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syaryのレビュー・評価・感想 (2/2)

さかいゆう
9

ポップでキャッチー、時にソウルフル

ちょっとぽっちゃりメガネ男子のビジュアルからは想像できない、シルキーで透明感のある美しい声が魅力的なシンガーソングライターです。
以前、井川遥さんの出演していた自動車のCMソングを歌っていたので、歌声を一度は耳にしたことがあるのでは?
軽快なピアノの旋律に乗せて、ポップでキャッチーな曲を歌うのが特徴です。
デビュー曲「ストーリー」、アニメ版『のだめカンタービレ』のテーマ曲「まなざしデイドリーム」などが、その代表的な曲です。でも彼の魅力はそれだけではありません。
インディーズ時代にはゴリゴリのソウルミュージックを歌っていたため、今でもアルバム曲の中には、その片鱗を感じられるものがあります。
アルバム「Coming Up Roses」の中に収録された「Life,is」などは、ポップでキャッチーなイメージを大きく覆します。
またライムスター、クレイジーケンバンドの横山剣など、様々なジャンルのミュージシャンとコラボした楽曲もあり、彼の音楽の幅広さを感じることができます。
また、さかいゆうを語る上で欠かせない楽曲の「君と僕の挽歌」は必ず聞いてほしい1曲です。
彼がミュージシャンを目指すきっかけとなった友人について歌った曲で、曲にまつわるエピソードも含め、涙なしでは聞けない1曲になっています。

この世界の片隅に / In This Corner of the World
10

平和学習の入り口として良書です!

映画、ドラマ化もしているのでご存知の方も多いかと思います。
本作品は戦争と原爆がテーマです。
今までの戦争もので有名なのが「はだしのゲン」「蛍の墓」あたりでしょうか。
本作品は上記二作品よりもっと戦争中の人々の生活に密着した描写がされています。
なので悲惨な描写ばかりではありません。主人公のすずさんの性格がおっとりなのもあり、ところどころ笑えたり、ほっこり出来たりします。
逆に、そんな日常の中での空襲や原爆投下の描写はより残酷さを浮き彫りにしているとも感じました。
戦争により、すずさんも大切なものや家族を失います。
かけがえのない存在も再確認します。
何度も何度も読み返して、その度に気づく点考えさせられる点が多いです。
是非、平和学習がこれからの子どもたちや外国人の方々にも手を取って読んで頂きたい。
この作品で「もっと深く知りたい」と興味を持たれたら同じ作者の「夕凪の街 桜の国」を読んで、その先に「はだしのゲン」「蛍の墓」とどんどん色々な目線と知識を加えていくといいのではないでしょうか。
もう一つのポイントとして、すず(主人公)さんの義理のお姉さんの径子さんの目線でも是非読んで頂くことをオススメします。
終戦が決まった後の彼女の人知れず涙を流すシーンは何度読んでもうるっときます。

ペンギン・ハイウェイ / Penguin Highway
9

かつて「アオヤマ君」であった大人の方へ

本や映画が好きな人なら「何回読んでも/観ても感動する」という作品の一つや二つあるのではないでしょうか。私にとってはこの作品がそうでした。

原作者は「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半神話大系」「有頂天家族」など、アニメ化作品も多い森見登美彦先生。京都を舞台にした作品を多く書かれているのですが、今作は一味違う、郊外の新興住宅地に住む小学生を主人公としています。
早熟で少し生意気な小学四年生のアオヤマ君を主人公とし、彼の憧れる歯科助手の「お姉さん」、それと彼の友人が関わっていく一夏の冒険譚です。
原作の大ファンであったため、はじめアニメ映画化と聞いたときは、他の作品の原作ファン同様に嬉しい反面、不安がありました。しかし予告編で流れたコーラ缶がペンギンに変化していく映像を観た瞬間、それは期待に変わりました。原作では文字の表現で細かな描写で、読み手は非現実的な事象でもぼんやりと頭の中でイメージを描くことができます。そんなぼんやりとしたイメージが、見事にアニメーションとして表現されていたのです。登場人物のビジュアルや声も、賛否はあるかと思いますが、個人的にはイメージ通りで全く違和感はありませんでした。

なにより、私が最も好きな最後の場面を、見事に映像とモノローグで表してくれていました。冒頭でも述べましたが、原作は何度読んでも最後で泣いてしまいますが、映画でも映画館でこんなに泣いたのは初めてではないかというくらい、感動してしまいました。
アニメーション映画ですが子どもだけでなく、ぜひかつてアオヤマ君であった大人に見てほしいと思う作品です。

ゆがみちゃん
10

イラストも内容もクオリティ高し!

