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YUKIKAZEのレビュー・評価・感想

天国大魔境 / Heavenly Delusion
8

考察が好きな人にはたまらない

清潔で穏やかな、近未来感のある環境に暮らす子供たちが通う「学校」。荒廃し、秩序が失われた日本を旅をする少年たち。2つの世界が振り子のように描かれた作品。
ストーリーが進むにつれ、真相がパズルのピースのようにわかっていくことがとても気持ちがいい。伏線回収や、考察が好きな人にはかなりおすすめできる。
世界観も細かいところまで作りこんであって、とても良く練られていることがわかる。例えば「災害」後に生まれた子供たちの教養のなさなどだ。箸の持ち方や倫理観の欠如などを気にしている場合ではなく、とにかく必死で生きていることが話の随所に見受けられる。
この漫画を支えているのは、世界観を正確に伝えられる圧倒的な画力だと思う。登場人物の描き分けが恐ろしいほど巧く、奇抜な髪形や服装をしていなくても「あ、このキャラはあのシーンの!」と説明がなくても気が付くことができる。
シリアスとギャグのバランスもちょうどいい。グロテスクなシーンや性的なシーンが独特で、静かなのに狂気を感じる。一方、ギャグシーンの力の抜け方がテンポよく、前作の「それ町」の空気もあってホッとする。
ミステリー小説を解読するような気分になる漫画。いつもならすぐに考察系のブログや動画を見てしまう私も、本作は手を出さずに答え合わせを楽しんでいる。ただし前述のように際どいシーンもあるため対象年齢は高めだと思われる。

ダイヤのA / ダイヤのA actII
9

超人気野球漫画。

ダイヤのAは、アニメ化もされた言わずと知れた超人気野球漫画です。少年マガジンに連載されており、発行巻数は野球漫画の中でもトップクラスと言えます。第1部は「ダイヤのA」、第2部は「ダイヤのA actII」の2部構成になっています。第一部は主人公の澤村が青道高校に入学し、夏の甲子園地区予選を経て、春の選抜出場を決めるところまでが描かれています。第2部は春の選抜以降が描かれています。主人公は、田舎の弱小野球部出身の野球好きのサウスポー少年・沢村栄純です。沢村の中学最終戦を偶然見に来ていた、高校野球の名門・青道高校のスカウト高島に素質を見抜かれます。同級生らの後押しもあり、一念発起して東京に上京し、プロ選手を多く輩出した青道高校に入学します。当初は球速130キロにも満たず技術的には未熟でしたが、柔軟な関節から生み出されるクセ球・ムービングファストボールを武器に、持ち前の負けん気と闘志で成長を重ねます。上級生捕手・御幸一也やクリス、同じ一年生である孤高の豪腕投手・降谷暁らと出会い、時に衝突しながらも互いに切磋琢磨し、全国の舞台を目指していく王道スポーツ系と言える物語です。最初は決して優れた能力ではなかった主人公の、ピッチャーとしての成長過程も読者の心を引きつけます。主要キャラ以外にも、チームメイトの小湊春市、倉持洋一、川上憲史、鬼監督・片岡ら豊富なキャラクターと、その画力の高さは男女問わずファン層を拡大しました。仲間との寮での共同生活や厳しい練習、試合など、純粋に高校野球の青春が描かれていて胸が熱くなります。野球の描写も細かくて、野球ファンも十分に楽しめる内容になっています。

ターミネーター / The Terminator / T1
10

100年たっても名作

まさに不朽の名作。
これを超える映画が果たして出るのだろうか?
ここまで完成されたストーリを、人が生み出したと言う奇跡に驚愕です。
人が生み出した機械が、人工知能が、人類に牙をむくと言う斬新なストーリーをあの時代で組み上げてしまえる監督は天才だったとしか言えないですね。
もちろんほかの方も考えていたでしょうし作品も出ていたのでしょうが、この作品ほど完成はしていなかったのでしょう。
さらにはタイムスリップ要素まで盛り込んでいるので、どうまとめるのかと思ったけど、なるほどそうするのかと納得した。
BGMもあの耳に残る「ダダン、ダン、ダダン」の音楽は最高だった。
つい口ずさんで言葉で「ダダン、ダン、ダダン」と言ってしまうような、シンプルで覚えやすく、聞く人の脳に簡単に刻み込まれるような曲を作った作曲者さんはすごいし、演出も神がかってた。
ターミネーターが、ダメージを受け片目だけ機械が見える様になって、赤く光っているのが見えるのはとても不気味でいい演出だったし、ナイフで腕の皮膚をはいで腕の確認するとこは、ほんとに気持ち悪くなった。
そして何よりも、俳優さん達の演技などが本当に素晴らしい!
ターミネータに追われるサラ・コナー役のリンダ・ハミルトンさんの鬼気迫る表情に、手に汗握ります!
まだ見ていない人は、ぜひ見るべきです。
本当におすすめの映画です!

