sg629737@sg629737

sg629737
sg629737
@sg629737
12 Articles
4 Reviews
0 Contributions
0 Likes
sg629737

sg629737のレビュー・評価・感想

蛍火の杜へ
8

幽かなのに力強い恋を拾う

妖怪好き、恋愛好き、泣きたい、キュンキュンしたい、悶えたい、切なくなりたい、がすべてつまった珠玉の作品である。
近づいてはいけないとされる山神さまの森の中で、人に触れられると消えてしまう幽霊のギンと、
夏休みにおじいちゃんのお家に遊びに来る度にその森を訪ねてはギンに会いに行く蛍。
二人のおよそ10年間を描いている。
人と人ならざる者との恋愛である限り、辛い方向への結末を予想してしまいがちになってしまうが、
それだけではない、とても前向きな終わり方が、心にチクリとほろ苦い注射を刺す。
描写の対比もまた秀逸である。6才の女の子から女子高生へと成長していく蛍の姿と、10年間変わらない容姿のギン。
蛍の持つ命のたくましさと、ギンに漂う消え入りそうなはかなさの対比が、苦々しくて、美しくて、涙腺崩壊必至である。
ギンは、森で迷子になった蛍の手をつないであげることもできず、泣いている蛍の頭をなでてあげることもできない。
もどかしさ溢れんばかりの距離感。ギンの想いも蛍の思い遣りにも、涙腺決壊の大洪水に追いやられてしまう物語である。
夏の終わりのカナカナと鳴く蝉の声と夕方の匂いを肌で感じ取れる、鼻の奥がツンとする大好きなお話だ。

100万の命の上に俺は立っている
8

主人公の考え方にとてもあこがれる

この作品のあらすじは、東京に住んでいるあまり友達が居ないタイプの高校生がある日、異世界のような場所へ飛ばされ仲間と共に異世界で出されるミッションをクリアし、現実に戻るというものです。これだけ聞くとありガチな話だと思うかもしれませんが、この作品の一番の特徴は、主人公の考え方が他の作品の主人公とは全く違うということだと私は思います。例えば主人公は昔、田舎に住んでおり、東京に引っ越してから少し仲間はずれにされた結果、東京すごく憎むようになり、異世界で力を身につけた際にはその力で東京を破壊したいと考えました。また異世界に行ってもそこにいる住人と仲間になって長い間共に戦い旅をしてもどうせ異世界の住人だからとすごく適当な別れ方をするなど、少し冷酷な考え方を持っています。しかしその異世界の住人や仲間などと共に旅をしていくうちに考え方は少しずつ変わっていきます。そんな主人公の心の成長も、この作品の見どころだと思います。また、主人公だけではなく、主人公の仲間も見どころの一つだと思います。仲間達は全員が全員全く違う性格をしており、意見が対立することもしばしあります。しかし違う考え方だからこそ色々な意見が出て解決できる問題もあることを、私はこの作品から学びました。

創世のタイガ
8

原始時代を知れる、行った気になれる作品

主人公タイガが原始時代にタイムスリップしてしまい、その中で生きていくために狩りをしたりネアンデルタール人と闘ったりする物語です。
原始時代や原始的な生活を送る人類の歩みを知れるとてもおもしろい内容です。森恒二さんの作品はどれもおもしろいので楽しく読ませていただいています。今作品も基本的には根暗な少年が自分では思ってもいない力を発揮して、生きていく意味を知るということが根本にあります。ストーリーは漫画の王道ではありますが、その背景や特殊な能力が毎回違うため飽きずに読める作者だと思います。
特に今回は自分が最近欲していた、サバイバル物だったため心惹かれて読み始めました。サバイバル物は0からのスタートでどのように生き抜けるかがメインですが、「創生のタイガ」では早めに原始人との交友があり、やはり人類はみな寄り添いながらでないと生きていけないということを作者が伝えたいのではないかと思います。
原始時代にどのように狩りを行い、生活していくか、またタイムスリップしてしまった現代人はその時代に適応できるのか、想像の世界を膨らませることができる内容で、これからがまだまだ楽しみです。
これからのストーリー展開として、恋愛関係や住まいなどの建築関係もさらに発展していって欲しいと思いますし、それらの点で想像が膨らむ作品になっていって欲しいと思います。

SLAM DUNK / スラムダンク / スラダン
10

バスケに関しての知識がほとんど無くても楽しめた

バスケットボールのルールなどよく知らなかったのですが、主人公がバスケ初心者からどんどん成長していくお話なので、知識無しでも楽しめましたし、バスケの事を知る事ができました。
主人公をはじめチームの仲間がみんな魅力的で、決して仲良しではないけれど心の底では信頼し合っている感じがグッときます。敵である他校のキャラもまた魅力的でした。
そんな中でも主人公の桜木がやっぱり1番最高でした。基本的にふざけていたりとぼけていたりするのですが、決めるところは決める。最高に男前です。バスケも素人のはずなのに驚く程のスピードで成長し、思わぬところで大活躍したりするので、見ていてとても気持ち良かったです。
あと、流川との関係も良かったです。ライバル意識があり、全然仲良くないのですが、一緒に試合を重ねていく中で、お互いへの信頼が少しづつ大きくなっていったんだなと思いました。
最後の「あのシーン」は感動を通り越して、鳥肌が立って涙が出ました。これまでの話は、このシーンの為の伏線だったのではないかとさえ感じました。
ギャグのシーンは声を出して笑い、シリアスなシーンでは感動します。試合の描写も分かりやすく、ハラハラドキドキしながら読み通しました。