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post285289のレビュー・評価・感想

ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像
9

うまくいかない遣る瀬なさ

映画全体に流れる独特の静けさ、ゆったりとした話のテンポは、この舞台が北欧であるということをひしひしと感じさせてくれる。私は今までフィンランド映画をあまり観たことがなかったのだが、この侘び寂びの空気感は、どこか邦画に通ずるところがあると思った。

主人公である年老いた画商のオラヴィ、その娘であるシングルマザーのレア、そしてレアの息子のオットーを中心に物語は進んでいく。登場人物がお互いを支え合う場面や、また一方で衝突する場面が多くあるのだが、心理描写が丁寧で鑑賞者がどの人物にも共感できるように作られていた。
オラヴィが生活に手一杯で心身ともに余裕がないところにも共感できるし、レアが父親から娘としてではなく、ビジネスマンとしての目を向けられた時の悲しみもわかる。
オラヴィの友人たちも彼を援助したいと願うが、お金がないという理由で力になれないやるせなさ。そして観ている側も、オラヴィを応援したいという気持ちと同時に、「この人が美術商として成功しなかったのは、ビジネスの才がなかったからだ」とも感じてしまうのが切ない。
孫のオットーは今時の青年で、一見浅はかにも見えるが地頭がよく狡猾な面も垣間見えるので、オラヴィの意思を継いで美術商として成長してほしい。

ハイキュー!! / Haikyu!!
10

勇気と元気をもらえる名言がたくさん!

『ハイキュー!!』は部活を通してキャラクターたちが成長していく姿が描かれています。
学生でも社会人でも共通して挫折や高い壁にぶつかることはあると思います。
『ハイキュー!!』のキャラクターたちもたくさんの壁にぶつかりながらも、めげずに立ち向かい乗り越えていくのです。
その姿を見るとこっちまで頑張らなきゃと思わせられます。

『ハイキュー!!』には名シーンの中にもたくさんの名言が隠れています。
この名言こそ、頑張ろうと自分を奮い立たせてくれる言葉なんです。
その中でも印象的な名言を3つ紹介したいと思います。

1.「遠きにいくには必ずちかきよりす」
この言葉は、影山がユース合宿に選ばれ、同じ舞台まで行かないと、と気持ちの焦りが出てきている日向に対して顧問の武田先生が言った言葉です。
物事を進めていくためには順序を追って進めなければならない。頭で分かっていてもライバルが自分より先にどんどん進んでいく姿を見ると焦ってしまう。
誰にでもある感情ですよね。今まで日向は影山とセットでしか価値を見出せなかったので、ユース合宿に選ばれないということは、向上心のある日向にとってはとても悔しい出来事だったのでしょう。
日向がいつも頑張っている姿を一番近くで見てきた武田先生だったからこそ出てきた言葉ではないでしょうか。

2.「反復、継続、丁寧は心地ええんや」
この言葉は、対戦校である稲荷崎、北信介の言葉です。北信介は、3年でキャプテンでありながらレギュラーメンバーではない、一見目立たない選手です。
稲荷崎高校は前年度全国第二位という実績を持つ高校で選手層も厚く、つわものが集まる高校です。
北信介は、中学でも高校でもレギュラーどころかユニフォームすらもらったことがない選手ですが、コツコツと努力を積みかさねることができるキャラクター。
作中にもありますが、北信介は結果より過程が大事と思っているタイプで毎日の行動が自分を作り上げていると思っています。
そんな北信介ですが、初めてユニフォームをもらった時に涙しているシーンはこっちももらい泣きしてしまいましたね。
毎日コツコツやっている姿を誰かが見ている、時間はかかってしまうけど結果はおのずとついてくるものだと感じました。

3.「才能は開花させるもの、センスは磨くもの」
こちらも対戦校である青葉城西の及川徹の名言です。華やかなルックスで注目度も高く、一見悩みなどなさそうに見える及川さんですがたくさんの劣等感を抱えています。
中学時代、対戦するたびに敗戦していた牛島若利、いきなり現れた才能の塊の影山飛雄。群を抜いたセンスを持ちあわせていた前者と比べると及川さんは普通という感じになるのでしょうか。
春高予選の終盤で及川さんがこの名言を口にするのですが、才能がないなら自分で開花させればいい、センスは磨けば磨くほど輝くという風に伝わり、もっと上に行くための固い決意のような言葉に感じました。

行き詰まったとき、心が折れそうなとき、背中を押してくれる何かが欲しいと感じたときに『ハイキュー!!』を見るのがおすすめです。
様々な逆境、困難は人生において付き物です。
それとどう向き合うか、どう乗り越えればいいのかを迷ったときに見ると本当に背中を押されます。
最初から完璧な人なんていないんだ、みんなそれぞれに悩みはあるんだということを考えさせられるアニメです。
見た後に前向きな気持ちになれること間違いなし!ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

