please_go_home@please_go_home

please_go_home
please_go_home
@please_go_home
26 Articles
3 Reviews
0 Contributions
0 Likes
please_go_home

please_go_homeのレビュー・評価・感想

ドラゴンクエストIV 導かれし者たち / DQ4 / ドラクエ4 / Dragon Quest IV: Chapters of the Chosen / Dragon Warrior IV
9

天空シリーズの始祖の物語

ドラゴンクエスト4、5、6と話が続いていく「天空シリーズ」と呼ばれる第1作目です。
ファミコン版は世代的に未プレイで、PS版とDS版をプレイしました。個人的にはPS版がプレイしやすかったように感じます。
ストーリーはこれまでのドラクエシリーズにはない、全6章からなるオムニバス形式で描かれており、
キャラクター同士が会話する「なかま」コマンドが初めて追加され、キャラクターひとりひとりの性格がとてもわかりやすくなり、
人間味が非常に出るいい機能だなと感じました。
楽曲も耳に残る名曲ぞろいで、私は第3章のトルネコ編のフィールド音楽と、第4章のミネアとマーニャ編の戦闘曲が大好きです。
攻略サイトを見るまで実は知らなかったのですが、第6章はPS版から追加された新たなる要素なのだそうで、
私は「ドラクエ4ってこういうストーリーなんだなあ」と思ってプレイしたので特に違和感等は感じなかったのですが、
ファミコン版をプレイした方からは賛否両論あるストーリーなのだそうです。
私としてはこういう救済のようなストーリーも悪くはないなあと思ったので、第6章に関しては蛇足だ!などとは思わないです。
とはいえ、主人公の村を焼いた張本人がパーティーメンバーとなると、ちょっとモヤりますが(笑)。

メイドインアビス / Made in Abyss
10

冒険ファンタジーの最高傑作

かわいらしいキャラクターがたくさん出てきますが、残虐非道な内容も合わせ持つハイブリット型ファンタジー作品です。

上昇負荷という呪い。
アビス生物のデザインや生態。
圧倒的な背景描写と世界観。
アビスの断面図を見た時に、「どうやってこんな世界を思いつくんだ……?」と驚愕しました。
設定が細かすぎるが故にキャラクターの魅力がよりいっそう引き立ち、ストーリーにみるみる惹き込まれます。
コマ割りの枠を手書きで書いてるところにも、つくしあきひと先生のこだわりが見えます。

絵のタッチが柔らかく、特に毛皮のモフモフ具合がたまりません。
ナナチを筆頭に、ミーティー、ファプタ、メーニャ、ネリタンタンなどなど。
ギューッと抱きしめてモフモフしたい欲に抵抗できる人間は、この世にいないでしょう。
人外好きにはたまりません。

一方、引くほどグロい描写もあるので要注意です。
マンガは3巻から、アニメは10話から、覚悟して進んでください。
外道と言わんばかりの展開が待ち構えています。
心をえぐられるような話が衝撃的すぎて、トラウマになる人が続出しているそうです。
しかし、その残酷さを乗り越えようとするレグやリコ、ナナチ。
つらくとも前に進もうとするその姿に、涙があふれて止まりません。

劇場版も最高でした。
原作の緊張感や絶望感を120%再現しており、特に戦闘シーンはスピードと迫力に圧倒されて、呼吸を忘れるほどでした。
声優さんの渾身の演技は、全身を金縛りさせるくらい痺れました。

マンガの表紙カバー下には、特別イラストもあります。
ファン大歓喜のサービス設定が目白押し。
本を買う楽しみが増えますね。

公式アンソロジーも発売されています。
本編のシリアス具合とは一転してギャグ要素の多い作品が多く、ほんわかとした気持ちになります。
気を張りすぎて疲れた時に、息抜きとしてちょうどいいです。

読んでる側もいつの間にか、アビスの呪いと祝福を受けている。
憧れは止められない。

スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました
7

元・日本社畜の勤勉な最強伝説

真面目に働き続け、ついには過労死してしまった日本のOLが異世界に転生。今度は前世のように辛い労働で心と命をすり減らしたくない、と、人里離れた地でなんとかスライムを倒し、コツコツと稼ぎながら安定した暮らしを手に入れていきます。

前世と同様の真面目さもあり、転生時に習得した不老不死によって過ごした年月は300年。それまでずっと自宅周辺のスライムしか相手にしてきませんでしたが、その膨大な年月は最弱モンスターであるスライムから得た経験値でさえレベルを最大にしてしまうもの、というタイトル通りです。

スライムなど相手にならない強さを手に入れたことでスローライフは揺るぎないものとなり、暮らしは安定。快適に過ごしていましたが、ついに彼女の強さが広まってしまい、倒して名声を手に入れようとする者や困りごとを解決して欲しい者が訪ねてくるなど、その平穏が脅かされていきます。

真面目さゆえに過労死してしまい、その反省からスローライフを選択。しかし真面目さが災いし成長しすぎた結果として厄介な仕事を頼まれるようになる…と、なんとも皮肉な展開です。

「その人の力でしか解決しないことがあるなら、その人は世のため人のために力を使うべきだ」と考える人はいるでしょうし、実際に「自分にしか解決できないことがあり、しなければ人の命が目前で失われる」などということになれば力を行使しなければいけないと感じる、ということは現実的にあり得るとは思いますが、そうなると自身の望む平穏は手に入らない。
道徳的には動くべきで、しかしそれは自分を犠牲にすることになる、ということを自身に当てはめて考えるとかなり悩ましい物語です。