バットマン:ダークナイト・リターンズ

バットマン:ダークナイト・リターンズのレビュー・評価・感想

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バットマン:ダークナイト・リターンズ
10

年老いたバットマンのその後

あのバットマンがもしも55歳の中年男性になっていたら?というifのもと作り出された本作。
80年代後半に生まれた本作は「ウォッチメン」などとともにアメコミ史上に残る最大最高の傑作として君臨しています。
45歳を機に引退し隠居生活をしていた55歳のバットマン。しかし自身がいなくなったことで街の治安は悪化し、ギャングや半グレ集団などが街で大きな顔をしていました。かつて親友だったスーパーマンは政治的な戦いばかりにしか目を向けず治安維持には全く貢献せず、警察は役に立たないそんな中、心臓病に苦しむ体に鞭を打ちバットマンが立ち上がりました。しかし、そこへかつての宿敵ジョーカーも彼に誘われるように戻ってきて…という内容の本作。

中年になったバットマンが現実の問題と向き合いながら、ジョーカーやスーパーマンとの最後の決戦に向かっていく本作。恐らく数あるバットマン物のコミックでは本作こそが間違なくナンバーワンなのではないかと思います。
一番の名場面は引退したはずのバットマンが蘇った姿を見て、ただの負抜けた男になっていたはずのジョーカーが笑顔を取り戻し「バットマン、ダーリン…。」とつぶやきながらその狂気を取り戻すという場面でしょう。狂った男たちの最後の戦いを描いた本作、ぜひ読んでください。