ヒナまつり / Hinamatsuri

ヒナまつり / Hinamatsuri

『ヒナまつり』とは、大武政夫原作の漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。
暴力団『芦川組』に属するインテリヤクザ・新田のもとに、楕円形のマシンにくるまれた超能力少女・ヒナが突如現れた。マシンの拘束を解くや否や、素性も目的も明かさないまま謎の念動力で部屋の骨董品を次々破壊していくヒナに対し、身と家財の危険を感じた新田はしぶしぶ彼女を寝泊りさせることになった。
本作はこの2人をはじめとしたちょっぴり可笑しなキャラクター達が繰り広げる、笑いあり涙ありの非日常コメディーである。

Yurizz8のレビュー・評価・感想

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ヒナまつり / Hinamatsuri
10

「世話焼きヤクザ」と「ぐうたら超能力少女」が奇妙な共同生活を始めて、世の中を嘗め尽くすギャグ漫画。

比較的ノーマルな常識を持ち合わせた新田を取り巻く、正気からはほど遠い登場人物たちが起こす騒動を淡々と描き切るストーリー構成力は圧巻である。
周囲のぼんやりとした、しかし確かな狂気に圧倒され、翻弄され続ける新田の姿には哀愁が漂い、笑いを誘う。
また、画力も高いため、非常に読みやすい。

<あらすじ>
自宅の高級マンションで趣味の「壺」を鑑賞しながらワイングラスを傾けていたヤクザの「新田」は、突如部屋の中に現れた超能力を持つ少女「ヒナ」に、自慢の壺を人質(壺質)にとられ、力(超能力)づくで言う事を聞かされる形で、状況が全く理解できないままに彼女との共同生活を始める事となった。
生育環境のために世話焼きな性格の新田は、いつの間にか細やかにヒナの世話を焼いている自分に気付き、愕然とする。
しかし、新田はぐうたらなヒナのペースに巻き込まれながらも、ヒナが超能力を発揮したドサクサで功績を上げ、瞬く間に昇進し最高幹部にまで上り詰める。
さらには新しい超能力少女も現れ、新田の生活は混沌を極めてゆく――。

2020年3月の時点で17巻まで出ているが(2020年4月に18巻発売予定)、
ギャグ漫画にありがちな「ギャグのネタ切れ感」「ストーリーの失速感」が未だに見られないというのも特徴的であり、
ギャグ漫画を読みたいという人に「あなたのおススメは何か」と訊ねられたら、まず紹介する作品の一つとなっている。