fuka1011@fuka1011

fuka1011
fuka1011
@fuka1011
25 Articles
7 Reviews
0 Contributions
0 Likes
fuka1011

fuka1011のレビュー・評価・感想

思い出のマーニー / When Marnie Was There
7

異質の

ジブリの中で異質の作品ですが、思った以上に面白かったです。
何が異質って、まず、主人公がやなやつです。
やなやつっていうのは、ひどいですが、普通の思春期の女の子って感じで、扱いにくく、人に対して態度をよくする余裕もなく、ジブリの女の子のような強さがないかんじでした。
そこが共感がもてました。
私は、思春期をこじらせている女なので、いまでもときたま親に嫌な態度をしたり、ひねくれてしまいますし、思春期にはもっとひどかったと思います。
だから、親戚の家に預けられて、そこの近所の子にいろいろ追われて、仲良くしようとしてくれてるのに、うっとうしいとか思う気持ちがよくわかります。
でも、ひどいと思いますけど。あんなこと言われたのに、そんなに怒らない、あの太い女の子はだいぶさっぱりしたいい子だと思いました。
来年は仲良くしてねと思いました。
マーニーと会うシーンはどこも幻想的で、きっとこの子は今の子じゃないというのはわかりましたが、どういう子なのか幽霊なのか、過去の子で生きているのかとかは、だんだんと解き明かされる感じでよかったです。
百合的要素というのは、ちょっとわかりませんが、まあ外国の子だし、そうじゃなくても、若い女の子って疑似恋愛的なふれあいとかを求めるのかもなあと思いました。
私はそういうことができなかったので、大きくなるまで、スキンシップってあまりしなかったけど、お母さんに抱きしめられたりするのとおんなじで、人と抱きしめあうのって安心できるし、主人公は家族と離れてた子だし、マーニーも寂しい子だったから、二人で一緒にいて、触れ合うことが必要だったのかなと思います。
恋愛とかそんなふうには感じませんでした。

ピアノの森 -The perfect world of KAI- / Forest of Piano / Piano no Mori: The Perfect World of Kai
9

ピアニストはアスリート⁈

アニメ版『ピアノの森』は、音楽をやってる方、音楽をやったことがない方関係なくみんなが楽しめるお話です。このアニメは『ピアニスト=アスリート』と思える程、世界で活躍する音楽家の精神的、肉体的なタフさをリアルに教えてくれます。主人公のカイは生まれ持ったピアノの才能一つで、過酷な境遇の中世界に羽ばたいていきます。それも全ては自分の才能を見つけてくれた恩師のため…。もちろん才能だけでなく、並々ならぬ努力で世界に出ていくのですが、生来楽天的なカイの性格でど根性論ではないストーリーとなっており、令和を生きる私たちにも見やすいアニメです。カイのお母さんのレイちゃんも心からカイを愛し、常に応援し続けます。そんな2人の関係性には心にジーンとくるものがあります。
カイがピアニストとなる成長過程で出会う人々それぞれに壮絶なストーリーがあり、試練や苦悩を乗り越えて成長していきます。生い立ちや性格が全然違うタイプのキャラクターが何人も出てくるので、自分と重なる部分があるキャラクターを見つけることができるのではないでしょうか。恩師となる先生、カイの才能に嫉妬する親友、コンクールで出会うライバル達が、それぞれの過去や現在と向き合う姿から勇気と希望を貰える気がします。
このアニメは、目標に向かって頑張っている方、何か夢中になるものを探している方に超オススメです!