毒親育ちの主人公(作者)が、辛い幼少期を経て、社会でつまづきながら、自分の人生を立て直して行くという、コミックエッセイをネットでよく立ち読みするのだが、正直あまりイラストが可愛くないため、ネットで読めるところまで読んで終わりのケースが多い。だが、「ゆがみちゃん」は絵も可愛く内容も濃いもので、図書館においてもいいくらいの漫画だと思いました。珍しく紙媒体で購入した漫画です。
主人公は毒親というレベルどころか、家全体か機能不全の毒家育ちで、家族の名前もそれぞれの特性を暗示する名前になっています。主人公は毒家で家族にサンドバックにされながら育つも、お金を貯めて毒家を脱出し、社会人になるも毒家の毒が抜けきれず所々で人間関係につまづいてしまいます。そして、伴侶が見つかるものの毒家に知られたくない主人公と、子供の幸せを叩き潰そうとする危険な親が存在するということが理解できない伴侶との間ですれ違いが起こったりします。最終的には自分の生きづらさの原因を突き止め、毒家の呪縛から解かれ、心が軽くなって、新たな一歩を踏み出して終わります。他のエッセイ漫画2冊分の内容があると思います。ぜひ読んでみてください!

Detroit: Become Human / デトロイト ビカム ヒューマン
10

近い未来アンドロイドと共存するかもしれない⁈

私が自信をもってオススメするゲームはPS4の「Detroit:Become Human」です!
どの様なゲームかと言うと、プレイヤーがアンドロイドを操作するゲームです。ただ操作するだけではなく、プレイヤーの選択により物語が大きく変わります。様々なエンディングがあるので正直、何周でもできます。

舞台は2038年のアメリカのデトロイトと言う都市です。この世界では科学と技術の発達により、人間と人型アンドロイドが共存しています。アンドロイドが沢山いるので職を失った人がたくさんいます。そのせいか、反アンドイドの人間も沢山います。
自我を持つアンドロイドが関わる事件をきっかけに、捜査官である人型アンドロイド「コナー」はある疑問を抱きました。それは、アンドロイドはただの機械なのか?それとも心があるのか?と言う疑問です。
プレイをしてみての感想は、感情がすごく動かされました。まるで映画を見ているかの様な。そして、序盤の自我を持つアンドロイドとコナーのやり取りはとても考えさせられました。

体験版があるので購入前にプレイしてみるのもいいかもしれません。

約束のネバーランド / 約ネバ / ネバラン / The Promised Neverland
8

ハラハラドキドキする脱出劇

海外ドラマのプリズン・ブレイクという脱出劇が好きな私は、めちゃめちゃこの漫画にはまってしまい、一気買いしてしまいました。
まず、設定が面白いです。幸せに中で暮らしている子どもたちと、その外部で暮らしている鬼たち。この対比もすごく面白いと感じました。子どもたちは中の世界しか知らないので、自分たちの世界だけが全てだと思っています。でも実は、子どもたちは外の世界にいる鬼たちの食事のために、中でぬくぬくと育てられているのでした。その事実を知った3人が、中の世界から脱出を試みます。最初から妨害されるのですが、類いまれなる身体能力と頭脳を持った3人を筆頭に、何とか脱出に成功します。しかし、一歩外に出たらそれは、鬼の世界に入ることを意味し、今まで見たこともないような未知の生物にたくさん遭遇することになります。その中をくぐり抜け、安息できる場所を見つけ、子どもたちは一時の安らぎを得ます。一方で、その場所は過去に同じように脱出を試みた子どもたちが暮らしていたことが判明します。彼らの生き残りの一人である謎のおじさんの知恵や力を借りたいと提案しますが、おじさんは乗り気ではありません。実は、そのおじさんには暗い過去があったのです。