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aurora4minのレビュー・評価・感想

夏目友人帳 / Natsume's Book of Friends / 夏友帳
10

心温まる妖怪との日常

私はあまりアニメに興味を持たずに学生時代を過ごしていました。
大学生になり、知人からおすすめされて見たのが夏目友人帳です。
このアニメは、妖怪が見える男子高校生夏目貴志君が主人公の作品です。
主人公の亡くなった祖母レイコも妖怪が見えていました。
祖母が妖怪を子分とする証に名前を書かせた「友人帳」を貴志が受け継ぎ、妖怪たちに名前を返す日常の物語です。
ある日神社から封印がとけた猫の妖怪「にゃんこ先生」が妖怪に名を返す貴志の用心棒として共に生活をしていました。
私はこの「にゃんこ先生」の魅力をたくさんの方に伝えたいです。
「にゃんこ先生」はとても食いしん坊で丸々とした猫で、たくさんお酒を飲むなど、おじさんを感じさせる一面もある可愛いキャラクターです。
ですが、可愛いだけじゃないのが魅力の1つです。
貴志の用心棒である「にゃんこ先生」の妖怪としての姿は力強くきれいです。
妖怪に名を返す貴志にとってとても心強く頼れる用心棒であるところがギャップとして魅力的に感じます。
そして、このアニメの魅力は1話完結型で気軽に見ることができるところです。
1話で内容を理解することが出来るのは初めてそのアニメを見る時にうれしい点だと思います。
妖怪だからこそ味わう辛さや、その気持ちに寄り添いながら送る貴志の日常は見ていて感動すると思います。
妖怪が見えることで邪険にされてきた貴志が見つけた幸せな日常と祖母の遺品の夏目友人帳の物語は毎話感動すること間違いありません。
実際にアニメで、それぞれの妖怪と貴志の日常を見て心温まる時間を過ごしてください。

天使にラブ・ソングを… / Sister Act
10

元気がない人へ

主人公のデロリスは不遇な人生を送ることとなりました。
夢に見た歌手は場末のショーガールとして過ごすこととなり、恋人はマフィアのボスであまつさえ自分は愛人枠。
さらには彼が人を殺すシーンを目撃して命を狙われてしまうという不幸に不幸を重ねていきます。
そんな中でもデロリスは必死に逞しく生き、逃げ込んだ先で自分の得意なことを生かし、周りの人もどんどん笑顔に変えていくのです。
その姿には勇気と元気を分けてもらえます。
また、作中の音楽がとにかく素晴らしいです。
聖歌を今風にアレンジした歌い方と、それぞれの役者さんの歌唱力が半端無いです。
気づいた時には一緒に歌い、音に乗って体を揺らし、笑顔になっています。
特に好きなのが「ヘイル・ホーリー・クイーン」です。
最初は厳かな雰囲気の中で聖歌が歌われ、綺麗な歌声にうっとりするのですが、
終わったと思いきや突然軽快なリズムでピアノが弾かれ、手拍子も響き渡ってワクワクしてきます。
あんまり好きじゃなかった聖歌がこんなに楽しくて素敵なものになるなんて驚きでした。
洋画なので吹き替えで見る方も多いと思いますが、ぜひ字幕で見ていただきたいです。
デロリス役の女優さんが、もともと歌手の方らしく、普通の台詞回しも素敵な声ですので聞いてみてください!