メガロボクス
9

昭和アニメファンに観てほしい!あしたのジョー50周年作品『メガロボクス』

【あらすじ】
生きるために八百長で日銭を稼ぐ八百長トレーナー「南部贋作」とパートナーを組むリングネーム「ジャンクドッグ」は、八百長ばかりでやりきれない気分の中バイクを走らせ、雨の中夜の街でメガロボクスチャンピオン「ユーリ」と運命的な出会いをする。
白都コンツェルンが主催するメガロボクシングトーナメント『メガロマニア』の頂点に立つユーリは、彼の秘めた闘志と自身の誇りを胸に、後日彼の闘技場に乗り込み拳を交え叩きのめす。
「自分はまだ、何もやりきっていない」成す術のない「ジャンクドッグ」の中に湧き上がる”高み”への闘争本能。そしてリングからの去り際、彼へ放ったユーリの一言「オレのリングに上がってこい」。
その時、彼の泥濘とした日々は新たに動き出し、パートナー「南部贋作」や周りの人間を巻き込み、新たなリングネーム「ジョー」として大きく動き出す。

昭和43年に一時社会現象まで巻き起こしたボクシングマンガの残熱が、現代のクリエイターの精緻な技術によって全く新たなアニメ作品として息を吹き返した!
昭和の巨匠・梶原一騎 、ちばてつやが手掛けた名作『あしたのジョー』の50周年を記念して製作された完全新作アニメーション『メガロボクス』は、AI・メカトロニクス技術が発達した近未来都市で開発された新たな競技「メガロボクシング」を舞台に、都市での市民権を持たない”未認可地区”の八百長ボクサー「ジョー」とメガロボクシング界最強の男「ユーリ」との対決をメインに描いた新機軸のボクシングアニメ。
ちばてつや作品、あしたのジョーに親しんだ方ならキャラクター、鉛筆画を思わせる作画の描写、女っ気のない渋い男たち(笑)にしびれること間違いなしの渾身の12話となっています!
あしたのジョーにしびれた男たち、日々日常と戦い続けるすべての人に一度は観てほしい!
おすすめです!

A.I.
5

映画「A.I.」を観て感じたこと

ストーリー自体はありがちなものですが、近未来のAIというテーマが新鮮味を感じさせてくれます。
失った子どもの代わりに最新型の子どもロボットを葛藤の末に受け入れたものの、本物の子どもが奇跡的に回復し戻ってくるという話です。当然問題が起こり、ロボットである子どものデイビッドは森に捨てられてしまいます。この辺りの展開は、現実の世界でも大きな問題となっているペットの置き去りとよく似ています。人間の見勝手さに、思わずため息をつきたくなる展開です。この映画の世界では、ロボットはおしなべて迫害されています。人間たちはまるで狩りや処刑を楽しむかのように、ロボットたちを殺害しています。そんな過酷な状況の中、捨てられたデイビッドは、他のロボットたちや、クマのぬいぐるみのロボットであるテディと励ましあいながら何とか逃げ切り、「本物の人間の子どもになりたい」という希望を持つようになります。ピノキオに出てくる妖精に頼めば人間にしてもらえると、必死で妖精にたどり着こうとします。デイビッドは元々、引き取り先の親を愛するようにプログラムされたロボットです。しかし、必死に母親の愛情を求める姿は、人間の子どもそのもの。自分のエゴや都合でロボットを捨てたり、虐殺している人間の姿は、まさに怪物そのもの。AIという技術発展の先に何が待ち受けているのか、複雑な思いをさせられる映画です。

ぼくのなつやすみ2 海の冒険篇
8

大人になった今だからこそ楽しめる「夏休み」

小学校3年生の「ぼく」となり、夏休みのひとときを海辺の町で過ごす物語。
虫取りをして昆虫採集をしてみたり、町の子供と一緒に採った虫で虫相撲で勝負をしたり。海では釣りをする事はもちろん、潜って泳いでみたり等何をするのも自分次第。自転車で走り回って探検をする一日もあれば何もしない一日もあり。そんなとても自由で素敵な夏休みを体験できるゲームです。自由度の高い操作性と懐かしい雰囲気の漂うグラフィック、ほのぼの系のBGMでのんびり楽しみたいという人にはもってこいのゲームだと思います。またこれだけ自由度が高い上にやり込み要素や隠し要素が満載な内容であるため、じっくりとゲームをやり込みたいという方も満足できるのではないかなと思います。
ほのぼのとした雰囲気のゲームでありながら中身のストーリーはしっかりしており、登場する人物に話しかける時間帯やタイミング次第では内容に変化が生じたりなどの細やかさがあり、楽しいイベントが起こる日もあれば悲しいお別れがあったりなどの非常に心に沁みるようなストーリーも組み込まれていてとても深い作品です。大人になってからプレイするからこそこの「夏休み」を楽しむことができる、とてもオススメしたい作品です。

