天使1/2方程式(日高万里)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『天使1/2方程式』とは、日高万里による少女漫画。2010年から『花とゆめ』で連載が開始され、2018年から同社の『マンガPark』に移籍した。秋吉家シリーズの『世界でいちばん大嫌い』の子供たちの世代が描かれる次世代編。荒れやすい唇にコンプレックスを持っている高垣ゆい子と美容師家系育ちで美貌の持ち主である杉本真那とで織りなされる恋愛物語である。リアルな美容関係の豆知識や初々しい2人の恋愛模様を楽しむことができる作品だ。

本庄みちる「自分の可能性に遠慮しなくていいだろう」

ゆい子の悩みにきっぱりと答えるみちる(左)。

料理が趣味で特技でもあるゆい子は食関係の進路に進みたいと考える傍ら、クラスメイトの悩みをケアした時のように自分と同じ悩みをもつ女の子のために何か出来ることがないかとも考えていた。
両方というのは欲張りだと消極的に吐露するゆい子に対して、「自分の可能性に遠慮しなくていいだろう」とはっきりと欲張りなんかではないと答えるみちるの男前な性格がよく表現されている。
どちらかを諦める必要はないのだと、自分の夢を可能性と言ってくれたことにうれしく思うゆい子のはにかむような表情も相まって感動の場面でもある。

姉としての一面を見せるひなの心温まるシーン

珍しい姉としての一面を見せるひな(中央)。

服のお礼にと夏奈の家で手作りチーズケーキとアップルパイを振る舞うゆい子に、ひなは真那とのことをいろいろと聞き出そうとする。
ゆい子の話から2人が上手くいっていることに安堵し、「マナのこと好きになってくれてありがとう」「振り回されて迷惑かけるかもだけど、あきれないであげてね?」とひなは優しい表情でゆい子に語り掛ける。
普段は能天気な面が目立つひなだが、真那に振り回され気味なゆい子を案じつつも真那のフォローを入れるのだった。
真那のことを心から心配して大事にしていることが良く分かる、ひなの珍しい姉としての一面を見ることができる貴重なシーンである。

『天使1/2方程式』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

裏話満載の日高万里デビュー25周年記念インタビュー

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作者のデビュー25周年と『天使1/2方程式』の10巻発売を記念して実施されたインタビュー記事である。
今まで疑問に思う人も多かった作者が自分が住んでいる愛知県の東三河を舞台にしか作品を描かない理由が、知らない場所ではどのように物語を進めていいのか背景に悩んでしまうからという暴露がされている。
そしてゆい子が抱えるコンプレックスは作者自身のコンプレックスであることや、休載が増えてしまったことを作者自身も不安に思っていたことなどが赤裸々に綴られている。
秋吉家が実は最初は7人の男兄弟の予定だったなんて話や杉本真紀をどうしておねぇ言葉にしたのかなど、過去作品の裏話も満載なのでファン必見のインタビューになっている。

日高万里ファンにはうれしい小冊子

『マンガPark』に移籍してからの単行本には通常版とおまけ小冊子つきの特装版が存在する。
小冊子には『マンガPark』で掲載されたラフ漫画やおまけ漫画が収められており、秋吉家シリーズの登場人物も多く描かれているので日高万里ファンにはうれしい一品になっている。

日高万里と桐谷美玲の対談が『花とゆめ』誌上に掲載

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『天使1/2方程式』の1巻発売を記念して、2011年発売の『花とゆめ18号』にて日高万里と桐谷美玲の対談が掲載された。
対談ではゆい子が抱える唇やくせ毛のコンプレックスについて、2人が共感する思いなどが語られている。

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