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rushiya63のレビュー・評価・感想

ランペイジ 巨獣大乱闘
7

モンスターパニックムービーのニュースタンダード!

でっかいゴリラとでっかい狼ととてもでっかいワニの三つ巴に一人奮闘するドゥエイン・ジョンソン…この映画を簡単にまとめると以上になります。いや、もちろんそこに至るまでには遺伝子組み換えに一攫千金を狙う大企業の陰謀とか、自分の研究を悪用され復讐を胸に行動する女性科学者とか、やっぱり役に立たないアメリカ軍と頭の固い指揮官とかお約束の設定のフルコース状態なんですが、すべてはドゥエインの筋肉の前に勝てないのです。それでも彼と手話で心を通わせるアルビノの雄ゴリラ・ジョージとのやり取りは、微笑ましくもユーモアに満ち、ああそう言えば今回の役柄は動物学者だったと再認識させてくれます。しかしあくまでも主役はジョージで、ドゥエイン演じるデイビスは状況に翻弄されるのみ。女性科学者とのロマンス的なシーンすらありません。なぜ悪の大企業が自社ビルの最上階にジョージたち巨獣を集める電波塔を立て、わざわざそれを破壊させるように仕向けるのか。軍隊の攻撃はちっとも効かないのにデイビスの投げた手榴弾にはダメージを受けるのか。意味ありげに暗躍する髭面の男の正体は何か。そういった疑問は何一つ解決しないまま、シカゴの大破壊とゴリラの下品なジョークで終わりです。これは1980年代のB級ビデオではありません、れっきとした21世紀の劇場作品なのです。ひとつ異なる点は、巨獣もシカゴの街並みも、等身大のジョージすらも全てCGグラフィックスで描かれているという部分。冒頭に登場する動物園のゴリラたちまで、人間の演技にCGを被せたものであり、その体毛一本一本まで綿密に再現された映像は言われなければ本当に分からなかったほどです。監督であるブラッド・ペイトンもドゥエインも、子どもの頃に日本も含む怪獣映画を観て育ったことを明言しており、本作品がそれらのリスペクトに溢れているのもよく分かります。巨大な怪獣に翻弄される人間たち。蹂躙される街。延々続く怪獣同士のド突き合い。これは頭を空にしてただひたすら楽しむ映画だと思います。

北北西に曇と往け / Go with the clouds, North by Northwest
8

今まで体感した事の無い異国の風が吹き抜けて行く

本当に今までに無いジャンルの作品です。少し日本人には馴染みが薄いアイスランドが舞台なのですが、自然溢れるこの国に行ってみたくなる描き方をしています。また、アクションやスピリチュアル、サスペンス、恋愛、様々な物が織り込まれ、読者を飽きさせず不思議な世界に誘ってくれます。
まず絵が風景画の様に描かれとても美しいです。登場人物達も美形揃いです。
主人公はヨーロッパとのハーフの日本人青年で幼い頃から車の声を聞く事が出来ます。まずこの設定も変わっています。彼は異国で探偵業なんでも屋の様な仕事をしています。アイスランドでひょんなことから出会った謎の美女は人の声から、その人格や過去を知ることが出来る能力の持ち主です。
青年には日本でおじ夫婦に預けた弟がいます。しかし、ある日おじ夫婦が亡くなり、弟も行方不明になっている事を知ります。彼はアイスランドに兄を追ってやって来ていました。
この弟が非常にくせ者で、素直で愛らしいのですが、一人になると、物を傷つけたり、異常な生癖を見せます。アイスランド人の美女は主人公に弟の声はおかしい、と警告します。
美しい火山帯、羊の群れに温泉、食事等、雄大な自然の中、彼らは一体どんな運命をたどって行くのか、アイスランドの歴史や文化を学びながら、ストーリーにハラハラしながらも旅行をしている気分になれる、そんな不思議な作品です。