吸血鬼すぐ死ぬ / 吸死
10

温故知新のギャグの連打

吸血鬼とみると、またかと思ってしまった最初の自分を殴りたい。既存の吸血鬼作品とは全然違う。かといって、新しすぎる設定も、このアニメならではの用語も少ない。誰もがわかる用語で新しい構成がなされている。そこが魅力と感じる。
アルマジロのジョンに癒されては、ドラルクのダメさに笑わされる。ただずっと笑って何を見ていたか忘れるような作品ではなく、あの内容のあそこよかったなと後から笑顔が押し寄せるようなギャグがたくさん詰まっている。
Y談おじさんなど、よく考えたら下ネタの塊みたいな登場人物が多いが、決して下品ではない。どちらかといえば、小学校低学年の可愛いらしい下ネタから抑え気味の淑女の下ネタにステップアップしたみたいな程度の下ネタだ。縮めると、排泄物や18禁を思わせる内容はほぼない(ただ、一部フェチに関する発言が出てくるので、そこだけ苦手な人は気を付けたほうがいいかも?)。きっと小さい子が見たら喜ぶし、親御さんも安心して見られる。
あと、アルマジロのジョンが可愛い(二回目)。また、女子キャラのビジュアルが魅力的でもある。私のイチオシはヒナイチくんだ。有能だけれど、どこかチョロい。男性好みのしっかりしたヒロインだ。触覚で感情を表し、小さい体で吸血鬼をばったばったと切り倒す。男女ともに好かれるヒロイン像で見ていて気持ちがいい。
吸血鬼のドラルクと吸血鬼退治人のロナルドの漫才の面白さと、アルマジロのジョン、ヒロインのヒナイチくんの可愛さで、日ごろの疲れをぜひとも癒してほしい。おすすめ。

パラサイト 半地下の家族 / Parasite (2019 film)
9

何重もの意味

前半はコメディのようでもあり、おもしろかったです。家庭教師、美術の先生、運転手、メイドと次々に家族が金持ちの家に雇われていくところがワクワクしました。
最初、ギウの友達が奥様のことをシンプルな人と称していたけど、その通りでほんと人を疑わない、騙しやすい人でした。
それにつけ込んで、どんどんうまくいってるところがおもしろかったので、後半の展開には驚きました。
でも、後から見直すと伏線もあって、すごいです。実は、タイトルにまで何重もの意味があったんですね。
韓国映画は質が高いとか言われるけど、ほんまにそうです。
ギテク役の方はよくみる役者さんですが、温厚そうできれると急に怖くなるところがよかったです。
韓国の格差社会のことも知れました。金持ちはほんとに金持ちなんだなって感じです。
庭も広く、家も広いし、すごくいいところでした。主人公家族が住んでいるところとの差がものすごくて、心に残りました。
半地下というところがあるだなんて、安いならいいかなとも思うけど、窓から、道路の足元が見えてというのはすごく閉塞感があります。
だからこそ、ここから這い上がれるかもといろいろしてたのに、あの展開、、、。後味が悪くて好きです。

うちのメイドがウザすぎる! / ウザメイド / Uchi no Maid ga Uzasugiru! / UzaMaid!
8

幼女好きさんにはオススメです

ロシア人幼女と変態メイドの日常系アニメです。
白い肌、綺麗な金髪、青い目でお人形さんのようなミーシャに一目惚れをした元自衛官の鴨居つばめは家政婦募集の貼り紙を見て高梨家のメイドになりました。しかしミーシャは亡くなった母のことを想い、なかなか鴨居に心を開きません。鴨居はミーシャに好かれる為に熱心に、情熱的に、そして変態的につきまといます。段々とミーシャが鴨居に自分をさらけ出す姿が見ていて愛おしく、キュンキュンしました。鴨居は元自衛官ということもあり、かなり筋肉質な体なのに恥ずかしげもなく様々なコスプレをしてミーシャの前に姿を現す姿は見ていて楽しかったです。鴨居の自衛官時代の元上官鵜飼みどりや、ミーシャのクラスメイトの森川ゆいなどサブキャラ達のキャラ立ちもしっかりしています!日常系アニメなのに、飽きがこず何度でも繰り返し見てしまうほどのめり込みました。
幼女好きさんにはきっと刺さるであろうミーシャの見た目と、ツンデレな性格のアンマッチがとても良かったです。最終回も鴨居とミーシャの関係性が良くなったところが垣間見えて、凄く綺麗な終わり方だなと思いました。メイドがウザいという、斬新な作品なので普段日常系をあまり見ない方でも気軽に楽しめる作品だと思います。

コードギアスシリーズ / Code Geass series
10

かっこよすぎる!

面白くない回がない!というのが最も大きな感想です。
1話1話の展開が今まで見てきたアニメの中で1番濃いと思いました。他のアニメに比べたらカットやセリフのテンポが早くてとても軽快に見ることができました。
また、キャラクター1人1人の心情がとてもリアルで悩んだり、葛藤したりして物語にとって意味のない行動がなかったのでよかったです。
特に、主人公のルルーシュは悪役側で倫理に反するような行動や言動をしていますが、むしろ共感できる部分も多くあるので情に厚いキャラクターで個人的には好感を持てました。
1期最終回について話すとどんな終わり方をするのかとてもワクワクしたのを覚えています。実際には何も終わらなかったことを覚えています。スザクとカレンというメインキャラクターにゼロの正体がバレた場面は興奮しました。
2期の後期から最終回はてっきり皇帝との対決が最後かと思っていたら、あっさりと雑に終わってしまったことは少し残念でした。
ナナリーとルルーシュの兄妹が同じことを考えた上でルルーシュがギアスをかけたのは少し、いや相当泣きそうになりました。最後、最大の敵を屈服させる、あっと驚くような手段を見たかったなぁ、というのが正直な感想です。

