柳生連也武芸帳

柳生連也武芸帳のレビュー・評価・感想

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柳生連也武芸帳
10

刀剣乱舞が流行っている今こそ読むべし!柳生連也武芸帳は最高の時代劇漫画だ!

「柳生と聞いて思い浮かべる歴史上の人物は?」と聞かれたら、ほとんどの人が柳生十兵衛を連想するかもしれません。しかし、今回紹介する柳生連也武芸帳の主役は、柳生厳包(としかね)が柳生連也斎と名乗る前のお話です。

この作品は、厳包が徳川光友の剣術指南として江戸に来たのを皮切りに、次々と襲いくる強敵たちと戦いまくるというお話だ。
初っ端から相撲取りと戦ったと思えば今度は空手家、その次は各流派の師範30人抜きと、とにかく戦いまくる。
こんなのはまだ生ぬるい方で、次第に人斬り、忍者、居合の達人、同じ柳生の一族、槍術の達人、忍者(くのいち)、宮本武蔵と同じ二天一流の達人、生臭坊主5人組、忍者(犬使い)、山賊100人、忍者(黒幕)と、一話ごとに血の雨が降る天界となっているぞ。
もちろん戦いだけじゃない。それに至るまでの人間模様は非常ん悲しいものがあり、黒幕に怒りを覚えるほどに感情移入ができる。
特に4巻ラストの厳包の悔し泣きは見ていてこっちも泣きたくなるぞ。

あと、個人的には漫画や絵を描く人にとっても重要な資料になると思う。作者のとみ新蔵先生は本人が剣術の達人でもあり、居合の動作やアクションシーンの細かい注釈など非常にわかりやすく描いてくれている。
刀についての豆知識もあるし、いろいろ読んでいて面白い。
劇画や時代劇漫画にあまり興味のない人はぜひ読んで欲しい。
全5巻とコンパクトなのも魅力だ。