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gonzosan-0313のレビュー・評価・感想

コーダ あいのうた
9

いろんな「面白い!」を凝縮した作品

タイトルから既に、深く心打つであろうことは予測される作品。それゆえに敬遠したくなる気持ちも湧くが、実際に観たところ、期待以上の仕上がりであった。

主人公のルビーは、自身は何の障害もないが、自分を除く家族全員が聴覚障害を持ち手話でコミュニケーションを取る。いわゆるコーダ、Children Of Deaf Adultである。物語は、ルビーが家族の理解を得て歌への道を切り拓けるかどうか、その過程の苦心と葛藤を描いていたものである。この作品を支える面白さにはいくつもの要素があるが、代表的と考えられるものを3つあげてみよう。

ひとつは、家業が漁師であること。家族で早朝から船を出し、網を引き、かかった魚の頭を1匹ずつ潰していく。ルビーは爆音で好きなポップスを流して大声で歌うが、同乗している父と兄は聾者なのでおかまいなし。3人は手話でコミュニケーションを取りながら、コツコツと作業を進めていく。日々の生活のどうにも逃げようのないリアルさ・生々しさが冒頭に描かれることで、この作品のフレームが、人間が否が応でも生きなくてはならない世界であることが突きつけられる。

もうひとつは、家族で使われる手話。これが熱い。感情をぶつけあい、下品なジョークを言い合い、わがままを投げつけ合う。手話を扱う聾者のイメージはどうも控えめな印象があったが、それが完全に覆された。海の男たちは荒っぽくて粗野だし、母は娘に対して支配的で時に過干渉でヒステリック。ある意味どこにでもある家族像ではあるのだが、それらが手話で行為されることですさまじく新鮮に映る。タンカを切る動きも表情豊かで格好良い。

そして外してならないのは歌の要素。ルビー演じるエミリア・ジョーンズの伸びやかな歌声は、もっと聞きたい、ずっと聞いていたいと思わせる。その分、映画後半で聾者主観の世界に音声が切り替わり、ルビーの歌が聴こえない場面があるのだが、そのときのショックは大きい。父は、娘が、自分たち聾者が全くわからない歌を楽しみ、評価されているのを目の当たりにする。「俺たち聾者はお荷物だとバカにされている」と世をすねていたが、娘をどうにかして理解したいという強い衝動から、大きな一歩を踏み出すことになる。

最終的に主人公が救われて歌への道が拓かれるのはわかっているのだが、家族の理解を得ることが必須で、その困難さをどう乗り越えるかが観客としては未知の経験であり、作品を観続けたいと思わせるトリガーとなった。

障害者が描かれるとき、どうしても教条的になりがちだが、そんなことは一切ない。優しい目線でありながら、容赦ないエンタメ作品に仕上げられていた。一見の価値は間違いなくある。

サプライズ
5

ワクワクした。

家族やその彼女が集まった家に襲撃者がやってきたから、これからただただ理不尽な殺戮が繰り返されたらやだなと思っていたら、エリンが復讐しだしたので、こりゃあいいやとなりました。たしかに相手の方が人数が多いし、1人で戦うのも初めてっぽくて、ちょくちょく失敗するのですが、それがいいです。がんばれと応援したくなっちゃいます。なんかファニーゲームとかただただ殺される、ひどい目にあうみたいなジャンルの映画もありますが、私は本作のような展開もほうが好きだなあと思いました。
でも、ホラーとしてもきちんと成立していて、血も流れまくっててよかったです。襲撃者のマスクもなんか怖いのか怖くないのか微妙なラインなのがよかったです。最終的にはエリンは何を使って、こいつらに攻撃するのだろうとワクワクしながら見れました。まあ、彼らが襲ってきた理由も一応オチがあるし、それはそこまでびっくりというものではなかったですが、サスペンスものではないので、それはそれでOKです。エリン役の役者さんは、なんかか弱そうにみえなくもないけど、よく見るとキリっとしていて強いかもと思わせてくれる感じです。もちろん屈強な男が戦う話も大好きですが、女の子がってのが萌えちゃいます。

グラップラー刃牙 / Baki the Grappler / Grappler Baki
10

格闘好きな人におすすめの漫画

とにかく主人公、範馬刃牙の父親である範馬勇次郎がかっこよすぎます。男として誰もが一度は夢見る最強という名の称号を求め、幅広い格闘技をとり入れ熱い戦いを繰り広げられる漫画は、このグラップラー刃牙以外にはありえません。
格闘技をモチーフにした漫画の多くは形だけの中身の薄いものが多いですが、このグラップラー刃牙においては格闘技アマチュアの方からプロの方まで、誰もが読んで楽しめる作品だと思います。
幼少期の頃から成人に至るまでの刃牙の成長ぶりを、格闘要素を取り入れながらわかりやすく説明していますので途中で見飽きることも無く、面白さも満点だと思います。成人になった範馬刃牙の強さは誰も手が付けられないレベルに成長しましたが、それでもなお父親であり世界最強とまで言われる範馬勇次郎の強さを超えられないところが、この作品が長きに渡り多くのファンに愛読され続けた理由ではないでしょうか?
読んでいく内に毒手の使い手や罪人など、強ければ何でもありな挑戦者達が刃牙の前に立ちふさがる点も「次はどんな強者が出てくるのだろうか?」といったような読者に期待感を与える大きな要素になっていると思います。
子供から大人まで格闘技ファンの方々はぜひ一度、読んでみられることをお勧めします。

