阿波連さんははかれない(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『阿波連さんははかれない』とは『少年ジャンプ+』の日常コメディ漫画である。作者は水あさと。
男子高校生であるライドウの隣の席の女子生徒、阿波連れいなは、他人との距離をはかるのが物理的にも心理的にも苦手であった。ある授業中にれいなが落とした消しゴムをライドウが拾った事により、二人の関係はスタートする。
れいなの「はかれない」行動とライドウの妄想癖がクラスメイトや周りを巻き込み、徐々に2人の距離が縮まっていく物語である。

『阿波連さんははかれない』の概要

『阿波連さんははかれない』とは『少年ジャンプ+』の日常コメディ漫画である。作者は水あさと先生。
2017年1月29日より連載開始の、作者にとっては9作目の作品となる。
2020年1月にてコミック発行部数が60万部を突破し、2021年8月にはアプリからの総閲覧数が1憶回を突破した。
そして2022年4月にはテレビアニメ化が実現する。

鈍感で、妄想癖がある男子高校生ライドウ。
その隣の席に座る、他人との距離をはかるのが物理的にも、心理的にも苦手で、声が非常に小さい女子高生、阿波連れいな。
物語は授業中にれいなが落とした消しゴムをライドウが拾うことからはじまり、2人の関係が徐々に縮まっていく。
基本的に、一話完結で物語は進行していく。
ライドウの妄想により話が飛躍するギャグパートがあったり、高校生らしい日々の中にれいなとクラスメイト達の楽しい日常や葛藤、悩みが描かれていたりする。
また、話中に当時の流行ネタが、随所に織り交ぜられている。
作者自身も「自分も今まで他誌でやってきた中で、この連載が最も読者からの反響が大きい」と語っている。

『阿波連さんははかれない』のあらすじ・ストーリー

隣の席の阿波連れいな

男子高校生のライドウは入学してからずっと隣の席の阿波連れいな(あはれん れいな)との間に距離を感じていた。話したこともないし、いつもどこか遠くを見ているようなれいな。それにものすごく小柄なので物理的にも遠く感じる。

ある日ライドウは授業中、れいなが落とした消しゴムを拾ってあげた。消しゴムを受け取ったれいなは無言でライドウに何も言わない。そのれいなの態度を見て、ライドウはれいなに嫌われているのだと思った。しかし授業が終わるやいなや、れいなはライドウの鼻先まで距離を詰めてきた。突然の急接近にライドウは戸惑う。れいなの口を見ると何かを言っている様子だった。しかしこれほどの至近距離でも、ライドウはれいなが何を言っているか聞き取ることはできない。ライドウが耳を澄ましてれいなの声に集中すると、れいなは「次の授業の教科書を忘れた」と言っていることがわかった。ライドウは次の授業で快くれいなに教科書を見せる。するとまたもやれいなはピッタリと距離を詰めてきた。さらにれいなの不可解な行動は続く。お昼を一緒に食べようと言ってきたり、放課後一緒に遊びに行ったりと、これまでの距離が一体なんだったのかと思うほどの急接近を果たした。

翌日ライドウがれいなに声をかけると無視されてしまう。前日野驚くほどの馴れ馴れしさはただのれいなの気まぐれだったのかとライドウは考える。その日の授業でもれいなは教科書を忘れてきているようだった。しかしれいなはライドウに声をかけてこない。れいなを放っておけないライドウは机をくっつけ、前日のように教科書を見せてあげた。

授業が終わってれいなはライドウに事情を話し始める。れいなは人との距離のとり方がとても下手だった。そのせいで小学生の時に友達に嫌われた過去がある。高校生になったら気をつけようとれいなは務めていたが、ライドウが消しゴム拾ってくれたのが嬉しくて、ついいつものように距離を詰めてしまった。れいなは家に帰った後そのことを激しく後悔したという。謝るれいなに対してライドウは気にしないと答えた。そのライドウの言葉がまた嬉しくて、れいなはライドウに抱きつく。

こうして阿波連れいなとライドウのはかれない生活が始まるのだった。

れいなとライドウの日々

ライドウはれいなと過ごす内に、れいなのいろいろな面を知っていく。そしてれいなの新たな一面を知る度に自身の妄想癖でとんでもない妄想を繰り広げた。れいなが自分が貸したハンドスピナーにハマって信じられないほど上達した時は、「もしかしてれいなはハンドスピナーで大会に出て、最終的にプロになろうとしているのでは?」と思ったりしていた。しかしいつもライドウの勘違いで終わる。

れいなのほうはライドウと友達になったことをきっかけに、周りとの交流が広がっていた。中学にあがってから疎遠になっていた大城みつき(おおしろ みつき)とまた話せるようになったり、ライドウに借りたハンドスピナーをきっかけに、公園に遊びに来る小学生あっくんやふたばと仲良くなったりした。

テスト期間に入れば2人で勉強会をし、桃原先生(とうばるせんせい)の古典の授業でれいなが黒板が見えない時はライドウが助けたりする。季節は夏になり、ライドウの友達・石川(いしかわ)の誘いで皆で夏祭りに行き花火を見た。

れいなとライドウの距離は物理的だけではなく、精神的にも近くなっていった。

れいなの告白

れいな達を夏祭りに誘ってくれた石川が次はキャンプに行こうと提案する。メンバーはライドウ、れいな、石川、石川の幼馴染の佐藤(さとう)、大城の5人。キャンプ場までの送迎は担任の宮平先生(みやひらせんせい)がしてくれた。多少のトラブルはありつつも、れいな達はキャンプを楽しみ、夜まで皆でトランプをして遊ぶ。
就寝後、なかなか寝付けなかったライドウがテントの外にいると、同じく眠れなかったれいながテントから出てくる。れいなはこの二人きりのタイミングでライドウへの告白を試みた。しかしれいながライドウに好きだと言う前に、ライドウに突然好きだと告白される。驚いたれいなは嬉しくて、気がつけばライドウにキスをしていた。れいなはまた突飛な行動をしてしまったと後悔して涙を零しながらテントに逃げ込む。その泣いているれいなを大城は目撃していた。

