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konnichiwawawa2009のレビュー・評価・感想

CROSS†CHANNEL
10

・今、疲れていませんか? 人間をテーマにした神ゲーム

これは、【人間】をテーマにしたゲームです。
本作は、『人類は衰退しました』、『Rewrite』(key,共著)、『AURAアウラ魔竜院光牙最後の闘い』で有名な人気ライトノベル作家・田中ロミオさんがシナリオを担当した作品です。しかも、これがデビュー作であったこともあり、「こんなすごい作品を作れる人って、一体何者?」と、当時かなり話題にあがりました。また、人気シナリオライターで、現在もFateシリーズで一世を風靡した作家”奈須きのこ”さんが、本作を”絶対に超えられない壁として君臨する作品”と評したことでも有名な作品です。
美しいBGMに緻密に練られた設定。何より、現実世界にいそうなリアルな登場人物たち。序盤は、登場人物たちのドタバタと楽しい物語が進みます。でも、物語の中盤から、「これ、自分にも起こりえる」と感じる、そんな出来事が発生します。それこそ、他人や何かに依存しすぎたり、逆に距離を取ったり、人の悪意に過剰に怯えたり、何の興味を失ったり、癇癪を起したり、などなど。
本作の特徴は、登場人物それぞれ抱える悩みがとてもリアルな事です。
【悪意の人が怖い】や【捨てられるのが怖い】、【人と違うのが嫌】や【空気を読めないのが許せない】など。一見しただけでは何がおかしいのか、「これ、普通」だと、「意味が分からない」と感じることでしょう。でも、ループを繰り返す毎に、次第にその意味が分かり、他人事に見えなくなってきます。これ、自分にも経験がある。そんな大小かからず、ある人の歪み。登場人物たちもそれは自覚しつつ、ある人はそこから目を背け、またある人はそれでも前を向こうとする。
そんな誰もが持ち得る『心の歪み』(個性)に四苦八苦しながら、少しずつでも向き合う姿勢に励まされるそんな作品です。
本作は、そんな『人間』をテーマに、【それでも生きていく】ことを、できるだけわかりやすく、ストレートに伝えてくれる作品です。少し文章が独特ですが、『ノーゲーム・ノーライフ』などのライトノベル作品が好きな人は、すぐ気にならなくなるのではないのでしょうか。特に『俺ガイル』や『青ブタ』など、【人間関係】をテーマにした作品が好きな人には、必ず楽しめる作品だと思います。
現在では、PS2、PS3、PSP、PS vita、Nintendo switch、xbox360など様々な機種に移植され、プレイすることができます。2014年、Windows完全版『CROSS†CHANNEL-FINAL COMPLETE-』が発売されているので、そちらをプレイするのもありです。
【皆さん、ゲームしてますか?】

白い恋人たち(映画)
7

1968年冬季オリンピックを描いた絶妙の映像詩・『白い恋人たち』

『白い恋人たち』は、1968年のフランス・グルノーブルでの冬季オリンピックの情景をクロード・ルルーシュ監督が詩的に切り取って編集した記録映画です。同年に日本でも公開されています。仏語の原題は「13 Jours en France」です。これは「フランスでの13日間」を意味します。
映画音楽を手がけたのはフランシス・レイ。ルルーシュの映像に負けず劣らず、こちらも詩的で(若干メロウでしかもセンチメンタルで)、映画全編を通してリフレインで奏でられています。映画への挿入歌は、ルルーシュの作品『男と女』の主題歌を歌ったピエール・バルーとニコール・クロワジールによる歌唱で、フランシス・レイのメインテーマと絶妙のマッチングの粋を醸し出しています。
撮影には約20名の関係者と約60台のカメラが動員されて、90000万フィート以上のフィルムが消費されたとのことです。映像で特筆すべきは、有名なスキーカメラマンのウィリー・ボーグナーがカメラを持ってストックは持たずに観桜競技の選手の後を追って高速で滑りながら撮影した場面で、観客は迫力のある映像に驚かされました。
冬季オリンピックと同年の5月にはパリで世に言うところの5月革命が勃発してカンヌ映画祭が中止されて、上映されるはずだった『白い恋人たち』は日の目を見ませんでした。それから40年後のカンヌ映画祭(2008年)のクラシック部門のオープニングで上映されたという所以があります。

