大空のサムライ

大空のサムライのレビュー・評価・感想

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大空のサムライ
10

生きて生きて戦い抜け!

この「大空のサムライ」という映画は、元零戦パイロットの「坂井三郎」さんが原作者として、作られた映画です。
主演は「藤岡弘」さんで、勿論の事「坂井三郎」(一飛曽)を演じています。
この作品の見どころは、昭和17年に日本海軍航空隊が「ラバウル」に進出したところから始まります。連日の空戦にて大戦果を挙げる零戦隊、そこの新任中尉として「笹井醇一」(中尉)(演・志垣太郎)が着任して、坂井と笹井の階級を越えた友情。ここに「笹井坂井の名コンビ」が生まれる。そこに不運の一式陸攻の搭乗員達の出現…機長を「地井武男」(故)が演じており、日本海軍の伝統の闇が見ることができます。そして、連日の空戦により消耗していくラバウル航空隊…熟練搭乗員の戦死・若手搭乗員の戦死、この若手搭乗員はラバウルの病院の看護婦と恋に落ちています。そうこうしている内に、昭和17年8月7日、我が設営隊がガダルカナル島に飛行場を建設中の所に、アメリカ軍が大挙して押し寄せてきました。それに一石を投じるために、ラバウル航空隊の零戦隊と陸攻隊の戦爆連合がガダルカナル島に急行しました。坂井三郎さんはこの空中戦にて4機を撃墜する大戦果を挙げます。ところが、油断していた坂井は右目と右頭蓋骨に敵弾を受けてしまいます。止血しながら、しかも燃料を節約して、誘導の味方機もおらずに歴戦の感を駆使して、何とかラバウルに帰還を果たします。この映画を見て、「男」として学ぶ事が多かった気がします。
友情・伝統の闇・恋・戦友の戦死・空中戦の華やかさ・それと引き換えに傷を負い、「生きる」という信念を捨てずに目的地にたどり着く姿はまさに「サムライ」です。