酔拳2
7

ジャッキーチェン好きは必ず見るべき作品

私はジャッキー・チェンが大好きで、そのきっかけとなった作品が小学3年生の時に金曜ロードショーで見たこの酔拳2です。それまでの私はアニメしか見ておらず、実写の人間があんな動きをするなんて思わず、とても感動していたのを覚えています。あんな早い蹴りやパンチにアクロバット、そして酔拳というヨロヨロしながらも悪党を倒す様がいちいちかっこよく、惹かれてしまいました。

ジャッキーチェン扮するフォン・フェイホンは街から買ってきた薬品を税関逃れのために隠し持って脱税を働きます。その薬品が見つかりそうになったり、厳格な父親に叱られたり、ハラハラさせられるシーンも上手く共感できて楽しめました。悪党の中国の国賓を海外に売り飛ばそうとする悪巧みを知ったフォン・フェイホンはその計画を阻止しようと仲間たちと立ち向かいます。その仲間とのチームプレイの立ち回りを素早くそして鮮やかでカッコ良かったです。その国賓はフォン・フェイホンの先輩が悪党に殺されて奪われた国賓なのです。それを許すまじと立ち向かうフェイホンの姿とラストの立ち回りのシーンは自然と応援してしまいました。そしてジャッキーチェン映画に欠かしてならないのが体当たりなアクション。この映画でも高熱の石炭?に蹴り落とされるシーンは痛さがリアルに伝わり楽しませてもらいました。

どろろ
9

絶対見るべき!手塚治虫の名作をアニメ化『どろろ』

手塚治虫の少年漫画『どろろ』が2019年にアニメ化されました。これまでにもアニメ化、実写映画化され、時代を超えて注目されてきた作品です。
父親の望みと引き換えに体のあらゆる部分を失った百鬼丸が、両親を失って一人で生きるどろろと出会い、一緒に鬼神と戦って体を取り戻す旅をする物語です。

新しくアニメ化されたこともあり、古い作品ですが、映像がきれいで見やすく、ストーリーもわかりやすくなっているので、子どもから大人まで、あらゆる世代の人におすすめできます。
作中には百鬼丸やどろろの家族以外にも、様々な人間が登場し、人間の醜さ・卑しさ、尊さ・美しさを感じさせるような物語になっています。
最初は話すこともできない百鬼丸が、声を取り戻し、どろろと徐々に徐々にコミュニケーションをとるようになる様子は愛おしいです。
義手・義足で戦う百鬼丸の戦闘シーンは格好よく、武士の時代のアニメということもあり、刀や妖怪(鬼神)など、外国人の人にも知っていればおすすめできる作品ではないでしょうか。アニメのオープニング曲、エンディング曲もこのアニメの世界観に合っていて、素敵です。強いられた運命と向き合いながら、体を取り戻す旅を続ける二人の行く先が気になるアニメです。

ファンタシースター ノヴァ
7

ファンタシースターの魅力が凝縮されている

2014年に発売に発売されたPSVITA用ソフトです。SEGAの代表ソフトですが、2014年の日本ゲーム大賞のフィーチャー部門を受賞しています。ゲームの内容ばかりでなく、その完成度やムービーの美しさはゲームファンばかりでなく多くの人を惹きつけます。本作は、PSVITATVにも対応していますので、テレビ画面でのプレイも可能です。
ファンタシースターと言えば、キャラクターメイキングの豊富さがあります。本作でも健在です。ヒューマンとニューマン、キャストの3種類の種族から選べます。また、男性女性の性別も選択可能です。特に、身長や体格など外見がより細かく設定できるのは圧巻です。
クラスもハンター、レンジャー、フォース、バスターの4種類があります。それぞれの特性がありますので、自分に合ったスタイルと見つけることができます。装備できる武器や攻撃法も違いますので、いろいろなキャラクターを作って試してみるものおもしろいです。
操作法もストーリーを進めると自然と上手くなっていくようになっています。チュートリアル的な説明がない分、ストーリーにも映像にも集中できるのがうれしいです。また、インターネットに接続することで特典が得られるなど遊びが広がるのも魅力的です。

モンスターストライク THE MOVIE ソラノカナタ
4

ソラの中身がなさすぎる

アニメも映画もあと少し変えれば、まともになりそうなのにゲームがあるためか出来ていない。現時点だと正直ソラがいる意味が分からなかった、ラストを少し前に流行った恋愛?アニメ映画ぽっくするために作られたキャラだと思った。今の段階だとソラの中身がなさすぎる、伏線チックなのがあるのでそれ次第でモンストアニメ自体の評価は変わるかも。道程と前述の結果としてソラとカナタの繋がりが感じれなかったあと少し頑張れば(ソラ関連)ちゃんとした映画になりそうなのに残念、しかし前作より数倍はマシになっていると思われる。話の構成、展開の仕方、全てにおいて見られるレベルには上がったが、ソラの声優に関しては不満を感じざるを得なかった。俳優と声優では見せ方が違うので、やはりアニメ映画に俳優を起用することは愚策。序盤ー中盤はセンスの良いアングル、激しいアクションには引き込まれました。これは大画面で見るべきだと思いました。バトルシーンだけ巻き戻して何度も見たいと思いました。またストーリーいついてはキャラクターに感情移入出来るような描写はなく、疑問が残ることばかりで、残念でした。ですが悠木碧さんや細谷桂正さんといったプロの声優さんの演技力のお陰でウルッと来ることがあり、声優さんの凄さを痛感しました。