おそ松さん / Mr. Osomatsu
6

「おそ松くん」誕生から54年、新作として生まれ変わり女性向けとなった「おそ松さん」

天才バカボンなどの名作で知られる、赤塚不二夫氏が連載し、アニメ化したおそ松くんのスピンオフ作品です。

見た目も中身もほとんど同じなおそ松くんたち6つ子の兄弟は時を経て大人になり、それぞれに個性を持ったニートとしての日々を過ごします。

第一話から多くのアニメパロディを取り入れた演出が問題とされたのか、製作委員会の判断でDVDなどには収録されない幻の回となるなど、良くも悪くも意欲的に様々な挑戦をしています。
キャストは櫻井孝宏、中村悠一、神谷浩史、福山潤、小野大輔、入野自由という人気声優、特に女性人気の高い6人が6つ子役を担当し、ダメ人間が下ネタも多数交えながら生活する破茶滅茶な日常は、やはり絶大な女性人気を得ました。

ファンアートでは、同じく女性人気の高い"BL"ものも多く、本編で性欲を持て余すあまりに女性どころか同性、それも兄弟に欲情するような内容も多く見られます。

作中では、ニートながらも「ちゃんとしよう」と就職するために行動しようとしてみたり、やっぱりパチンコへ行ってしまいこれといった活動はせずにニートのまま終わったりと、カッコ良さは全くない、ダメ人間っぷりを貫いています。

ただかっこいいだけの男性には無い魅力を持った彼らは、肩の力を抜いて楽しく見られる愉快なキャラクターたちと言えるのだと思います。

ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン / ジョジョの奇妙な冒険 第6部 / Stone Ocean
8

第3部主人公空条承太郎の娘が主人公、舞台は刑務所

本作はジョジョシリーズのタイトルが含まれているものの、単行本の巻数がリセットされ一巻から始まるという「同シリーズ別作品」のような色が濃いものです。

ヒロインの空条徐倫(くうじょうじょりーん)は3部主人公・承太郎の娘ですが、彼女が幼い頃に離婚して父親と関わることなく過ごしたため承太郎のことを快く思っていません。しかしそこにも実は承太郎の家族愛が隠されていたりもします。

承太郎はこの刑務所にいるのは危険だと主張し反抗する徐倫を脱獄させようとするも、その最中に徐倫をかばってプッチ神父のスタンド「ホワイトスネイク」にスタンド能力と記憶をディスク化したものを奪われ、一時的に廃人と化しました。

徐倫は彼の愛を知り、脱獄のチャンスを逃しても彼のディスクを取り戻すことと刑務所の中でプッチ神父を追うことを決意し、神父の送り込む刺客を倒しながらディスクの回収とプッチ神父の打倒を目指します。

本作のスタンド名も、作者が好きな海外ミュージシャン関連のネタが使用されています。
「マンハッタン・トランスファー」「グーグー・ドールズ」「キッス」「ストーン・フリー」など、元ネタを知っていても知らなくてもカッコよく感じられる選定はさすがの一言です。

ストーン・フリーの能力は「線が集まれば立体となる」という2次元→3次元の概念を感じさせられるのですが、プッチ神父のスタンド能力進化後の「時を加速させる」というのは4次元の概念としてもよく使用される設定で、最終話に世界が一巡したことも考えるとやはり本作がジョジョシリーズの終点のつもりで描かれた作品なのではないか、と考えさせられました。
実際には次作であるスティール・ボール・ランが実質的なジョジョの続編として扱われることとなり、その後さらにジョジョリオンが連載され、ジョジョの世界がいかにファンから熱望されているかを感じます。

進撃の巨人 / Attack on Titan
10

歴代最高の漫画

自分が読んだ中で一番好きな漫画である。舞台は700~800年代で、人々は巨人に襲われないように3つの巨大な壁を築き、平和に暮らしている。しかし、物語の序盤に主人公エレンが住んでいる町の壁が破壊され、巨人に襲われて町が滅ぼされた末に母が巨人に食われてしまう。そして、エレンは巨人を全滅させることを心に誓う。エレンは巨人を殲滅させるために日々訓練を行い、巨人の殲滅を目標とした調査兵団に入隊し物語が進んでいく。
ここまで書いた内容からして単純な物語に見えるが、そうではない。この物語はとても深いのである。なぜ巨人が生まれたのか。なぜこの町を巨人が襲ったのか。どこから巨人がやってきたのか。どうやって人々は3つの巨大な壁を築いたのか。などの細かい設定があるのだ。そこまで設定しているのか!と思うくらい細かい設定となっている。また、漫画の1巻の謎だったことが10年越しに解明されたり、伏線の回収がとても気持ちよく、作者は天才なのではないかと思ってしまう。というか天才である。物語の続きは全く予想できず、考察のしがいがあり友達の間でも盛り上がるのだ。
まだ完結まで読んでないが、どんな終わり方になるのかワクワクで、こんな作品を作ってくださった作者に感謝の気持ちでいっぱいである。

この音とまれ! / Kono Oto Tomare! Sounds of Life
8

お琴で青春という新しさ

「この音とまれ!」は「ジャンプスクエア」連載の少年漫画です。最初は人数の少なさから廃部の危機に陥るほどの弱小部活を舞台に、高校生の主人公たちがお互いに切磋琢磨して成長。ライバルに出会ったり全国大会を目指します。よくある青春ストーリーもののようですが、この漫画の目新しさはその部活の内容。スポーツ系でも吹奏楽部でもなく、筝曲部という、お琴で合奏する部なのです。お琴はあまり身近な楽器ではないため、とっつきにくいかもしれません。しかし、主人公を始めとする部員のほとんどが部活で初めてお琴に触れるため、今までお琴のことを知らなかった人でも読みやすいです。また、動画サイトで劇中曲の演奏が見られたり、コンクールが開催されたり、CD・楽譜が発売されたりと、漫画だけではわからない実際の曲も聞くことが出来ます。主人公は「愛(チカ)」という男の子。最初は暴力的な不良のように描かれていますが、それには悲しい事情があったことが明かされていきます。そのほかのキャラクターも、それぞれ辛い過去や、現在進行形で悩みをかかえています。明るい話ばかりではないので、とにかくスカッとしたい人にはおすすめではありませんが、人間関係や技量に悩みつつ成長していくストーリーを求めている人にはぴったりです。