スマホを落としただけなのに

スマホを落としただけなのに

『スマホを落としただけなのに』とは、志駕晃(しがあきら)のミステリー小説および、中田秀夫が監督を務めたミステリー映画である。原作は第15回『このミステリーがすごい!』大賞で最終候補に残った人気シリーズだ。賞には落選したが、編集部推薦の「隠し玉」としてシリーズ化され、全3巻が刊行された。
主人公の麻美の彼氏である富田がスマホを落とした日から、麻美の周囲で不可解な出来事が起こり始める。やがて事態はネットに留まらず連続殺人事件、そして麻美の秘密をも暴いていくことになる。

スマホを落としただけなのにのレビュー・評価・感想

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スマホを落としただけなのに
8

ハラハラドキドキ。誰にでもあり得る話です。

スマホを落としただけなのに。今や老若男女問わず、一人一台スマホを持つ時代。スマホを落とすなんて可能性は、誰にでもあるわけです。この映画のように、あるときふとしたときにスマホを何処かにおいてきてしまっただけで、犯罪に巻き込まれる可能性は、誰にでもあるわけです。この映画を見ると、その恐怖を身をもって体験することになります。本当に恐ろしい話です。パソコンを使うことに長けている犯人は、スマホを通じて狙いを定めた人の行動を、徹底的に監視します。ウイルスをその人のスマホに入れるなんてことも、容易に出来てしまうわけです。その人がどこでなにをしているのか、どんなサイトを見ているのか、すべて把握されてしまうわけです。実際にこの映画の中でも、主人公のSNSをのっとって、パスワードやIDをすべて変更して、本人がログインできないようにしたり、本人になりすましてSNSで繋がっている人に勝手にメッセージを送ったりする場面があります。場合によっては恥ずかしい写真まで、ネットにばらまかれてしまうかもしれません。何処かでスマホを落として、運が悪ければこういったことに自分のスマホを悪用されてしまうわけです。改めてスマホの管理を考えさせられる作品です。

スマホを落としただけなのに
8

怖い犯人

スマホを落とすということはよくあることだし、そこから巻き込まれるというのがリアルでよかったです。正直、よくある話ではあるので、そこはどうかなとも思うけど、そこは犯人のサイコパス加減でかなり評価を上げている気がします。もともと狂っていて、おかしな人ってのもいいけれど、パッと見普通でいい人っぽいのに悪い人ってのがよいです。それも悪いっていうより、おかしい、狂気系でさすが彼だなと感心してしまいました。狂気を帯びた瞬間の演技は見逃せません。サイコパス感を出した後は、もう彼にしか目がいきませんでした。そういうところがほんとすごいなと思います。ヒロインにしてもやっぱり北川景子はかわいいし、綺麗な顔をしているけど秘密がありそうなところも、似合ってました。その秘密については、ミステリー好きなら、これはあれだねってわかっちゃう、よくあるやつだったのですが、それはそれでオマージュぽくていいと思いました。最後に彼女たちが幸せになるのはどうなんだ?とも思うけど、そういう終わりも終わりでいいのかもしれません。なんだか、思ったラストではなくて、びっくりしたし、犯人はまた出てきそうな雰囲気だったので、たくさん続編が作られるといいななんて思いました。

スマホを落としただけなのに
8

スマホという化物について考える作品。

テレビの地上波放送で観たのですが、思っていた以上に面白かったですね。主演の北川景子の演技もよかったと思いますし、田中圭を始めとしたキャスト陣も非常に豪華でした。『リング』で有名な中田秀夫監督の作品であることはあとから知りました。次から次へと物語はテンポよく進んでいくので観ている方を飽きさせるような中だるみもありません。元々、北川景子にあまり興味のなかった人でも全然違和感を感じることなく楽しめる作品だと思います。バカリズムもいい味を出していたと思います。連続殺人事件をモチーフにした映画としては『羊たちの沈黙』のような雰囲気もありました。最後の映画館のシーンにカップル役で出演している北村匠にも注目です。FacebookやLINEなどのSNSアカウントを乗っ取られるだけでこんなに酷い事件が発生するとは思いませんでした。実際に起きても不思議のない時代になったんですね。スマホのロックを外すだけですべてのプライベートな情報が丸わかりになってしまうのは非常に考えものだなと思いました。第二弾も公開するとのことなので是非観てみたいと思っています。最終的には成田凌の演技力には驚愕しました。親の子供に対する虐待が大きなテーマにもなっていると思いますが、映画全体に深みを与えていてよかったですね。