サザンオールスターズ / Southern All Stars
10

まだまだ衰えを知らない

サザンオールスターズは、1974年から活動が始まり1978年にリリースした「勝手にシンドバッド」でメジャーデビューしているバンドである。活動休止、再開を繰り返しながらも40周年を迎えた国民的なバンドである。ほとんどの曲が作詞、作曲をボーカルの桑田佳祐が担当しており、そのほとんどがヒット曲へと繫がっている。
サザンオールスターズは、これまで数々のヒット曲をリリースし、多くの人がサザンオールスターズの曲に魅了されている。こんなにも魅了されている理由は、私の見解では三点ある。先ずは、ボーカルの歌声である。ほとんどの曲を、桑田佳祐が歌っているが、その歌声が誰にも真似できないような渋く、時には高音の素晴らしい声にある。また、いくつかの曲はバンドメンバーの原由子が歌っているが、これまた声が美しく、柔らかく包み込まれるような癒される声を持っている。次に、歌詞の日本語と英語の使い方がとても上手いところにある。他の作詞家が認めるほど、言語が違えども上手く歌詞が融合している曲を作っているところにある。三点目に、サザンオールスターズの多くの曲は聴けば聴くほど中毒性があり、歌詞や曲調など時には面白く、時にはしっとりと聴かせてくれる曲が多い。最後に、これからもサザンオールスターズは、まだまだ衰えを知らない進化し続けるバンドであろう。これからも楽しみである。

シックス ハーフ
7

過去の確執と未来への希望

ストーリーは、高校生の詩織が事故で記憶喪失になったところから始まります。
事故に遭う前は、暴言などで兄や姉を散々困らせていた詩織が、事故に遭った後は人が変わったように性格が変わっています。
人の気持ちを考えられるようになり、それがきっかけとなり他の人からの優しさ、思いやりの中で過ごすことが出来るようになります。
ただ、過去に「ブス」とひどい暴言を吐かれていた妹は姉の優しさを受け入れることが出来ません。
もしそのようなことがあったら、と自分に置き換えて考えた時に、「過去は過去」と割り切り、これからの言動、行動が出来るかなと考えさせられました。
普通の高校生だった彼女はある日芸能人になる為に奮闘します。
周りから、自分が昔どれだけひどかったのかを聞かされますが、そんな過去を自分なりに受け止めて向き合い、整理をつけて前に進もうとしている姿勢には心を打たれます。
頑張っている彼女の行動に周りも影響され、少しずつ変わっていく様子が描かれています。
これを読んで、周りを変えたいのであればまずは自分が変わらなければ、という考えを勉強することが出来ました。
なので、少しでも自分を変えたいと思っている方には是非読んで欲しいです。

ピクセル
7

アーケードゲーム愛に溢れる作品

2015年に公開されたアメリカ映画で、宇宙人が地球侵略のためにクラッシクアーケードゲームのキャラクターを兵器化し、それを8年代に少年時代を過ごしたゲームオタク達が迎え撃つというなんともぶっ飛んだ内容のストーリーが展開される、コメディタッチなSFアクション大作です。
82年にNASAが地球外生命体への友好の印として、当時のアーケードゲームの映像を収録したメッセージを送るが、それを宇宙人が侵略と誤認してしまう。宇宙人はアーケードゲームのキャラクターをモデルに兵器化し、地球は窮地に陥る。奇しくもゲームキャラクターに対抗できるのがゲームの攻略法を熟知したゲームオタク達「アーケーダー」というなんともオタク賛歌映画になっています(笑)。
前述のゲームキャラクターも「パックマン」に「ギャラガ」「ドンキーコング」と一世を風靡したキャラクター達がハリウッドのVFXで全力で映像化され、主人公達の前に立ち塞がる絵面がかなり壮絶で(笑)、特にパックマンの下りは怪獣映画のようなスケールになっていて、また、「パックマン」や「センティピード」、「ドンキーコング」に至ってはゲーム画面も再現するこだわりぶりが半端ない(笑)。地球人に対してルール付きのゲーム勝負を挑む宇宙人が妙に律儀ですが(笑)、一見トンデモ映画ですが、作り手のアーケードゲーム愛に溢れる作品になっています。

ベッカムに恋して
7

今の時代だからこそ、考えさせられた。

私は「ベッカムに恋して」を見て、国籍、肌の色の違い、祖国の違い、宗教の違いによって、こんなにも多くの事に亀裂が出来てくるのかと驚かされました。主人公のジェスの行動は現代の私達からするとそう変わった事には思えませんでした。しかし、「移民」である彼女だからこそ、周りの視線は「自分と違う者」として受け入れ難い部分があるのではないかと思いました。

