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nico0330

nico0330のレビュー・評価・感想

動物のお医者さん / Doubutsu no Oishasan
10

愉快な動物と人間の青春群像劇

『動物のお医者さん』は、獣医を目指す大学生達のほのぼのした日常を描いた漫画です。

主人公は公輝(ハムテル)と、シベリアンハスキーのチョビ(女の子)。ふたりの出会いは高校時代の帰宅時にH大獣医学部を通った時。とある教授からなかばチョビを押し付けられる形で始まりました。
その時一緒に居たのは公輝の腐れ縁の友人、二階堂。そしてその教授からハムテルは「君は将来獣医になる!」と予言されます。予言通り?というか、ペットの診察代がかからないという理由で獣医学部へ進学したハムテル。そしてくっついてきた二階堂。そこへ待っていたのはチョビを押し付け…いや、出会わせてくれた漆原教授でした。

彼以外にも個性豊かな教授や先輩、そして動物達に囲まれて楽しくも刺激的な学生生活が始まります。
研修中に豚に餌をやるアドバイスをくれたのは、同じ獣医学部の院生、菱沼聖子でした。彼女は公衆衛生学講座で研究しており、美人で頭もよく運もよく特許レベルの菌も発見するほどの優秀な女性。しかしとてもとろい。動きも頭の回転もとろくて口喧嘩にならないと、ライバルにも呆れられています。
彼女は健診の採血で血が止まらないのに気づかずに、スプラッタ状態で校内を歩き回るなど常々奇行を繰り返します。しかしとてもオシャレでチャーミングで憎めない女性です。ある意味ヒロイン的存在です。
他にもいろいろなバイトを紹介してくれる清原や、潔癖症で漆原教授にモヤモヤイライラしてしまう菅原教授などが、ハムテル達の学生生活を彩ります。

個性豊かなのは学校の人たちだけではありません。ハムテルはチョビの他に、おばあさんのタカと、関西弁を喋るミケという猫と暮らしています。
タカは上品で厳しくてマイペース。「孫が獣医学部に入学した」と近所の人達に自慢したせいで自宅に動物を持ち込まれ、ハムテルが四苦八苦するなど割とトラブルメーカーな存在。だけど気が弱く優しいハムテルはいつも振り回されてしまいます。
ミケはチョビに「教育的指導!」といって、チョビの鼻をバシッと叩くなどスパルタな姉貴的存在。食い意地がはっていて残りの素麺を食べて、うんちに混ざり回虫騒ぎにもなりました。
ハムテル自身は今で言う振り回され系主人公で、いつも冷静沈着、合理的な性格。そんなハムテルに同情しながらもクスッと笑える日常がつまった珠玉の名作です。

失恋ショコラティエ
10

ドラマ化もされた失恋ショコラティエは漫画もとにかく面白い

ドラマ化もされた『失恋ショコラティエ』の原作漫画です。
「片思い」がテーマで様々なキャラクターの恋愛模様が複雑に絡み合っています。
主人公の小動爽太を軸にその周囲を囲む人々のラブストーリーが繰り広げられます。
登場人物たちはみんなが恋に一生懸命ですが、簡単には報われない切なさやもどかしさが描かれています。
物語の特徴としては、登場人物のほとんどが片思いをしています。
主人公である爽太は高校生の時に紗絵子という1つ年上の先輩に恋をします。
紗絵子を一途に想い続け付き合うことになりましたが、紗絵子には本命の彼が他にいました。
失意のどん底に落ちた爽太は、紗絵子が大好きなチョコレートを作るために単身フランスに飛びました。
数年後、フランスの有名店のショコラティエになった爽太は日本支店に勤めるため日本に戻ることになり、そこで紗絵子との再会を果たします。
紗絵子にお願いがあると言われ舞い上がる爽太。しかし、紗絵子のお願いとは結婚式のケーキを作ってほしいということでした。紗絵子は別の男性と婚約していたのです。
その話を聞いた友人のオリヴィエや同僚の薫子からはやめておけと言われますが、爽太は諦めないと決意しました。
人妻となった紗絵子、同僚の薫子、モデルのえれなの登場など、物語が進むたびにドロドロになっていく恋愛模様はとても面白く、続きが気になります。
何人もの気持ちが複雑に絡み合う、リアルな恋愛模様を描いた作品で、名言や教訓などが含まれる名作です。
また、作中に登場するショコラもとても魅力的です。ぜひショコラとともに読んでみてください。

mid90s ミッドナインティーズ
10

格好良いだけの映画ではない

格好良いストリートカルチャー映画は沢山あるが、この映画は現実を突きつけてくる映画だった。
努力ではどうしようも出来ない事、憧れと現実とのギャップ、周りの人と自分を比べて生まれる劣等感…それがまた美しく見える。
10代の頃に感じる、楽しいけど心に穴が開いている様な感覚を表現し、胸がぎゅっとする映画だった。
主人公の周りの行動や表情から伝わる心情も、「あー、あるよね。」と共感できる。
好きだからこそずっとこのままでいたい、だけどこのままでいる必要もない、この映画における主人公の立ち位置って苦しいよなぁ。
どちらに進んでも正解はないし、どちらに進んでも幸せだから。
ずっと映画を見ながらそう考えていた。だけど、この感覚は美しい感覚だなと感じた。
勿論、しっかりストリートカルチャーの格好良さも表現している。
フャッションや映像も格好良いが、何たって使われている音楽がとにかく最高。
90年代の雰囲気もしっかり出てて、タイトルがぴったりハマっていた。
後、主人公の仲間の1人、フォース・グレードが良い仕事をしている。それは、最後までこの映画を見ないと分からない事。
「男の子の友情映画」では片づけるのは勿体無さ過ぎる位、この映画は共感出来る所が沢山あるし、その美しさを体感して欲しい。