〈物語〉シリーズ / 物語シリーズ / 化物語シリーズ / Monogatari series
8

西尾維新の最高傑作アニメ

主役は男子高校生で、その周りを固める脇役はほぼ可愛い女の子達。全員個性的で、必ず好きになるキャラができます。ストーリーは男子高校生が怪異(吸血鬼)と出会って始まります。吸血鬼と対峙してから、色んな怪異と遭遇してしまう主人公は、怪異に取り憑かれた友人達を助けながら、人として向き合って恋をし大人の男性へと成長していきます。周りを固めるキャラは、優等生、幼児、ツンデレ、ぶりっこ、BL好きなど可愛い女の子達で溢れています。各キャラも悩みを抱え苦しんでいて、その心の隙間に怪異が取り憑いてしまいます。男子高校生と共に怪異退治をするのですが、心の葛藤が剥き出しになるので、彼女達の悩みへのせつない思いが伝わります。それが愛おしく、視聴者もどんどん物語シリーズに取り憑かれます。ネタバレになりますが、一人のキャラの話は、体の重みがなくなる(体重が軽くなる)怪異に憑かれ、重みがないので風に吹かれて落ちた所を主人公に受け止めてもらいます。憑いた怪異を退治するために、怪異専門家と怪異と向き合い、重みがなくなった原因を探ります。すると、重みとは彼女の思い(重い)を表しており、彼女が母親に失望し諦めて思い(重み)を捨ててしまったという悲しい背景にあるとわかります。そして心に閉まっていた傷をさらし受け入れることで前を向き成長します。この件をきっかけに主人公の彼女になります。他にも可愛いキャラ達のそれぞれの心の内が描かれていて、ずっと見続けたいおすすめアニメです。原作のライトノベルよりアニメの方が感情移入しやすいでしょう。

ゴジラ(1954年の映画) / Godzilla (1954 film)
10

ゴジラ

ゴジラというタイトルを見て当時の映画ファンは、どのような映画を想像しただろうか。前宣伝では未知の怪獣が出てくる空想科学映画という事は聞いてはいたであろうが、実際に観てみるまではキングコングの亜流程度と思っていたのではないか。公開されて目の当たりにし、そのすごさに圧倒された者は多いと思う。
アメリカの水爆実験の成功から数年後、太平洋を行く船が突然何かに襲われ沈没する事件が頻発した。また、日本のある島が巨大な何かに襲われ壊滅した。その島に調査団が派遣され、眼前に巨大な怪獣が姿を現した。這々の体で逃げ帰った調査団はさつそく会議を開き対策を協議し、怪獣の名前をゴジラと付けた。やがてゴジラが東京湾に現れ品川に上陸する。自衛隊の奮闘も甲斐なく、品川駅付近一帯を破壊してゴジラは一旦海に消えた。しかしまたいずれ姿を現さないとも限らないので一層の対策が急がれるのだが…。
監督は本多猪四郎、特撮は円谷英二、音楽は伊福部昭、主演は宝田明・河内桃子・平田明彦。
この作品は日本はおろか世界中でヒットして衝撃を与えた。ゴジラの名前は世界中に轟き、シン・ゴジラなど、いまだにシリーズが作られている。ハリウッドでもゴジラの映画は作られメガヒットを記録している。
最後に世界初のスーツアクター・中島春雄さんにありがとうの言葉を送りたい。

アイドルマスター シンデレラガールズ / THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS / デレマス
2

アニメのアイドルマスターシンデレラガールズがひどすぎる

7年前からmobageのアイドルマスターシンデレラガールズをプレイしている。大好きなコンテンツの1つだ。そんなシンデレラガールズの単独ライブが行われたのは2014年の4月。心を躍らせながら身に入った覚えがある。そのライブの最中衝撃の出来事が起こった。アイドルマスターシンデレラガールズのアニメ化発表である。アニメの発表はとても嬉しかった。何より今まで愛してきたキャラクターが動いて喋ってくれるのだ。
キービジュアルが発表され、予告のMVが公開され、アニメの放送日を今か今かと待ち続けた。そしてついに2015年1月、アニメは放送された。結論から言うとそのアニメは自分の理想と大きくかけ離れていた。ゲームでは自分のプロダクションを作り自分だけのユニットを作っていくというのが魅力のコンテンツだったはずなのに、アニメでは突然プロダクション名が決められ、知らない男性キャラがアイドルのプロデューサーを務めた。物語の進行上そこは仕方ないと自分を納得させたが、回を重ねるほどにシナリオに違和感を感じるようになった。何よりも違和感があったのはアイドルがアニメオリジナルのユニットメンバーを結成し、そのユニットに縛り付けられるかのように行動していたことである。アイドル達はユニットに固執し、個性を伸ばすどころかそのユニットに合わせて自分の強みを活かすことを我慢しているアイドルもいた。組んだユニットメンバーとウマが合わず、喧嘩ばかりしている描写は特に不快だった。そのユニットで活動する良さが描かれることは特になく物語は進行し、自分がゲームで愛したキャラクターはユニットにしばりつけられ脚本の都合の良いように性格を歪められ、アイドルとしての強みを伸ばせず中途半端ばアイドルになり下がったように感じた。
いままでゲームで積み重ねてきたアイドルの歴史が塗りかえられ、アニメという大きな影響力を持ったコンテンツの力により、アイドルの個性は死んだ。見ていてとてもつらかった。アイドル島村卯月の成長物語の中で犠牲になったアイドルが数多くおり、そのアイドルを心から愛していたプレイヤー、プロデューサーの気持ちを踏みにじるような作品だと感じた。アニメ脚本化がゲームをプレイしていないのではないかと疑ったほどだ。自分はこのアニメを今後も受け入れることができないだろう。