スマホを落としただけなのに
9

浦野の猟奇性が怖かった

浦野が自身を虐待していた母親に対する執着心が生んだ、大量の猟奇殺人事件は怖かったです。
殺された風俗嬢を襲うシーンや、襲う前の異常な行動は本当に怖かったです。
さらに麻美への小柳のストーカー行為がどんどんエスカレートし、ついに近所に引っ越し、家まで来たのかと思ったシーンは手汗が出てしまうほど、ドキドキハラハラしました。
それに、あんなに仲が良かった麻美と富田が大喧嘩してしまった原因の動画も、その小柳のストーカー行為も何もかも全て、浦野が仕組んだ仕業だったことに驚きました。
それを麻美本人にばらした後、救出しにきた富田と麻美、駆けつけた加賀谷に襲い掛かった時の浦野の暴走っぷりはとても異常でした。
その最中に麻美が富田に明かした秘密の内容は、とても切なく悲しいものでした。
でも、凄い秘密を抱えた麻美を受け入れ、再度富田がプロポーズするシーンは感動しました。
自身を虐待していた母親への異常な執着心とトラウマは、浦野と加賀谷に唯一共通する点でビックリしました。
スマホを落としただけで不可解なことが起き、スマホを乗っ取られ、挙句の果てに殺されそうになるなんて、本当に起こりそうな事件だったので、とても勉強になりました。

スマホを落としただけなのに
7

犯人がキモい

怖い話でした。犯人が気持ち悪すぎます。誰だかわからない体で映るところも気持ち悪いし、あっ、こいつが犯人ぽいなって思って、でも喋りかたとか落ち着いてるし違うかなとか思ってたら、急に爪を噛んでんのか、カチカチいわしだして、声が興奮してきて、やっぱこいつが犯人か!ってなってからが、まあキモい。なんで、殺すのか理由もよくわからなかったですし、ほんとサイコパス的な感じでした。あの役者さんはほんとにサイコパスな役が似合うなと思いました。でも、ヒロインらも、はっきりいってセキュリティが甘いし、エロ写真とかスマホに入れておくのが悪いし、あんまりよくないなと思いました。ああいうのは、映画の中でもよくないこととして注意すべきだと思いました。カップルだけで楽しむとか思っててもいつネットに流出するかわからないと思います。あと、ヒロインの秘密の話はいらない要素だと思います。まんま、火車のパクリだし、ヒロインが秘密のせいで警察を頼れないとかそういう感じに描かれているわけでもないし、あの設定はなんの意味があって、付け加えたのかわかりません。スマホを落としただけでここまで酷い目に遭うなんてってことが描きたいなら、被害者側はほんとただ、普通の人でいいと思います。

スマホを落としただけなのに
8

映画館で声を出してしまった

「スマホを落としただけなのに」という映画にそこまでの期待はしていなかった。田中圭がカッコ良さそうだし、スマホの話って何か面白そうといった感じで、軽い気持ちで見に行ったのだ。
しかし、映画を見始めて、しばらくしてから、とんでもなく恐ろしい映画だということを思い知らされた。
現代社会においてSNSは欠かせない存在であり、今ではインスタ映えなんて言葉が当たり前に使われる世の中。どれだけ良い写真を撮れたか、盛れる写真を撮れたか、それをどれだけの人数にいいねしてもらえるか、というのが重要視されている時代で、それが個人情報を流通させていることを忘れてしまう。
そして、それを利用して、赤の他人であっても簡単に個人情報を手に入れることも、その人になりすますことも出来るのだ。
成田凌が初め出てきて、パソコンを使ってスマホを直してくれていた時、田中圭や北川景子同様に、私達も「成田凌すごい!」と思ってしまっていた。しかし、冷静に考えれば確かに、それは知らない人に個人情報を提示する行為だった。でも業者だと言われたらわからないだろうな。
成田凌が犯人だと判明した時の恐怖は、忘れられない。成田凌がカーテンからザッと出てくるシーンがあるのだが、そのシーンは怖すぎて、私も友達も映画館だということを忘れて「やめてーーー!!こわーーーー!」と声を出してしまった。すると、周りの人たちも釣られたのか「やばいよ、怖いよ!助けて!」など、まるで応援上映さながらの盛り上がりを見せた。
今まで感じたことのない、一般的なホラー映画とは一味違う作品。サイコパスな犯人と、スマホを落とすという日常にありそうなことから舞起こる事件と、そういった怖さがこの映画には存在した。

スマホを落としただけなのに
10

誰にもありえそうな現代の闇

とにかく面白い映画です。普及率が高くなり誰もが持っているスマホ。しかも、スマホには恐ろしいほどの個人情報が入っています。
彼氏がスマホを落としてから悲劇が始まります。スマホ1つでクレジットカード情報を手に入れられる。誰もが何の危機感を持たずに自らプライバシーを明かすSNS。
この映画を観るとSNSの怖さがよくわかります。たとえパスワードなどで管理していても、彼女や家族の誕生日をスマホから調べて手に入れるなどしてロックを解除。完全なセキュリティ管理などないのだと実感させられました。
ただのストーカーだと思っていたらまさかの犯罪に展開。しかも北川景子が演じたヒロインの壮絶な過去までもが明らかにされてしまいます。
確かに映画なので極端な展開なのですが、実際にスマホを落としてしまうと知られたくないことまで知られてしまう、カード詐欺にあってしまう。そんな恐怖を感じました。
ネット社会の闇がよく描かれていました。この映画はまた違った意味でのホラーです。
子供も当たり前のようにフェイスブック、インスタをしていましたので一緒に観てネットの恐ろしさを教えることができました。とてもいい教訓となったのではないのか、と思っています。