シャーク

シャークのレビュー・評価・感想

New Review
シャーク
9

気弱ないじめられっ子の逆襲物語

主人公、渋谷聡は性格・成績ともに問題ない模範的な中学生だった。
だが父親の事業が失敗し経済的余裕がないことがきっかけで、陸連会長の息子でもありボクシングで負けなしの尾崎ヒロキに目をつけられ、
中学時代に壮絶ないじめを受け自殺未遂をするまでに追い詰められていた。
尾崎から逃げるため必死に勉強し、名門高校に進学を果たした渋谷だったが不運なことにそこにはボクシングの特待生で入学した尾崎がいた。
さらには同じクラスという絶望の中、入学初日から尾崎は渋谷をからかい、暴力で支配しようとしたが、
中学の頃の壮絶ないじめがフラッシュバックし、恐怖から我を忘れて渋谷は鉛筆で尾崎の右目を刺し、失明させる。
当然、渋谷は殺人未遂で懲役3年を科せられ少年刑務所へ送られる。
そこでは渋谷の今までのほがらかな性格からたくましい性格へと一変させるほど刑務所内の囚人たちによる争いはひどく、暴力と権力による支配が日常だった。
そんな中、後の渋谷の恩人でもあり、師匠にもなるボクシングの最年少世界チャンピオン・兵頭真と運命の出会いを果たす。
3年間の刑務所生活は彼にとって辛い事の連続だったが後に刑務所生活で培った経験と人脈が彼の人生に大きく貢献する。

シャーク
8

漫画シャークの魅力

受けていた主人公のシブヤは、そのいじめのあまりのひどさから、ある時我を失いキレてしまい、オザキの片目を失明させるほどの大怪我をさせる。そのことで殺人未遂の罪で少年院に入ることになったシブヤは、面会に来たオザキから出所後の報復を宣言されてしまい、自分が助かるにはオザキよりも喧嘩が強くなるしかないという結論に達し、少年院の同僚であるボクシングの元チャンピオンである兵藤に教えを乞うことをお願いする。
その血のにじむようなトレーニングの過程や、兵藤出所後の少年院内での喧嘩、その後の自主トレの中で、主人公シブヤが成長していく姿が描かれている。
また一方で片目を失明したオザキはボクシングの道は閉ざされ、裏社会へと入り、喧嘩は更に強くなっていく。もちろんシブヤへの報復は忘れておらず、シブヤが出所するところをオザキは待ちかまえ、そこで二人は再び対決へ。対決の序盤はオザキが優勢だが、その後どうなるか!
弱虫だった主人公が成長していく姿が丁寧に描かれており、読者を飽きさせない良作だと思う。絵の上手さはお世辞にもあるとは言えないが、読みにくいと感じるほどではないです。