ドランクモンキー 酔拳

ドランクモンキー 酔拳のレビュー・評価・感想

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ドランクモンキー 酔拳
10

ジャッキー・チェン語るならこの作品でしょ!

恐らく最もジャッキー・チェン主演の映画の中で有名で人気のある作品だと思います。
実は、作中に出てくる「酔八仙拳」という拳法は実在しないのだそうです。いわゆる酔拳という酔っ払いの動きを模して戦う拳法は有りますが、実際に酒を飲んで戦う拳法は完全にオリジナルなんだそうです。
そしてこの映画、実は歴史上実在した人をキャラクターにしているんですよね。主人公フェイフォン(ヒコ)はフォン・フェイフォンで後の文化大革命時代の英雄のひとりなんですね。
父親のケイインは広東十虎に数えられる洪家拳の達人だったそう。この映画のようにそりゃ修業も厳しく怖かったでしょうね。
本作のフェイフォンの師匠の蘇乞兒(ソカシ)なんですが、この人別に酔拳使いではなかったそうです。というか実は本当にいたかどうかもちゃんとした資料が残っていなくて怪しい人物なのだそう。
まあ作中のように身分を隠して放浪していたのなら、記録に残るなんてことはほとんどなかったでしょうね。そう考えると映画の中のキャラクターのような人府だったのかもしれないですよね。なんかそうだったらいいなと思ってしまいます。
さて、カンフー映画の基本は悪人にやられて修業してやり返すというのが基本的な流れです。
ブルース・リーがこの流れをぶち壊して新しい流れを作ったんですが、ジャッキー・チェンは敢えて戻してそこにコメディ要素をプラスする事で世界的にウケる映画に仕上げました。笑いあり・涙あり・アクションあり!の王道なんですね。

ドランクモンキー 酔拳
9

ジャッキー・チェン語るならこの作品でしょ!

ジャッキー・チェンの作品群の中でももっとも有名な作品でしょう。
簡単なあらすじはドラ息子のフェイフォンがいたずらの罰代わりの修業で強くなり、数々の達人を倒してきた殺し屋が父親を殺そうとするところを救うという物語です。
見どころはいくつかあるのですが、まずは修業のシーンです。
何のためにどんな技を身に着けるための修業なのか分からないままにとにかくきつい訓練を受け続けます。
それから無銭飲食のシーン。とにかく出てくる料理が美味しそうなものばかりというのもそうですが、その量たるや!
そしてそれをまたいかにも美味しそうにバクバクと食べるジャッキー・チェン。なんとも気持ちいいでくらいです。
最後の殺し屋との戦いのシーンがまたおもしろカッコいいです。
実は実際にお酒を飲んで戦う酔拳は実在しないそうなんですが、この映画のために設定と型をオリジナルで作ったのだそうです。
そして、面白いのがこの映画のキャラクターたちの名前を調べてみると歴史上実在した人物たちの名前なんです。
主人公は文化大革命時代の名医で英雄として名高いフォン・フェイフォン、父親はフォン・ケイイン(広東十虎のひとりと言われた達人)、(実在したか怪しいのですがやはり広東十虎のひとり)師匠ソカシなど、歴史上の人物が実は主人公たちキャラクターだったりします。
笑えて、ホロっと来て、戦って!それまでの香港映画の形式である敵討ちストーリーに笑いを初めて盛りこんだ革命的な作品でもあります。

ドランクモンキー 酔拳
8

若かりし頃のジャッキーの激しいアクションを堪能できる

1978年に公開されたジャッキー・チェン主演のカンフー映画で、ジャッキーの名を広めるきっかけになった記念碑的な作品とも言えます。
正義感はあるもののチンピラ崩れの青年ウォン・フェイフォンはそのあまりの自堕落ぶりを見かねた父から酔拳の名手・ソウ・ハッイーに修行を課せられ、徹底的にしごかれながらも酔拳を会得していく流れです。
初期のカンフー映画を象徴する映画だけあって、ストーリーに関しては完全に添え物程度で(よくよく考えれば無銭飲食などジャッキーの方に非がある展開も多かったり)、数分に1回の割合で戦闘シーン、または修行シーンが繰り広げられている印象になっています。
最もカンフーを見せる映画なので、その趣旨に関しては間違ておらず、むしろ20代の若かりし頃のジャッキーの激しいアクションを堪能できる作品となっています。タイトルにもある酔拳の伝授が始まるのが開始1時間くらい経ったぐらいでやっとという感じですが、その間も格闘シーンや修行シーンが十分すぎるほど盛り込まれていて気にならないかも?
今の目で見ると中華料理店のゴツイ用心棒や鉄頭のギャンブラーや棒術使いの先生とか、最後の敵の暗殺者はともかく不自然なくらい武術の使い手に遭遇する率が高かったり、1年の修行をやり遂げたフェイフォンに師匠のソウが別れを告げた約5分くらいに最終決戦に興味をもってあっさり帰ってきたりと、ツッコミ所も満載ですが(笑)逆にそれらを指摘しながら見ても楽しい映画だと思います。