イギリス社会におけるインド系イギリス人は、アイデンティティの違いによって恋愛、結婚、クラブまでも規制をされることに驚きでした。ジェスがバス停で友人のジュールズとはしゃぎ合ってハグしているところを姉の婚約者の両親に見られ、ジュールズがショートヘアーだった故に男の子とキスしていたと勘違いされ、それによって姉は婚約破棄にまで至ったシーンで、国籍を超えた恋愛は禁止であることご描かれていました。
ジェスの姉もジェスに何度も「インド人でもいい男はいっぱいいるわ。」とジェスに言っていたため、移民だからと言った理由で恋愛を自由にする事が出来ないという当時の状況がよく伝わりました。後に恋愛に発展していった女子サッカーチームのコーチであるジョーとの恋愛模様はとても切ないものでした。時間や距離ではなく、意思に問わず生まれてきた時点で既に国籍は決まっているため、どうしようもない事には抵抗出来ません。世間の目というものはとても威圧感があり、大きなものであって、そう簡単に乗り越えられるものではありません。人はなぜ自分と違うものを受け入れられないのか今でも不思議に思っています。
そして、ジェスのお父さんが過去にクリケットの選手でしたが、お父さん自身も過去にイギリスのクリケットチームに居て、プロを目指していたにも関わらず「インド人」というだけでイギリスのクリケット業界から追い出されてしまったのです。そんな経験があったからこそ自分の娘には期待を持たせたくないと思い、ジェスにサッカーを止めるよう言っていた所はとても複雑な思いで見ていました。今まで先生が用意して下さったビデオの中で、「第一世代と第二世代では時代が変わっていて、環境も変化している」というのが私の中で強く印象着いているため、このシーンにも共通して言えるのではないかと感じました。実際、その後ジェスは国籍を越え、サッカーの推薦でアメリカの大学への入学が決まった時は時代は変化していくものだと実感しました。
国と国の差異は未だに残っていますが、だんだんと減っていっているのではないかと思い、将来「移民」であろうと国籍を越えて、誰もかも壁をなくした時代が来てほしいと思っています。第一世代、第二世代、第三世代と進んでいくにつれ、第二世代のような考えが浸透して欲しいと思いました。

アカメが斬る!
8

タイトルなし

若き殺し屋の成長ストーリーです。
物語は貧しい田舎育ちの少年タツミが仕事を求めて大都市「帝都」に入る所から始まります。夢と希望を抱いて帝都に入ったは良いものの、帝都にあるのは金持ちや権力者が好き放題に弱者を蝕む、腐りきった社会でした。そこでタツミはひょんなことから悪名高き殺し屋集団ナイトレイドのメンバーにスカウトされてしまいます。世間では恐れられていたナイトレイドですが実は、腐りきった帝都を変え民を救おうとする信念を持った者達の集団でした。彼らは民衆を苦しめる悪党達を次々と殺し、最後は国を裏で操っていた大臣を抹殺して見事革命を起こすのです。

このアニメはストーリーの展開が早く、途中からは毎回ナイトレイドのメンバーもしくは敵の誰かが死んでいきます。ナイトレイドのメンバーは全員がとても愛情深く優しい所があって、よくメンバー同士でじゃれ合ってたりするので、そんなメンバーが死んでしまうシーンは涙なしには見れません。また、主人公のタツミは最初は感情的で未熟な部分も多いのですが、回が進む毎に精神的にも肉体的にも成長し、最後はナイトレイドのメンバーの一員としてその責務を果たそうとします。そんなタツミの成長過程もこの作品の見どころです。
次々と悪党を殺すシーンはとにかくスカッとします。またキャラクターもそれぞれ個性があって魅力的です。戦闘系や能力系のストーリーが好きな方にはお願い致しますオススメの作品です。

舟を編む
6

あまり盛り上がりはないけれど

辞書を作る過程がわかって興味深い。あまり盛り上がりはない気がするけれど、それはそれで落ち着いて観ていられていいと思う。
松田龍平さんの映画は初めてだったけど、他の作品も観てみたいと思った。宮﨑あおいさんの役は彼女の良さがあまり感じられなかった。他の女優さんでも良かったというか、せっかく彼女を使うのならもう少し存在感のある役でないともったいない気がした。オダギリジョーさんはいい味が出ていたと思う。最初はちょっとチャラい感じを受けたが、話が進むに連れて、だけじゃない人なんだと感じられた。池脇千鶴さんは、主役も脇役もこなせる、そして存在感もあるすてきな女優さんだと思った。八千草薫さんは、もう本当に素敵です。品があり物腰ひとつひとつがため息が出るほど。ほかのベテランの出演者の方々の演技も素晴らしく、作品に深みを与えていたと思う。

辞書って難しい言葉とかわからない言葉を調べるという役割だけれど、当たり前のように使っている言葉も載せなきゃいけないんだなと思った。「右」という言葉を説明しろって言われても答えられないですよね、普通。それを説明できるのも辞書なんだな妙に感心した。個人的に一番好きなのは早雲荘。古い下宿屋の風情がたまらなく好きでした。

