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0cmk3854のレビュー・評価・感想

スイートプリキュア♪ / スイプリ / Suite PreCure♪
7

原点回帰と挑戦も兼ねたシリーズ第8作

2011年2月から2012年1月にかけて放送されたプリキュアシリーズ第8作で、幸せの楽譜を狙うマイナーランドにプリキュアが立ち向かうあらすじとなっています。本作はスタート時のメンバーが2人で、追加戦士も加わるものの基本2人揃わないと変身できないというくだりが初代及びS☆S以来の原点回帰的構図になっていて、物語も喧嘩状態だった主人公2人がプリキュアとして活動していくにつれて再び絆を取り戻していくという構図となっています。当初こそ毎回のように喧嘩する姿に賛否分かれるものの、後に追加戦士も踏まえて引き裂かれた絆が再び戻るくだりは本作では一貫していた印象でした。また、前々作フレッシュ以来の敵から仲間になるキュアビートのドラマは個人的にはかなり刺さって好きなエピソードです。また当初謎の仮面プリキュアとして登場したキュアミューズが初の小学生プリキュアと、原点回帰の一方で挑戦的要素も多い作品になっていたと言えました。
放送していたときに東日本大震災が発生し、それを踏まえた路線変更も行われ、最終的には悲しみから生まれたラスボス・ノイズを救済する結末になり、後の敵も救う路線のある意味始まりになった作品になります。個人的には中盤から終盤にかけての盛り上がりが見応えがあり、シリーズ中思い入れも大きい作品になっていますね。

ミスト / The Mist
8

人を選ぶ映画ではあるけど、私は好き。

この映画はクトゥルフの怪物(公式に発表されているわけではないが、姿形が似通ったものが多い)が出てくる数少ない作品である。よってクトゥルフのTRPGに手を出し、その怪物についての参考資料が欲しいなどといった方にもおすすめできるだろう。作品全体を通してもクトゥルフらしさを前面に押し出した「どうにも抗えない怪物」や「主人公の行動が裏目に出る」などのオンパレード。ラストも胸糞な主人公に対して最大のバッドエンドとなるので、見る側はそれなりに覚悟がいることになる。しかしそれでも怪物の作りの一つ一つの細かさや、恐怖に駆られた時の人間の心理状況の移り変わり。恋人を何をしてでも助けようとするもの、神に縋るもの、生贄を捧げよと声を上げるもの。果たしてこのような状況に陥った時に、真に凶悪なのは怪物なのか、人なのかと考えさせられる作品である。そしてそんな中でも主人公の「この状況をなんとしてでも変えなくてはいけない」という考えは、この映画ではことごとく裏目に出てしますが誰もが持つ考えである。濃密に霧のように絡む恐怖とどうしようもない状況に焦る心理、視聴し終わった後は思わず扉や窓、カーテンの隙間から覗く深淵が気になって仕方がなくなることだろう。