ターミネーター:ニュー・フェイト / Terminator: Dark Fate / T6

ターミネーター:ニュー・フェイト / Terminator: Dark Fate / T6

『ターミネーター:ニュー・フェイト』とは、2019年にアメリカで制作されたSFアクション映画。「ターミネーターシリーズ」の第6作目にして、『ターミネーター2』(1991年)の続編。「意思を持った機械と人類抵抗軍の最終戦争、未来から人類の命運を担う人物を殺すためにやってきたターミネーターとそれを阻止する兵士との闘い」というおなじみのテーマはこの作品にも健在。最新型ターミネーターREV-9と迎え撃つ女兵士グレースのアクションはシリーズ屈指。「時代は変わった。運命はどうだ。」がキャッチコピー。

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ターミネーター:ニュー・フェイト / Terminator: Dark Fate / T6
10

新たな救世主の物語

しばしばいわゆる「黒歴史」扱いされている「3」や「4」を無かったことにして公開された、ターミネーター2の正式な続編です。
しかし今作にはこれまでのターミネーターシリーズと決定的に違う点があります。それは、「ジョン・コナーの母親であるサラ・コナーの物語」ではないことです。
アメリカ映画では「世界を混乱に陥れる悪」「それを倒し世界にあるべき形を取り戻すヒーロー」の物語は定番中の定番です。ターミネーターの場合前者はスカイネット、後者はジョン・コナーです。
これはキリスト教の価値観がベースにあり、いつか必ず到来する終末を前に乱れた世界を救うキリストの物語を擬似的に追体験させる効果があります。つまり、ジョン・コナーはキリスト(Jesus ChiristとJohn Connerってイニシャルも同じですね)、それを生むサラ・コナーは聖母マリアそのまんまという訳です。
そこから一段アップデートされたのが「ニューフェイト」です。
終盤まで、敵のターミネーター「Rev-9」が主人公の女性「ダニー」を狙うのは何故なのか、ダニーを守るために未来から来るグレースとダニーにはどんな関係があるのかといった謎を残して話は進みます。
ネタバレをしますと、ダニーは未来で人類を脅かしている「新生スカイネット」を倒す解放軍のリーダーその人、グレースはダニーに命を救われたことがあるということでした。
アメリカ映画で、世界を救う物語で中核を担うのは白人男性というのがステレオタイプでした。
それを覆したというだけでも、絶賛に値します。