オールウェイズ
10

タイトルなし

アメリカ映画で監督はスピルバーグ。
そして、あのオードリーヘップバーンの遺作のはずです。
天使のハップ役で登場しますが、歳をとってもあんなに美しいとは、流石にオードリーです。
しかも、天使としてのなんのギミックも化粧すら無く、素のオードリーが天使なんだとじっかんします。
主人公は別にいます。
飛行機で山火事に消火剤を巻く火消しのピート、元々ピートは無茶な飛行をし火を消すことを優先する性格で恋人のドリンダは管制官をしているのですがいつもやきもきして、いつ死んでもおかしくない飛び方は辞めてと言っているんてますが、ピートは聞き入れずヘラヘラとはぐらかすばかり、そんなある日、ドリンダとピートの共通の友人で、ピートと同じ山火事消火のパイロットのアルの飛行機から火が出てしまい、それを目にしたピートは、無線で「アル、早く飛行機の消火装置を起動しろ」と呼びかけますが、アルはすでに消火装置を起動しておりそれでも火が消えたい事をキャノピー越しにゼスチャーしもうダメだと笑って見せます。
そんなアルを見て助けないわけがないピートとアルの飛行機の上に出て急降下し、自分が山に巻くはずの消火剤をアルの飛行機にかけアルの飛行機の火を消しますが、急降下から立ち直れず、そのまま、山火事の山に突っ込んでしまいます。
ピートは死に、山火事のまだくす火がくすぶる山を1人歩いていると、場違いな綺麗な女性から声をかけれ、山火事なのに木々が燃えずに青々と茂る一画に案内され散髪をしましょうと前掛けをされ椅子に座らされます。
あんたは誰だとピートは天使のハップに聞き、ハップは「私はハップ」と答え散髪を開始します。
その時ピートは自分が死んだ事をさとり「俺は死んだのか?」とハップに聞き、「そうよ」とハップは答え、ピートの次の質問は、親友のアルは無事かでした、ハップは無事よ貴方が助けた、と告げ、これからのピートのやるべき事を話します。
これからは守護霊として生きている人を導くの、貴方が語る声はその人には聞こえないけど直感のようなひらめきとして通じるわ。
とつげ、ある青年のところに導きます、名はテッド。
あの人を導いてと告げ、ハップは消えます。
テッドは頼まれた人ね誕生日を祝いに飛行機で飛んできて、ハモニカでハッピーバースデイを吹き、プレゼントを渡す仕事をしていました。
そんな中、ピートが死んでしまった恋人のドリンダは、生きる気力を無くし、もぬけの殻の様に生活している姿をアルは見ておられず、またアルも、自分のせいで死んでしまったピートの事でこんな生活になってしまったドリンダを助けようとします。
アルは山火事消火ね仕事自体は辞めて、山火事を消す為のパイロットの養成学校を作り、ドリンダを誘い無理矢理に学校を手伝わせます。
そんな時、その養成学校に入港してきたのがピートが守護霊となった、テッドでした、まあピートがテッドをそそのかし学校に入らせたわけですが。
そしてピートはドリンダを見つけますが、当たり前のことですが気づいてはもらえません。
しかしピートの気持ちがテッドに伝わったからかははっきりしませんが、テッドはドリンダに惹かれていき、2人は接近していきます。
ピートは面白くないのですが、テッドについついるピートの考えや思いが、テッドに伝わり、ドリンダはテッドにピートの面影を見るようになります。
そして、ピートもテッドがドリンダに気があるとしり、何とか引き離そうとしますが裏目に出ます。
そうしているうちにテッドは火消しとしてゆっくりですが成長していきます。
ただ、ピートはじゃまします。
目障りなテッドをドリンダから引き離すべく、訓練中に訓練を監督しているアルめがけて、消火剤を落とすタイミングをテッドにしじするピート。
「まだ、まだ、まだ、いまだ!」ピートのしじで見事アルに消火剤を命中させるテッド、そしてアルはピートの思わく通りテッドをやめさせようとしますが…、後は映画で楽しんでほしい、テッドとドリンダの結末や、ピートのドリンダは死んだ俺がちょっかいを出してはいけない、早く忘れて生きる事を考えさせないとドリンダは死んでしまうと気がつくピートの気持ちと行動、すごく奥が深い映画です。笑いも、悲しみも哀愁も驚きも感動も全て有ると思います。
流石にスピルバーグが10年温めた物語です。最後は感動します。
ピートよく乗り越えて、自分の死を受け入れたと。
全ての俳優、女優が、素晴らしいですが、やはりオードリーヘップバーンを見てほしい、確か病をおして実演していたと聞いています。
全く衰えを感じさせない、流石の女優です。
ほんとうに美しく歳を重ねたオードリーヘップバーンを見るべき映画です。
絶対お勧めです。
オードリーヘップバーンの出演時間は短いですが、印象にはバッチリのこります。
オードリーヘップバーンファンならさらに必見ですよ、絶対です。

ブレイキング・ベンジャミン
10

21世紀オルタナティヴ・ロックの王道、ブレイキング・ベンジャミン

ブレイキング・ベンジャミンは、アメリカで絶大な人気を誇るロックバンドです。
音楽性は「オルタナティヴ・ロック」と呼ばれるジャンルで、激しさの中にも悲しみを感じさせる楽曲を持ち味としています。
これまでに6枚のアルバムをリリースしていますが、そのうち3枚目以降はすべて全米でベスト3入りを果たしています。
3枚目「Phobia」からの楽曲「The Diary Of Jane」と4枚目「Dear Agony」のシングル曲「I Will Not Bow」はファンの間でも特に人気が高く、後者はアメリカ映画「サロゲート」の主題歌となっています。同曲はアメリカのロック専門ラジオで5週間連続1位を記録しています(「Dear Agony」日本語版歌詞カードより)。
約6年間の活動休止後に発表された5枚目のアルバム「Dark Bofore Dawn」は、全米ビルボード・チャートにて堂々の1位を記録しています。
ボーカリストのベンジャミン・バーンリー氏は飛行機恐怖症、暗闇恐怖症、運転恐怖症、心気症などに加え、アルコール依存の後遺症であるウェルニッケ脳症も抱えています。
歌詞のほとんどは彼が書いており、その内容の多くは病気や生死、愛などについてです。誰もが直面せざる負えない苦しみや人生の葛藤を表現しているので、多くの人が共感できるのではないでしょうか。日本ではあまり知られていませんが、一度聴いてみてはいかがでしょうか。

転生したらスライムだった件 / 転スラ / That Time I Got Reincarnated as a Slime
10

異世界転生ものNo.1!

