Ai-Kamioka@Ai-Kamioka

Ai-Kamioka
Ai-Kamioka
@Ai-Kamioka
16 Articles
2 Reviews
0 Contributions
0 Likes
Ai-Kamioka

Ai-Kamiokaのレビュー・評価・感想

8 Mile / エイトマイル
10

映画8 Mileのレビュー

日本でも人気が急上昇しているHIP HOPに関する映画です。
2002年にアメリカ合衆国で制作され、カーティス・ハンソンが監督をつとめています。
HIP HOPが好きでなくとも知られている、有名なラッパーのエミネムが主演の半自伝的映画となっております。
ラップだけでなく、貧富の差や人種差別についても題材として扱われており、非常に考えさせられると共に勉強になる一作でもあります。
舞台は自動車産業が没落した1995年のミシガン州デトロイト。そこには都市と郊外を隔てる境界線「8マイルロード」があり、
この道は富裕層と貧困層、そして黒人と白人を区別するラインになっています。
主人公の白人青年ジミー・スミスJr.、通称B・ラビット(エミネム)は母と妹とトレーラーハウスで暮らしています。
彼の夢は得意のラップで貧困を抜け出し成り上がって、犯罪や人種差別とは縁のない生活を送ることでした。
そんな中、シェルターと呼ばれる場所でラップバトルのイベントがあり初めてマイクを握ります。
ですが周りは全員黒人、白人は自分だけという状況で会場中からブーイングや差別の声が起こり何も言葉を発せずにその場を去ってしまいます。
その後、変わらずに勤務先で仕事をこなし移動のバスではメモにリリックを書くという日常が流れていったある日、またシェルターでのイベントに誘われます。最初は断りますが、仲間の言葉と行動に心動かされ出場を決意した当日。
仲間の想いや、幾度となくされてきた人種差別への悔しさをマイクと共に握り込み、たった1人の白人が大勢の黒人へ挑戦します。
言葉を発するごとに会場の空気は次第に変わっていき、実力でわからせる様はとてもかっこいいです。
沢山の暴力・差別・裏切りが交錯する中で、果たしてB・ラビットはどうなっていくのでしょうか。
是非作品を御覧ください。

マグニフィセント・セブン
10

21世紀に復活した「荒野の七人」!

黒澤明の不朽の名作「七人の侍」を翻案し、メキシコ寒村を舞台に匪賊と闘う七人のガンマンを描いた傑作と名高い西部劇「荒野の七人」をデンゼル・ワシントン主演・アントワン・フークワ監督で復活させた本作。
敵こそ山賊ではなく、私兵まで擁する極悪非道の実業家とかなり現代的な設定にこそなってはいるものの、かつて実業家に家族を虐殺され、街を蹂躙された女性の願いを受け入れた七人のガンマン達がやがて命を賭けて敵に立ち向かう設定はオリジナルを踏襲している。
タフでリーダーシップに溢れたチザム率いる個性的な七人の戦いぶりもひたすら痛快にして豪快で觀るものを魅了する事間違いなし。
ナイフの達人・射撃の名手・追跡と弓の名手・二丁拳銃の使い手などそれぞれの技量で西部を生き抜いて来た男たちが報酬は度外視してまでたった一つの目的の為に命すら顧みない「凄さ」はオリジナルにも増して濃く描かれていて、「名作が時代を越えて蘇った」事をまざまざと痛感させてくれる。
ラストの激戦では七人側にも当然死者が出る事になるが、”かつてはアウトローだったかも知れないが英雄として死んでいった者たちへの賛辞”が画面からも伝わって来て心底「観てよかった!」と思える作品になっていた。