キャンプが終わり、後日ライドウは学校で大城から果たし状を渡される。キャンプの夜に泣いているれいなを見た大城は、ライドウがれいなをフッて泣かせたと思っていたのだ。ライドウは大城の誤解を解き、あらためてれいなに告白。れいなは今度はきちんと「私も好き」と返事ができた。

こうしてれいなとライドウは恋人同士になるのだった。

充実した高校2年生の一年間

れいなとライドウ達は高校2年生になった。相変わらず2人ははかれない日々を送っている。

2年になって、れいな達のクラスに玉那覇りく(たまなは りく)が転校してきた。りくとれいなは実は小学校が一緒だった。りくはれいなと同じように人との距離のとり方が下手だったため、小学生の時にれいなに嫌われたと思っていた。また小学生の頃のように友達になりたい。その思いからりくが勇気を出したことにより、誤解が解け、れいなとりくは再び友達になれた。

それかられいなとライドウは、大城、石川、佐藤、りくの6人で行動することが多くなった。力を合わせて運動会の対抗リレーを頑張ったり、夏休みにみんなで海水浴に行ったり、修学旅行で東京デニズィーシーに行ったり。れいなの学校生活は充実していた。

楽しい時間はあっという間に流れ、学年末テストがやってくる。佐藤と大城の誘いで、れいなとりくは佐藤家で勉強会をした。トランプで遊んだり、きちんと勉強したりする。そして話している内に進路の話になった。大城は、高校を卒業したら海外の学校に行こうと思っていると打ち明け、佐藤は県内の普通の大学に行けたらと語る。れいなは美術大学に行って、将来は学校の先生になりたいと話した。
れいなは声が小さく、人に自分の考えや思いを伝えることが苦手だ。それに人との距離だって未だにうまくはかれない。れいなはそのことをとても不安に思っていた。しかしそのことをライドウに相談すると、ライドウはれいなを肯定し、「好きな事を自信がつくまでやってみるのがいいのではないか」と言ってくれたとみんなに話す。
大城達はれいなの言葉を聞いて、これから皆別々の道を歩いていくことを実感する。りくはまだ進路が決まっていないが、「せっかくみんなに会えて、友達になれてすごく楽しいのに、ずっとこのままでいたい」と、泣き出してしまった。

勉強会も終わり、学年末テストも無事終了。れいな達は3年生に進級し、高校生活最後の1年が始まるのだった。

『阿波連さんははかれない』の登場人物・キャラクター

主要人物

阿波連 れいな(あはれん れいな)

CV:水瀬いのり
銀髪の長髪で、小柄かつ声が非常に小さい女子高生。
他人との距離をはかるのが物理的にも、心理的にも苦手。
過去に友人関係を築く事に失敗し、高校生になってからは、意識してクラスメイトと関わることを控えようとしていた。
体は小柄だがお昼ご飯のお弁当は大きく、かなりの大食い。
UFOキャッチャーが得意で、ぬいぐるみを獲得しては、ライドウにプレゼントしている。
ハンドスピナーや遊びに関して、本人が興味を持つと上達がすさまじい為、近所の小学生であるあっくんたちからは「阿覇王様」と慕われている。
授業中にれいなが落としてしまった消しゴムを、ライドウが拾って声をかけてくれる。それが嬉しくてそのお礼に放課後にライドウを連れまわしてしまったことを後悔していた。
しかし、ライドウから気にしないと言ってもらえ、それからはライドウと共に遊ぶようになり、次第に好意を抱くようになる。

ライドウ

CV:寺島拓篤
阿波連れいなの、隣の席に座る男子高生。
妄想癖が凄く、れいなの言動から、普通では考えられない妄想をして、1人で決意したり、行動を起こそうとする。
本人も、妄想かもしれないという自覚があり、間違いが分かるとすぐに無かったことにする。
妄想に繋がる、ライドウ自身の知識が異常に広いが、学校の成績は中の下くらい。
恋愛や、他人の感情に関しては非常に鈍感だが、思ったことは素直に言葉にして伝えることができる、裏表のない性格。
動物(特に犬)が大の苦手。

阿波連れいなとライドウの学校関係者

大城 みつき(おおしろ みつき)

れいなの幼馴染で、「大城さん」と呼ばれている女子生徒。
1年生の時は、れいな達とは別のクラスだったが、2年生では同じクラスになれた。
れいなとは反対で、体が大きく、身長が高く、本人はそれがコンプレックスになっている。
小学生の時に、れいなから「大城さんはかわいいと思う」と、自らを認めてもらえたことが嬉しく、以降友人としてれいなの事を気にかけていた。
しかし、対面すると緊張してしまう性格の為、常に遠くから物陰に隠れて、れいなを見守っていた。
高校生になり、れいながライドウと一緒に行動している所を目撃し、ライドウは友人であるれいなに、悪さをする存在だと決めつけ、勘違いしていた。
しかし、共に学校生活を過ごしていくうちに、大城のライドウに対する勘違いは、次第に解消されていく。
両親が理髪店を営んでいるため、自らも簡単な散髪ができる。
また運動神経が良く、運動会のリレーで他クラスの男子生徒を追い抜くなど、身体能力の高さを見せつけた。

石川(いしかわ)

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