この作品はタイトル通り、平凡なサラリーマンが異世界に転生してスライムになってしまったお話です。スライムといえば最弱モンスターのイメージがありますが、とんでもありません!この主人公はチートなスキルを使い圧倒的な強さを見せます。私たちの常識が見事に覆されてしまいました。
見た目は可愛いスライムが、かなり大人な中身をしているギャップはもうなんともいえず!でも少年の様な部分もありとても魅力的な主人公です!ある時を境に人の姿にもなりますが、大変可愛らしいです。読み進める楽しみの1つになると思います。
出会う人達も個性的な人ばかり。人というかほとんど魔物なんですけど(笑)。ゴブリンやオーガ、オークなど聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?あと忘れてはならないファンタジーの定番“魔王”も当然出てきますよ!
主人公が仲間を次々と増やしていくのは王道で読みやすいと思います。シリアスで格好いい戦闘シーンや、ほのぼのとした日常シーンなどわくわくする展開が盛りだくさん!私は漫画から読み始めたのですか、あまりの面白さに小説も買ってしまいました。一切後悔なしです!これほど自信を持って人にお勧めする作品は久しぶりに出会いました!

キングダム / KINGDOM
10

絶対読み出したら止まらなくなる

私が自信を持ってオススメする漫画は、「キングダム」です。本当に読み出したら止まらなくなりますのでご注意ください。
ストーリーとしては中国の戦国時代が舞台となっており、秦の始皇帝が中華統一を成し遂げるまでの歴史を描いた漫画。後に中華統一を成し遂げようとする後の秦の始皇帝と、身分は低いが大将軍の座を目指そうとする少年・信が、政治と戦争の両方から中華統一を目指す歴史スペクタル漫画です。
ストーリーも面白いのですが、登場するキャラクターもなかなか個性の強いメンバーが敵側、味方側にも多数出て来ます。個性の強い他のキャラクターも時には主役と同じくらいフォーカスされたりするので飽きることなく読み進められます。
三国志の史記を元に作成されているので大枠のシナリオは実際の話に基づいています。
共に恵まれた環境ではなかったのですが、それでも持ち前のガッツとポテンシャルでみるみるうちに階位をあげていくので、他の列国からだけでなく身内からも驚異とされるまでのスピードで成長していく二人ですが、果たしてこのまま中華統一を成し遂げることができるのか、今後の展開も目が離せません。

妻に恋する66の方法
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福満しげゆきが送る、純粋に「ほのぼの」したファミリーエッセイ

福満しげゆきのエッセイ作品に漂う雰囲気といえば「卑屈」「ネガティブ」「自己愛」「鬱屈」「ひねくれ」…そんな暗~い単語ばかりが並びがち。でも今作は一味ちがう。「僕の小規模な失敗」で描かれたヒステリックな「まだ‘彼女’だった妻」時代、「僕の小規模な生活」や「うちの妻ってどうでしょう?」で描かれた「喧嘩してすぐ家出する妻」時代を乗り越えて、「良妻賢母になった妻」とのノロケがこれでもかと詰め込まれている。かわいい2人の子どもの愛らしいエピソードと相まって、「これって本当に福満しげゆきが描いたの?」と思うくらい。

私が好きなのは4巻その57。幼稚園の年長さんになった次男くんが、園で開催される音楽フェスタ開幕の声がけの練習をする回。年長さんだけど少し滑舌の悪い次男くんが、妻に指導されて挨拶の特訓をする。「これから にてんじゅうはち おんがくへすたを はじめまちゅ」と舌足らずに言っていた次男くんが、練習のすえ見事「これから にせんじゅうはち おんがくふぇすたを はじめます」と言えるようになる。その成果を見守る福満しげゆきの眼差しのなんとあたたかいことか…。この回には思わず私も涙を浮かべてしまった。
自己愛に満ち、人間関係に悩み、将来を悲観し、うまくいかない全てのことに嘆き悲しみ、己を憐れむ涙ばかりを流していた福満しげゆきと同じ人間とは思えない!福満しげゆき、すっかりお父さんになったんだね…と、読んでいるこっちまでジーンときてしまうエピソードだった。

劇場版ポケットモンスター キミにきめた!
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リメイク要素は思った程ではないが、往年のファンにはグッと来るシーンもあり

劇場版ポケモン20周年の節目として公開された作品です。それまでの劇場版シリーズと大きく異なる点は、まずTVアニメ版に基づいて作られたものではないということでしょう。最新作アニメの「サンムーン」は、それまでのポケモンアニメと異なり冒険ものではないため、映画として成立させる事が困難だったのか、アニメとは完全に別枠の世界として制作されています。スピンオフのような位置づけと言うべきでしょう。
また、本作の大きな特徴としては、1997年に放送されたアニメ第一話のリメイクの他、初期のアニメシリーズの名場面を織り交ぜており、子供のみならず大人もターゲットにした作品である事も挙げられます。
この、昔からのファンを狙った作風で、往年のファンを唸らせるような予告編ではありましたが、結果的には激しく賛否両論が巻き起こりました。