名探偵モンク
10

超型破りな名探偵シリーズ

2002年から始まったアメリカのテレビドラマシリーズ。
全8シーズンもある大作をご紹介したいと思います。
本作品は数あるミステリー系名探偵シリーズの中でも、かなりこじらせているキャラクターが登場する、1話完結のストーリーです。
ユーモアたっぷりの探偵シリーズで、謎解きを楽しみつつ、観られる1本です。
まず、主人公のモンクは天才私立探偵ですが、38もの恐怖症を患っています。
しかし、それをネガティブに捉えるのではなく、むしろコメディに落とし込んでいるところが、このドラマの設定の凄さかと思います。
そのモンクの傍らにアシスタントのシャローナ、2代目アシスタントのナタリーを置きつつ、モンクのキャラを理解してくれているサンフランシスコ市警察本部のスットルマイヤー警部、そのバディのディッシャー警部補など個性豊かなキャラクターたちと難事件を解決に導いていくのですが、モンクを支える周囲の人たちが温かいので、優しい気持ちで観られる安心感があります。
また、話数が100話以上あるのですが、まだ売れる前の女優『ジェニファー・ローレンス』や、アーティストの『スヌープ・ドッグ』が本人役で出ていたりと、「えー!!」と驚く話もあるので、海外ドラマが好きな方にはその驚きのキャスティングも併せて楽しめる作品になっていると思います。
今、日本ではDVDか、Amazonプライムで課金してレンタルすることでしか観ることができないのですが、いつかサブスクで楽しめる日が来たときには、多くの人が中毒になる作品かな、と思います。

HUNTER×HUNTER / ハンター×ハンター
10

他漫画にはないHUNTER×HUNTERのバトルシーンの魅力

大人気少年漫画「HUNTER×HUNTER」、この作品には他の漫画にはないバトルシーンの魅力があります。

1、念能力
この作品世界では、主に「念能力」を用いたバトルが繰り広げられます。この念能力こそがHUNTER×HUNTERにしかないバトルの面白さを引き出す要因となってます。
念能力には大きく分けて二つの要素があります。それが「オーラの総量」と「系統」です。
オーラの総量とは、念能力を使うために必要な「念」の総量のことで、車でいうとガソリンのようなものだとイメージしていただけるとわかりやすいです。
基本的には、このオーラの総量が多いほど念能力者として強いといえます。

では、念能力によるバトルの勝ち負けはオーラの総量だけで決まるのか。そう単純にはいきません。HUNTER×HUNTERにおけるバトルをより複雑に、より面白くしてるのが「系統」です。
念能力には6つの系統があります。
1、強化系:単純に己の肉体の力を向上させます(パンチの威力向上など)。
2、変化系 :オーラを別の何かに変化させます。例えば、オーラを電気に変換して戦ったりします。
3、放出系:オーラを放出して戦います。
4、具現化系:オーラを用いてイメージした物質を具現化して戦います。剣や鎖などです。
5、操作系:物や人を操って戦います。
6、特質系:上のどれにも当てはまらない力です。

この6つの系統があることで、オーラの総量を覆すようなバトルが起こります。
例えば、強化系対放出系のバトルであれば、遠距離から攻撃できる放出系が有利になる、などです。
この上記二つの要素から成る念能力という設定が、多くの名バトルを生むのです。

2、詳細な戦闘描写
では、実際に念能力によるバトルがどのように描写されているのでしょうか。
HUNTER×HUNTERのバトルシーンは、絵よりも文字の情報量が多いです。これこそがこの作品の一番の魅力であります。
作中では、登場人物が相手の念能力がどういったものであるのかを推し量りながら、互いに様々な戦術を立てて戦います。
この戦闘中の思考回路を、豊富なセリフ量によって余すことなく伝えてくれるのがこの作品の魅力です。
単純な力と力のぶつかり合いを、画力によって表現する。そんな漫画も悪くないですが、力×戦略のぶつかり合いを豊富なセリフで表現するHUNTER×HUNTERのバトルシーンには、他の作品にはない読み応えがあります。

上記の通り、念能力という設定と、豊富なセリフによる描写がHUNTER×HUNTERのバトルシーンの魅力です。
是非一度読んでみて欲しいです。

はじめの一歩 / Hajime no Ippo
10

面白いマンガ

もともとこの手のボクシング漫画には興味もなかったのですが、読み始めるとボクシングの面白さがわかってきました。しかしながら、途中から面白さの視点が変わってきました。テニスの王子さまのように途中から必殺技のネタが尽きてしまったのかSFみたいになっていき、ありえないスピードやカウンターはまだしもぺちっと殴るパンチを積みかさねて知らない間に大ダメージを追っているなどめちゃくちゃな話もあったり、最近だと主人公がボクシングを引退してしまったり、逮捕疑惑があったりなど、もはや迷子のような状態です。しまいには永遠のライバルとの対決がいつまでたってもかなわないなど、じらしまくっているこの作品ですが、それでも特に男子にとっては強い男とは…のような夢を持たせてくれる漫画かなと思っています。主人公のライバル「宮田一郎」はいい具合に中二心をくすぐってくれるセリフや必殺技を持っていますし、それと対決する主人公のパワーボクシング!と想像を膨らませていくと読んでいて非常にドキドキさせてくれます。
それ以外でもところどころに出現するかわいい女の子との恋愛要素も含んであり、主人公の青春のようなものも描いています。あえて言うならライバルとの対決をじらしすぎではないか…とも思いますが…