未知への飛行/フェイル・セイフ
8

偶発核戦争勃発の危機感をスリリングに描いた社会派ミステリー映画

『未知への飛行』は1964年に公開された米国の冷戦スリラー映画で、監督はシドニー・ルメット、原作はユージーン・バーディックとハーヴェイ・ホイーラーによる1962年発表の同名の小説です。
この映画は架空の核戦争の危機を描いています。
出演は主演のヘンリー・フォンダのほかに、ダン・オハイリー、ウォルター・マシュー、フランク・オヴァートン、ラリー・ハグマン、フリッツ・ウィーヴァー、ダナ・エルカー、ドム・デルイーズ、ソレル・ブーケ。
『未知への飛行』が取り扱っているのは、ソ連と米国の間の冷戦の緊張が偶発的な核戦争第一撃を引き起こすまでの過程です。
ソ連による核攻撃開始の誤報によって米国の爆撃機1編隊がモスクワ爆撃に向かうことになります。2000年に小説はテレビ版の作品としてリメイクされました。
リメイク版の主演はジョージ・クルーニー、リチャード・ドレイファス、ノア・ワイル。CBSでモノクロ版として放映されています。
米ソ間の冷戦が最盛期だった1960年代には偶発的な核戦争発生の危険性が指摘されていました。
この映画は、1962年10月のキューバ危機(キューバ島へのソ連製核ミサイルの持ち込みが原因となって発生した第三次世界大戦の危機)に触発されて書かれた原作を余すところなく映像化しています。
『12人の怒れる男』で裁判所室内でのドラマを密度濃く演出することで評価を得た社会派の監督シドニー・ルメットは偶発核戦争勃発寸前の米国大統領・政府高官らのやり取りをホワイトハウスの一室を舞台にして緊張感あふれるやり取りを監督しました。
渋い役者を揃えた配役もさることながら、ルメットの演出手腕が本作をして、類似の核戦争テーマの『博士の異常な愛情』(こちらの監督はスタンリー・キューブリック)のシニカルなブラックユーモアとは一線を画したシリアスドラマたらしめたと言えるでしょう。

未来日記
7

神の後継者達の狂気的な戦いがアツい!

原作・構成協力「えすのサカエ」先生 (少年エース連載/角川コミックス・エース刊)です。
コミックは12巻で完結しており、アニメも深夜枠で2013年に放送されていました。
クラスでも大人しく目立たない内に引き籠り気味の主人公と、そんな主人公に何故だか依存する可憐だが狂気を内包するヒロインの二人を軸に進んでいきます。主人公にストーカーのようにつきまとう我妻由乃(がさいゆの)ちゃんの重い愛情が最初は(ヤンデレいいなぁ…可愛いなぁ)と思いながら見進めていくうちに、話の展開が変わっていくのが今作の見どころですが、正直、序盤と終盤で別の作品にもできたんじゃないかというぐらい話の内容が変わってきます。
ここからはネタバレになります。
世界を支配する神の寿命が近づき、世界を継続する為に神の後継者を決めるゲームが開催され、後継者候補とされた12人の繰り広げる凄惨な戦いとそれぞれが抱えた深い闇、人間模様や次の展開が気になってどんどん見進めていける作品です。
もちろん主人公たちもその12人のうちに入っており戦いに巻き込まれていくのですが、それぞれ闇を抱えてる候補者の中でも、トップクラスに闇を抱えたヒロインが何故主人公に入れ込むのか徐々に明かされていく中、主人公も登場人物たちも狂気を帯びていく事になり、見る人はなぜかその狂気の虜になってしまいます。

太陽が見ている(かもしれないから)
10

切ない恋と成長を描く いくえみ綾の傑作漫画

『あなたのことはそれほど』や『G線上のあなたと私』などの人気ドラマの原作を手掛けた漫画家、いくえみ綾が2014年より少女漫画誌『Cookie』にて連載していた作品です。コミックスは8巻完結。
母と、母の恋人と暮らす主人公「岬」は、中学時代に仲良くなった「楡」と高校入学とともにシェアハウスを始めます。楡のかつての幼馴染「日帆」と再会したことで3人の関係は少しずつ変化し始め……。
高校生から大人に変わっていく3人の心情を丁寧に描写し、読む人の心を惹きつけます。特に、思春期特有の不満や孤独感がとてもリアルに表現されていて、読むと学生時代にタイムスリップしてしまうはず。複雑な家庭環境に翻弄されつつも、自分に、そして互いに向き合い成長する3人から最後まで目が離せません。
私は連載開始時は中学生でしたが、当時から年齢を重ねた今でも面白さが色あせることはありません。まさに子供から大人まで、広い年代の方が楽しめるところも魅力の1つです。
2部制に分かれている本作ですが、1部では一貫して「片思い」が描かれています。片思い特有の嫉妬や葛藤を抱える主人公の岬、そして日帆に共感すること間違いなし。片思いをしている方にはぜひ読んで、そして泣いてすっきりしてほしい作品です。

歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉
9

カジュアルな歌舞伎

歌舞伎には興味があるけど、言葉が分からない、舞台に行くと高い、と思っている方、まずはシネマ歌舞伎をご覧ください。
「歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉」は、言葉もストーリーも分かりやすく、アクション、演出はド派手。それでいて歌舞伎の見せ場はしっかり取り入れる、まさに入門にふさわしい演目です。
時は昔、大和政権が蝦夷討伐に坂上田村麻呂(中村勘九郎)を派遣する。蝦夷の長アテルイ(松本幸四郎)は恋人の高烏帽子(中村七之助)と共に大和の支配にあらがうが…、というストーリー。
この三人がとにかくカッコイイ!やり過ぎなほどにキメる、剣を交えて戦う、花道を猛スピードで駆け抜ける。舞台ではなかなか遠くて見る事のできない、役者さんの微妙な表情の違いや衣装のディテールまで鑑賞できるのは、シネマ歌舞伎ならではです。七之助さんの美しさは、もはや言葉もありません。全人類に知ってほしい美貌。二役やっていますが、声の使い分けも注目です。
メイキングを見ましたが、松本幸四郎さんが、実に生き生きと楽しそうに作っていらっしゃいました。ただ古典歌舞伎よりアクション、殺陣に力を入れているため運動量が比ではなく、開演当時はもちろん毎日この演目をこなしていたので、相当にしんどかったそうです。シネマ歌舞伎アテルイでは、その幸四郎さんの滝のような汗までしっかりとらえています。普通の映画より大分長いですが、ぜひぜひ一度ご鑑賞ください。

きっと、うまくいく / 3 Idiots
10

もっと早く出会いたかった。たくさんの人に見てほしい最高の映画です。

あっという間の3時間です!(長っ!と思うでしょうが本当にあっという間です。)
インド映画は初めて見ましたが、まんまとはまってしまいました(笑)。インドにおける暗い社会問題などが取り上げられているシーンがいくつもある為、考えさせられることがある反面、テンポ良く話が進んでいくので、暗い気持ちを引きずらずに見進めることができます。見終わるころには「最高の映画に出会えた!」としばらく余韻に浸りました。(音楽やダンスも何個か出てくるので繰り返し聞きたくなります。笑)
内容に関しては、親友3人で繰り広げる「インド最難関のエンジニアの大学」での生活のお話です。変わり者で頭の良いランチョーと、本当はカメラマンになりたいファルハーン、貧困に苦しみ信仰心の強いラージュー。3人VS大学の学長とのバトルがメインで話が展開されていきます。
私はランチョーの考え方が心に響きました。「ここでは、学問ではなく、『点の取り方』を教えている。この中に、『新しい知識が学べる!』と喜んだものはいるか?みんな、競争に夢中だ。」今、本当に自分の興味のあることを心から学べているのか、
それはただ点数を取るための勉強になっていないか、先生や親に気に入られるための答えを用意していないか、教科書やマニュアルの丸暗記ではないか。中学生だったころの私にこの映画を見せたいです。子どもが生まれたら必ず一緒に見たいと思っています。この作品は本当におすすめです。

Queen / クイーン
10

QueenⅡ side black

「ボヘミアン・ラプソディ」で再ブレイクしたQueen前期のアルバム「QueenⅡ」の第2面のside blackをおすすめします。これは、独立した曲を集めたものではなく、それぞれの曲がつながって一つの物語になっています。全体を通して転調、転調、転調の繰り返しで、非常にテクニカルな曲です。後期Queenの曲が比較的シンプルな曲が多くて、日本の会社のCMに使われているものと比べると一般受けはしないのですが、そして多くのQueen愛好家が、「QueenⅡ」のside blackを最高傑作のひとつに推しています。私自身も全く同じです。特に最高なのが、曲中盤の「The march of the black Queen」で全体としてダークな雰囲気ながらもどこか甘美で色気がある、悪に溺れる耽美的な感じになります。歌詞は、「あなたのためならどんな悪いことでもしましょう」という、悪の魅力いっぱいです。まさにフレディー・マーキュリーの才能がフルに発揮されています。北米の有名なインターネットサイト「Watchmojo」でQueenの名曲で裏No1の評価を勝ち取りました。この曲を聞かずにしてQueenは語れません。