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ashito-ichita

ashito-ichitaのレビュー・評価・感想

FLOWER FLOWER
10

FLOWER FLOWER

一度は聞いてほしいアーティスト、FLOWER FLOWER。
ボーカルのyuiは2004~2012年の期間ソロで活躍していたシンガーソングライターです。2014年からは、彼女自身が推薦したメンバーを交えて新たなバンド、FLOWER FLOWERを結成しました。
彼女の魅力といえば優しく心地よいハスキーな歌声と、心にストレートに刺さる歌詞にあると思います。また一度聞いてしまえば、思わず口ずさんでしまうメロディーセンスも素晴らしいです。
ソロの時の曲といえば、ロックな曲も数曲ありますが、どちらかというとポップな曲が多いです。しかしバンド“FLOWER FLOWER” になってからはロックな曲が多く、メロディーやリズムにおいても以前よりたくさんの“音”取り込んでいるので、より彼女の世界観が表現されている感じがします。歌詞についてもよりストレートに、力強くなっていて、一枚目のシングルの“宝物”の歌詞には衝撃を受けました。
私はFLOWER FLOWERを聴く際には、ぜひ歌詞と曲、両方に注目して聴いてほしいです。彼女のストレートな歌詞と独特な世界観を作り出すメロディーに、きっと心が癒されること間違いなしです。

波よ聞いてくれ
9

テンポ感と情報量の多さが群を抜いている

圧倒的な画力とサブカル的な魅力を誇る沙村広明による作品。
全盛期ほどの巧緻な筆運びでは無くなっているが、作画力が非常に高く、ナチュラルかつダイナミックな画角構成やカメラワークも手伝って、するすると読みすすめることができ、極めて充実した没入感を体験することができる。

氏の他の作品に顕著に散見するエログロ要素がこの作品ではほとんど顔を出さず、またマニアックな楽屋オチや安易な時事ネタに走ることもせず、己のセンスと膨大な知識のみで突っ走っているのも、この作品の持っている疾走感につながっている。
とはいえ、いわゆる「守り」に入った作品かといえばむしろその逆で、ストーリーは二転三転、膨張と収縮を繰り返しながらスラップスティックに展開する。
終始ドタバタとした劇中で、一切のブレを見せない主人公鼓田ミナレの強さは異様なほどに輝いている。普通の人間であれば周囲から血迷い事と取られるようなとんでもない彼女の発言や行動も、「鼓田ミナレであれば仕方ない」あるいは「鼓田ミナレならではの真理をついた発言なのではないか」と読者に思わせてしまうだけの説得力は、その彼女のブレない強さに由来するものである。
正確にいうと彼女は常に恋においても仕事においても「ブレまくっている」が、365日24時間ブレまくり続けるということもまたひとつの「ブレない強さ」なのである。