野宮真貴
10

お洒落でエレガントな渋谷系の歌姫。

「東京は夜の七時」などのヒットナンバーを持つ90年代に活躍したバンド、ピチカート・ファイヴの元メンバーで、ソロアーティストとして活動しています。
ピチカート・ファイヴ時代からヴォーカリストとしてキュートな歌声に定評がありましたが、ソロ活動でも素敵な歌声を聴かせてくれています。ピチカート・ファイヴといえば渋谷系と呼ばれる音楽の代表格ですが、その渋谷系のヒットナンバーをカバーしたアルバムを多数リリースしています。ピチカート・ファイヴの楽曲のセルフカバーも新たなアレンジで収録されています。また横山剣さんや渡辺満里奈さんなど、多様なジャンルのミュージシャンとコラボレーションした楽曲も歌っています。
とてもお洒落で休日に流したい音楽と歌声で、年代を問わずにオススメします。カバーアルバムにはいろいろな曲が収録されているので、渋谷系のことを知らない方でも聴けば知っている曲があると思います。
ポップでキュートな曲から、大人のエレガントさを感じられる曲まで自由自在に歌いこなすボーカルにきっと魅了されると思います。また、その独自のファッションが注目されることも多く、ジャケット写真のお洒落なセンスにも注目してほしいと思います。

千と千尋の神隠し / Spirited Away
8

無限の可能性な作品

ジブリの最高傑作とする人も多く、海外の多くの国でも絶賛された、テーマ性が光る、日本文化の粋を究めた集大成と言える日本アニメの至宝。
特に子供達への道徳授業はこの一本で足りるかも知れないと思わせる。「自然に気付かせる訓話」の幕の内弁当だ。食べる為には働くこと、間違いは認めて謝ること、人を色眼鏡で見ないこと、自分が周囲に対して出来ることは惜しまぬこと、自然を守るのは人間の為になること、人の言葉に安易に流されずに自分で考えること、子供への過ぎた干渉は成長を阻害すること、相手の立場や真意を慮ることがコミュニケーションの基本であること等々、挙げ出せば本当にキリがない。
日本人の勤労意識や自律心を、日本版「不思議の国のアリス」とも言える女の子の冒険ストーリーに綴り、日本的かつ無国籍な幻想的空間を舞台に、美しく躍動的なアニメーションを以て、薫り豊かな音楽に乗せて奏でる本作。もはや未来に遺すべき芸術作品だ。
人として社会と関わるからには決して逃れられない基本姿勢を、僅か二時間で親子一緒に愉しく学べるのだ。幾らディズニーアニメが素晴らしくとも日本アニメに届かないのは、そのメッセージの多様さと大人にも通じる普遍的な深みにある。
本作は「風の谷のナウシカ」や「もののけ姫」の様な自然科学や文明論的な社会テーマ性は弱く見える。でも本作の真意は人文科学的な人間行動学の啓蒙にある。
人と自然に対して大いなる愛を持ち、勇気を持って行動する人は、周囲を変え、運命をも変える。この発想は実は日本人には当たり前だが、絶対的な神に運命を委ねる教えの中で育ってきた国や地域の人々にはとても新鮮なのだろう。「善き行動が善き社会を創る」此れこそ真に日本アニメの歴史的名作と確信する由縁である。
世界が宮崎駿に感動し感謝するなど、誰が予想できただろうか?想像力は無限の可能性を秘めていると感じられる名作だ。