な平和に対する思いなど歌詞から感じ取ることができます。ここでは特に「ハズムセカイ」という楽曲がおすすめで、何はなくても君がいるだけで僕の世界は変わる、という揺るぎなさに励まされます。
シングルでも「遠くまで」や「AKATSUKI」といった聴き応えのある作品が多いので、パワフルなB'zのイメージを抱いている方にもおすすめです。