ミニオンズ / Minions
7

アゲアゲパフォーマンスで盛り上がろう!映画「ミニオンズ」レビュー

スタイリッシュな音楽を聴きながら、テンションを上げたい。映画も観たい。そんな忙しい学生さんや、社会人の方にピッタリなのが、イルミネーションプレゼンツの「ミニオンズ」。
ピエール・コフィン、カイル・バルダ監督「怪盗グルーの月泥棒」シリーズのサブキャラクター、ミニオンズの一員「ケビン」「スチュアート」「ボブ」の三人が、自分たちのボスを求めて旅に出るのですが、そこには予想不可能なはちゃめちゃな展開が待ち受けていました!
本編の「怪盗グルーシリーズ」と同様、小粋なBGM、カラフルなアニメーションに心を奪われます。なによりミニオンズ達がとってもかわいい!黄色いボディを揺らして「バナナ~!」と踊り合う姿に、日ごろの疲れを吹き飛ばされます。正に南国気分。
本シリーズの主人公グルーとミニオンズの出会いも、物語に不都合がないようしっかりと描かれていて、本編「怪盗グルー」を知らない人でも、きちんと楽しめる内容になっています。シリーズのスピンオフとして申し分ない、愛に溢れた作品です。
難点を挙げるとするなら、脚本が全体的に浅いところ。子供向けに作られているので、深いテーマや印象的なセリフは、殆どありません。疲れた時に笑って楽しむ、家族と一緒に観るには丁度いいファミリー映画だと思います。
特に本作では、ミニオンズの命を狙うマッドサイエンティストのスカーレット役を務めた女優、天海祐希さんの演技にも注目したいです。野望溢れるウーマン・ヴィランとして、大胆にコンダクトを振りかざすようなコミカルな演技を本作で連発させています。
ユニバーサルスタジオジャパンの人気キャラであり、様々なコラボグッズが販売されているバナナの妖精、ミニオンズ。お子さんにも、大人にも、年齢層が高い方にも大うけすること間違いなし。360度、どこから見てもハッピーなこの映画に、あなたもきっと笑顔にさせられているはず。

咲-Saki-
9

変わった能力系麻雀アニメ

小林立氏が描く、麻雀が競技として確立されている世界で奮闘する少女達を描いた作品です。
この作品が他の麻雀アニメ漫画と一線を画す所は、なんといっても「雑魚キャラがいない」ところだと思います。
キャラクター個々は特徴的なオカルトじみた能力を所持していて、その能力を駆使して強敵と戦っていくアニメなのですが、強力な能力がないものの単純なスキルや経験で立ち向かうキャラクター達も存在します。
そのキャラクター達は数十人にもなるのにもかかわらず、影が薄いキャラクターがほぼ存在しません。
どのキャラクターにも過去があり、そして未来に向けて同じチームメンバーとそれぞれの思いを背負って卓に座ります。
主人公率いる清澄高校を応援したくなるのは当たり前ですが、それぞれが大会に至るまでの過程や過去などを回想でしっかりと描写しているため、どのキャラクターに対しても愛着が湧き、応援したくなります。
もちろん麻雀の内容も超本格的で、現実世界ではありえないような配牌や流れ、簡単に役満が上がられる等、麻雀を知らない人でも楽しめるし、麻雀を始めるきっかけになったアニメとしてこの作品を挙げる人も少なくはないでしょう。

BALLAD 名もなき恋のうた
9

原作とは別物。でも素晴らしい。

本作品は、「映画クレヨンしんちゃん 嵐をよ呼ぶアッパレ!戦国大合戦」を原作とした実写映画です。
が、おバカでかわいい幼稚園児は出てきません。家臣(草彅剛)と一国の姫(新垣結衣)の、恋の物語です。
なんせ…なんせ新垣結衣さんがかわいいです。気の強い姫様役、ため息が出ます。
そんな姫様に恋心を抱く、侍大将役の草彅剛さん。姫様と随分歳が違うような…という違和感はあるものの、原作でも「歳の割に老け顔」と称される役なので、そこは飲み込んで進みます。
ストーリーは、一国の姫様(新垣結衣)と、家臣・又兵衛(草彅剛)。お互いに恋心を抱いている。姫は恋心を隠さないが、家臣は身分を気にして恋心を隠し姫を諫めている。そんな日々。
ある日、隣国の悪名高い殿・高寅(大沢たかお)が姫を嫁に取りたいと申し出てくる。さて、姫と家臣の恋はどうなるのかーー。
見所はクライマックス。高寅の縁談を断り、戦に発展するも、又兵衛の奇襲によって高寅の首は目前。又兵衛と高寅の一騎討ち。国と国の領地争いとみせかけて、実はオンナをかけた戦い。
一騎討ちの最中、高寅からは本音が溢れ出し、又兵衛は建前を口にする。こんな命の瀬戸際でも、身分の差が出るのかーーコントラスト光る、グッとくる良いシーンです。