実際、この映画は評価出来る点とそうでない点がはっきり分かれていると思います。
後者から先に挙げると、リメイクを前面に押し出していたにもかかわらず、アニメ第一話のリメイクはほんの冒頭だけで、その後はほとんどオリジナルストーリー、オリジナルキャラクターで構成されていたという点です。やはり、リメイクというのであれば、カスミとタケシは出して欲しかったところです。純粋にリメイクだけを期待して見に行った人は大コケしたはずです。かつてのアニメの名場面も確かに盛り込まれていましたが、申し訳程度のものです。
本作のスタッフロールに、一部脚本として、故・首藤剛志氏(ポケモンアニメ黎明期を支えた脚本家)のクレジットが表記されていますが、「首藤氏の屍体蹴り」と叩かれている理由はこのせいでしょう。捉えようによっては、かつてのアニメ版が無かった事になりかねないストーリーだったのです。

しかし、評価に値する点は、ピカチュウが喋った事…ではなくて、スタッフの皆さんなりの、首藤氏へのリスペクトが窺い知れた事です。
それは物語の中盤、サトシとピカチュウがケンカ別れし、その時にサトシが見た「夢」のシーンでした。
このシーンは、首藤氏が当時構想していたという、「ポケモン最終回」が基になっていると推測されます。

最終回の内容は要約すると「ポケモンの世界は、サトシが見た『夢』であり現実ではなかった」という、いわば夢オチのような形で終了する予定だった、というわけです。
もしこれが放送されていれば、当時の小学生達の間で相当物議を醸す事になったでしょうが、あの「ポケモンショック事件」がきっかけでポケモンアニメの放送が延長され、結局没になったのです。
しかし、この最終回が放送されていれば、あのシーンのような内容であったと考えられます。それを、20周年を迎えた今、故人である首藤さんスタッフとしてを迎え、氏の作品のオマージュを織り交ぜたのは大いに意義のある事だと思いますし、この最終回プロットに目を通した人であればきっと「あの回だ!」と気付くはずです。
これが、ポケモン黎明期を支え、ポケモンアニメの礎を築いた首藤さんへの、スタッフ達による敬意だったのでしょう。

色々と突っ込みを入れたいポイントはあるのですが、是非この最終回プロットに一度目を通した上で、本作を鑑賞してみて頂きたいです。

ミッドナイト・イン・パリ / Midnight in Paris
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独特の世界観に浸れる作品

主人公ギルは恋人のイネスとその両親と一緒にパリに訪れる。パリに住んで小説を描きたいと願うギルに対し、イネスとその両親は、「パリは旅行でくるところで住むべきところではない」と反対される。イネスの友人のポールに遭遇しディナーをともにする。その後ポールとイネスはパリの夜の街に消えてしまう。ギルは一人で夜のパリの街を散歩しながらホテルに向かう。その途中深夜12時の鐘が鳴り1920年代のパリにタイムスリップする。そこで歴史的芸術家のヘミングウェイやスコット・フィッツジェラルド、コールポーター等に遭遇する。その後夜が来る度に1920年代のパリにタイムスリップし、そこで出会ったアドリアナに恋をしてしまうが、婚約者がいるギルは悩んでしまう。しかし、シュルレアリスト(超現実主義)のサルバドール・ダリからは「それはごく自然なことだ」と言われてしまい頭を抱える。ギルの恋の行方と素晴らしいパリでの出来事はぜひ映画を見てみてください。
感想としては、イネスの友人のポールは典型的な、博識のナルシストで男性からは嫌われるタイプではないかと思われます。女性としてはポールのような男性はありかもですが。笑 そして、何と言ってもパリの街並みが綺麗。そして小雨の降るパリの景色の魅力がすごく素敵です。そして、ものすごくパリに行って見たくなる映画です。最後に登場するアレクサンダー3世橋なども素敵ですね。

LUNA SEA
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常に進化し続けるバンド

自分がLUNA SEAを好きになってからもう20年近く経とうとしていますが、彼らの音楽は昔も今も新鮮味があり、まったく色褪せません。ヴォーカルのRYUICHIの声量も、バンドの音の厚みも素晴らしいです。どんな言葉を並べても彼らの魅力を伝えきれないくらい、ここまで完成度の高い演奏をしてくれるバンドはなかなかいないのではないかと思ってしまうほどです。
環境にも配慮し、水素電源を取り入れたライブを行ったりと、音楽だけではなく新たな時代を切り開こうとしている姿にも好感が持てます。
声や歌い方が特徴的なので好き嫌いは当然別れると思いますが、バンドメンバーも1人1人の個性が強く、性格も音楽性もバラバラなのにいざステージに立つとバシッとキまる…もう本当にたまりません。何度でもライブに足を運びたくなります。
自分は特にギター兼バイオリンのSUGIZOの大ファンなのですが、彼の奏でるギターの音はとても心地よく、バイオリンの音色もうっとりしてしまうほど素敵です。彼らはロックバンドですが幼少期からバイオリンを習っていたこともあり、クラシック要素もさり気なく取り入れていたりします。メッセージ性の強い曲も多く、飽きることがありません。彼らの音楽がない人生なんてかんがえられないです。